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Chapter1-71

「さて、ドラゴンクリムゾンを追い払ったとこだし次の町へいこうかしら」


「そうですね。急がないとここでもう一日過ごすことになりそうです」


 そんなファーラに、レーナ姫は問いただす。


「どうしたの?そこまで時間は経ってないのに」


「次の町までは結構距離があるので……」


 すると、そんなファーラを見て住民はこういった。


「では、この町で一番高価な槍を渡します」


「これは……水牛の牙で作った槍ですか」


 ファーラは物珍しさに驚いた。


 水牛の牙はナイフとして細かく削られることもあるし、槍として使われていても狩猟に使用していることが多い。


 そのため、水牛の牙で作った槍は中々出回らないのだ。


 しかも珍しいだけでなく、槍としても強力だ。


 動物の牙でできているため取り回しがしやすく、それでいて鋭い。


 要するに、ファーラが持っている槍より強い上に取り回しがしやすいのだ。


「私が持っている槍は……一応取っておきましょう。交換に使えるかもしれませんし」


「さて、お礼ももらったところだし急がないとね」


 レーナ姫がそういうと、四人は馬小屋に向かう。


 宿代もドラゴンクリムゾン退治のお礼として払わなくていいということになったため、

四人はそのまま駅馬車に乗り込んでガナーリアを旅立つ。


「次はナイジェポンだね」


「レーナ姫のいう通りですね。ナイジェポンは宿場町なのであまりにぎわっていませんが、宿は充分整っています」


 そんなファーラに、リリィは突っ込んだ。


「狩猟民族の町なのに宿場町なの?」


「ここを通る商人が休息のために作った町ですからね」


 平然と答えるファーラに、リリィは納得がいったようだ。


「つまり、野営地を発展させた場所ってことね」


「まあ、魔族としてみたら……でもあなた元人間だよね?」


 そんなエリファーに、リリィはこう答えた。


「私は元々町民だったからそこまで詳しくないのよ。貧しくは無かったけどね」


「なるほど……病気してたっていうし尚更ね」


 そういうレーナ姫に、ファーラはいった。


「あなたも一応病気してたことになってるんですよ」


「分かってるって。とにかく、進むわよ」


 レーナ姫がそういったからではないが、馬車はどんどん進んでいく。


 そして昼になると、ファーラが馬車をいったん止める。


「昼食の間くらいなら結界張っていても問題ありません。パスタを作ります」


「そうね。長旅だから、ご飯はゆっくり食べたいし」


 レーナ姫の言葉に、リリィはいった。


「まあ、私もそれには賛成するわ。サキュバスの吸精はゆっくりなことが多いし」

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