Chapter1-72
パスタを食べ終えた四人は、馬車でナイジェポンへと向かっていた。
「そろそろナイジェポンが見えるころかしら」
「レーナ姫のいう通りですね。そろそろ見えても可笑しくないです」
町が見える。そこは所々が壊れているように見えた。
それを見たエリファーは首をかしげる。
「何かあったのかしら」
「魔族の襲来……にしては妙ね」
そんなリリィに、エリファーは問いかける。
「妙というと?」
「狼煙が上がった痕跡はない、っていいたいの」
そんなリリィに、レーナ姫はいった。
「猛獣でも通りがかったんじゃない?」
「いずれにしても話を聞いた方がいいかもしれませんね」
そうしてファーラが進むと、ナイジェポンにたどり着く。
すると、住民はいった。
「町を見て驚いたか?バッファローの群れに少しやられたが、騒ぐほどじゃない」
「バッファローの群れにそんな力があるのね」
そういうエリファーに、ファーラはいった。
「バッファローの群れの突進は魔猪よりも強い、といわれます。町が多少荒れるのも無理はありません」
「とはいえ、バッファローの群れが町をやったなら私達にやることはなさそうね」
そんなエリファーに住民はいった。
「ぶっ壊れた木材の移動を手伝ってくれれば助かるんだけど」
「そうね。いったん宿に駅馬車を留めて、それから手伝うわ」
レーナ姫はそういって宿に向かい、ファーラに駅馬車を留めさせる。
そして木材の移動を手伝うことにする。
「で、どこに持っていけばいいの?」
「へし折れてるから建材には使えないし、燃料や槍とかにして再利用するんだ」
そんな住民に、レーナ姫はこう返す。
「それは分かったけど、どこに運ぶの?」
「すまない。とりあえず、倉庫に運んでくれればいい」
住民にそういわれ、四人は木材を倉庫に運ぶ。
「助かったよ。お礼しようか?」
「そうですね。宿の料金を半額にして貰えますか?」
そんなファーラに、住民はこう返す。
「相談してみる。とりあえず、宿ってどこだ」
「私達が泊っている宿はあそこです」
ファーラは駅馬車を留めた宿を指さした。
「それじゃあ、行こう」
そうして四人は宿に戻ることになるが、受付の人にこういわれる。
「上級ルーム半額は難しいですね。記録を見るに時間も掛からなかったようですし、三分の二はどうですか?」
「分かりました。では、部屋に案内して貰えますか?」
ファーラはこういい、受付の人に案内させる。
すると、レーナ姫はこう問いただす。
「ファーラ、わざと吹っ掛けたんじゃないの?」
「そういう交渉術も時には必要なんですよ」




