Chapter1-68
昼食を駅馬車で食べたレーナ姫達は、ガナーリアの近くまで来ていた。
「それにしても、一転してサバンナって感じね」
「レーナ姫がそういいたくなるのも無理はありません。先ほどまでは山岳地帯でしたから」
そんなファーラに、エリファーはいった。
「それより、町が見えてきたんじゃない?」
「はい。あれがガナーリアです」
そんなファーラに、エリファーはいった。
「それじゃあ、ガナーリアに入るわよ」
すると、町の住民が目に入る。
「手を振っているわね。どうしたのかしら?」
「エリファーがそういいたくなるのも分かりますが、検問でしょう」
そういって顔を出したファーラに、住民はいった。
「ああ、ちょうど良かった。この辺で野生のドラゴンが暴れてて、このままだと狩りが立ちいかなくなっちまう」
「仮にも狩猟民族の国が、野生のドラゴンに手間取っているの?」
そんなレーナ姫に、住民はいった。
「ただのドラゴンじゃないんです。緋色の鱗に、巨大な翼。ドラゴンクリムゾンとでもいいましょうか」
「並みのドラゴンよりは強いってことね。で、そいつの巣に行けばいいの?」
そう問いかけるレーナ姫に、住民はいった。
「いや、明日の朝くらいに襲ってくるという見立てだ。行動周期を記録しているから信憑性は高い」
「なら、今日宿で泊ってからここに来るであろうドラゴンを倒せばいいの?」
そう問いかけるレーナ姫に、住民はいった。
「はい。この際、町に多少被害が出ても……」
「いや、被害はできるだけ抑えるわ」
そんなレーナ姫に、ファーラは問う。
「いいんですか?町の被害を気にしなければ、ドラゴンクリムゾンといえど楽に倒せますよね?」
「住民は避難するかもしれないけど、町が壊れたら復興は大変なのよ」
そういうレーナ姫に、リリィは頷いた。
「分かったわ。とりあえず、今日は宿でゆっくりしないとね」
「そうね、明日に備えないといけないし」
そんなエリファーの言葉を受け、ファーラはいう。
「そうとなれば宿に向かいますよ」
そして四人は宿に着き、料理を出される。
「水牛のステーキのブロッコリー添えでございます」
係が下がると、四人は手を合わせる。
「いただきます」
そして四人はステーキに舌鼓を打つ。
「美味しいわね。流石に、ここの特産品だけはあるわ」
「レーナ姫のいう通りですね。柔らかくて口でとろけていきます」
そういうファーラに、リリィはいった。
「肉汁も迸って濃厚で……私も満足よ」
「あなたがいうと何でか知らないけど卑猥に聞こえるのよね」
エリファーはそういいつつもステーキを食べ進めるのであった。




