Chapter1-48
鍛冶も終わり、二人は馬車を泊めている宿へと向かう。
そして彼女たちはファーラと共に駅馬車へと乗り込み、グレウードを旅立つ。
「さて、行きますよ」
「次はどうするの?」
そんなエリファーに、レーナ姫はいう。
「次は国境の町……ストウールに向かうわ。ここからなら、夜にはたどり着けるわ」
「レーナ姫のいう通りですね。ちょっと出遅れ気味ですが、牧草を多めに食べさせているので止まる必要はありません」
「つまり、ストウールまでは止まらない、ってことね」
そんなエリファーに、レーナ姫はいった。
「そうね、行くわよ!」
そうして、馬車は行く。
途中で、彼らはホットドッグを口にする。
「走りながらだけど、やってみせます!」
そういって、ファーラは食べながら馬車を走らせていた。
「このままストウールまで、一気に詰めていきます」
「ファーラのいう通りね。ストウールまではまだそれなりに距離があるから」
そんなレーナ姫に、エリファーはこういった。
「まあ、頑張っていこう」
「さあ、ホットドッグも食べ終えたところだし。後はストウールに着くだけよ」
そして、三人は夕方ストウールに何とかたどり着いた。
「早速馬に牧草食べさせないとね」
「レーナ姫のいう通りですね。かなりの長丁場でしたし」
そして馬が牧草を食べ終えると、三人は宿へと向かう。
「そういやあそこに山があるけど、あれが国境?」
「エリファーのいう通りですね。トンネルで繋がっているから、宿は国境にありません」
とはいえ、とファーラは続ける。
「宿に泊まっていれば検問はスルー出来ますから、そのまま馬車で渡れます」
「それは助かるわ」
そんなエリファーに、レーナ姫はいう。
「まあ盗賊の類は宿に泊まったら捕まるし、魔族もとりあえず目的を聞かれるわ」
「目的を聞かれるっていうけどさ、レーナ姫。魔族で宿に泊まるのは基本何なの?」
そんなエリファーに、レーナ姫は答える。
「基本的に吸血鬼や俗にいう悪魔ね。ドワーフやエルフは亜人であって魔族じゃないし」
「ドワーフにエルフ……本でしか見たことないけど悪魔ってヤバくないかしら?」
レーナ姫はエリファーの抱いた当然の疑問に答える。
「悪魔でも、刹那主義ってだけで人間に害を与えないケースが増えたからね」
「最近は多いんですよね。性的な商売をする悪魔とか中心国では珍しくありません」
そんなファーラに、エリファーはこういう。
「性的な商売……そこはオブラートに包むべきじゃ」
「それ以外にどういえばいいかわからなかったんです、ごめんなさい」




