Chapter1-82
そうして夕食に舌鼓を打った四人は寝る準備をしてから眠りに就く。
そして翌朝。
「お待たせしました。鳥の蒸し焼きの野菜添えと、オレンジジュースでございます」
そうして運ばれた朝食を四人は食べ、そして受付に行く。
「料金は既にこちらの王から支払われておりますので、ご安心ください」
「ありがとう」
レーナ姫がそういうと、ファーラはこういう。
「それじゃあ行きましょう、ジェノス城へ!」
「そうね」
レーナ姫がそういい、四人は駅馬車に乗り込む。
そして駅馬車は走り出す。
「いよいよジェノス城ね……」
「エリファーのいう通りね。寄ったことは無いけど、広い城だと聞くわ」
そんなリリィに、レーナ姫はいった。
「寄っていたら警戒されてそうだしね」
「そもそもお姉さまが倒された以上、眷属契約は切れたと思っているんじゃないのかな?」
リリィの言葉に、ファーラはこういった。
「サキュバスの眷属契約は死んだら解ける物なの?」
「死んだら主従も何もあった物じゃないし、死んでも一緒ってことじゃなければ結ばないわ」
そんなリリィに、レーナ姫はこういった。
「つまり、死後も眷属として縛っておきたい相手ならやるってこと?」
「そんなことするサキュバスが人間の前に現れたら狩られてるか、世界に知られているかしているはずだしね」
リリィの言葉にファーラは頷いた。
「確かに、そういうサキュバスが居るって話は聞きませんね。居たとしても狩られているということでしょうか?」
「それにそういうサキュバスは魔族にとっても脅威となり得るから、人間と魔族の両方に追われることになるわ」
そんなリリィの言葉に、レーナ姫はこういった。
「つまり、どちらからも追われる立場ってこと?」
「そうなるわね。だからこそ、そういうサキュバスは繁栄できなかったともいえるし」
リリィの言葉に、ファーラは頷いた。
「適者生存ってことですね」
「この場合そういうのが正しいのかは分からないけど、まあそうなるわ」
そんなリリィに、レーナ姫はこういった。
「ともかく、進まないとだけどね」
そして時が経ち、昼になったため馬車を止めてホットドッグを食べる。
「牧草を食べさせるために止まらないといけないですし、ゆっくりしますよ」
「とはいえ飛べる乗り物なんてあるの?」
そんなエリファーの問いに、レーナ姫はこう答える。
「ペガサス馬車という物があるらしいわ。といってもペガサス自体が貴重だから大規模輸送には向かないけど」
「ペガサスは幻想種って聞いたけど、馬車を引かることができるのね」
そんなエリファーに、レーナ姫はこう返す。
「まあ、主要国に一車あるかも分からないものだけどね」




