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Chapter1-66

「吸血鬼がネギやニンニク苦手なのは聞いたことあるけど、本当なのね」


「犬がネギやニンニク食べたら中毒になったりするよね、エリファー?それは血が壊れるからなの」


 ネギやニンニクにはアリルプロピルジスルファイドという物質が含まれており、

血液の成分である赤血球を参加させて壊してしまうのだ。


 この時代にそこまでの知識は無いが、吸血鬼は経験則でそれを知っているのである。


 ともかく、リリィの言葉にレーナ姫は納得したようだ。


「つまり血が主食の彼らにとって血が壊れる食べ物は天敵なのね」


「そう。血を吸うっていうけど、要はチスイコウモリのような物だから。細々と血を吸って生きる吸血鬼も居るわ」


 そんなリリィに、レーナ姫はいった。


「ともかく、夕食を食べよう」


 そうして四人は夕食を食べ終え、レーナ姫は変身を解く。


「この姿には慣れたか、リリィ?」


「それがあなたの本当の姿ってことは充分承知したわ」


 そんなリリィに、レオンハルトはこう返す。


「まあ、俺はあくまで代役だからな。それ以上でも以下でもない」


 レオンハルトはそういってから風呂に向かい、上がった後三人と一緒に眠るのだった。


 そして翌日、レオンハルトはサキュバスのオーブ力でサキュバスプリンセスに変身して未だ寝ているリリィを起こす。


 その衣装は露出度が高く、容姿はレーナ姫に似てるが身体が成長し色気を振る舞っていた。


「起きて、リリィ」


「お姉さま……じゃないわね。でも、その姿を見ると安心するわ」


 レーナ姫は竜のオーブでドラゴンプリンセスに変身する。


「あまりサキュバスのオーブの力は使いたくないわね。起きないから使ってみたけど」


「恥ずかしいの?男だから内心ウハウハなんじゃないかと思った」


 何故かエリファーがそういったので、レオンハルトはレーナ姫の口調のままいった。


「自分がそうなるのは恥ずかしいって分からないの?」


「意外に恥ずかしがり屋さんなんですね」


 そんなファーラに、レオンハルトは口調を崩さずにいった。


「まあ、こういうのは独特の感覚だから分かりにくいかな」


「露出が多くて目の毒、というのも考えている?」


 そんなリリィに、レオンハルトはどうにか口調を保ちながらいった。


「リリィはサキュバスだからいいとしても、普通は露出が多いと赤面しちゃうっていうか……」


「意外と素朴なタイプなのね、あなた」


 そんなリリィに、レオンハルトはレーナ姫としてこう返す。


「ともかく、そろそろ朝食が来るわ。準備をした方がいいわよ」

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