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Chapter1-44

 高原の中腹にあたる部分で、三人はパスタを茹でていた。


「水も幾らかストックがありますが、そろそろゆで汁で木皿を洗うくらいはやった方がいいですね」


「ラグラント王国までそんなに距離があるの?」


 そう問いただすレーナ姫に、ファーラはこう返す。


「距離もそうですが、道中で何が起きるかも分かりませんし」


「まあ、高原で迷う可能性も無いわけじゃないしね」


 そんなレーナ姫に、エリファーはこういう。


「高い方に登って行けばグレウードが見えるんだからそこまで迷わないんじゃないの?」


「万が一、ということもありますからね。無いようにはしますが、転ばぬ先の杖です」


 無論日本の慣用句がこの世界に……あっても近い何かだろうが、まあ似たようなことをいったのである。


 日本のような国がファンタジー世界に無い、とはいい切れないが航海技術の発展していない世界だと見つかりにくいだろう。


 むしろ日本が江戸時代末期まで外国の脅威に晒されなかったのは地理的要因のおかげとすらいえる。


 イギリスは目と鼻の先にフランスがあったものの、日本から一番近いのは中国・朝鮮である。


 日本は元寇に襲われたこともあったが、いわゆる神風と武将の奮闘によって勝利した。


 中国から日本への航海は命がけだった、という話もある。


 無論今は造船技術の発達で世界一周が長期に渡るといえど旅行感覚で行えるくらいなので、

中国から日本への航海は容易なのだが。


 話を戻すと、三人は出来上がったパスタを皿に盛った。


「いただきます」


 そうやって合図を取ると、三人はパスタに舌鼓を打つ。


「美味しいわ。流石ね、ファーラ」


「いえいえ。メイドたるものこれくらいはできますよ、エリファー」


 そんなファーラに、レーナ姫はこういった。


「確かにね。刻んだハムをパスタに入れるのも中々斬新だし」


「ベーコンばかりだと芸が無いですからね」


 ファーラの言葉に、エリファーはこういった。


「そうね。保存が聞く食材となると限られているものだし」


「エリファーのいう通りね。こういう時に長期保存の大変さは知る物よ」


 そんなレーナ姫に、ファーラはいった。


「大袈裟……とまではいえませんね。何しろこうした食品加工は人類の英知ですから」


「生きるための手段といえるわね。そのおかげで人類の寿命は延びたといえるし」


 実際、人類は狩りを行っていた頃非常に寿命が短かった。


 食料保存や医療技術の問題を解決したことによって、人類の寿命は飛躍的に延びたといえるだろう。

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