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Chapter1-41

「死者の蘇生はできないけど、アンデッドとかスケルトンとかは居るのよね?」


 そんなレーナ姫に、ファーラはこう返す。


「アンデッドやスケルトン……そしてゴーストはこの世への未練が強い人間の魔力が残った存在です」


「未練による魔力で動く存在なので、それを打ち消す聖水が弱点になります」


 そんなファーラに、エリファーはこういう。


「つまるところ、未練が強すぎて魔力だけが残留した存在ってことよ」


「……知らなかったわ」


 そんなレーナ姫に、ファーラはこういう。


「まあ、この辺りは専門知識ですからね。知らなくても無理はありません」


「なるほどね。でも、死んでも復活する魔法もあるって聞いたけど」


 そういうレーナ姫に、ファーラはこう返す。


「それは治療魔法による物です。致命傷を受けた場合も、魂がこの世に繋ぎ留めれる状態なら治療ができます」


「つまり、厳密には蘇生してるわけじゃないのね」


 そんなレーナ姫に、エリファーは頷く。


「その手の魔法は専門知識だからね。治療と蘇生は別物で、前者は可能でも後者は不可能ってことだよ」


 ファンタジー世界において、即死レベルの攻撃を食らうことも珍しくはない。


 だから、というわけではないがファーラはこういった。


「保険として致命傷時に発動する治療魔法を掛けておけば、疑似的な蘇生は可能……ということです」


 それと、とファーラは続ける。


「ちなみに、即死レベルじゃないけど傷を負い過ぎて仮死状態なんて場合はそれ用の魔法があります」


「つまり、それが疑似的な蘇生魔法ってこと?」


 そんなレーナ姫に、ファーラは頷く。


「ええ。区別が面倒なので、一般的には疑似的な蘇生を行える魔法のことを『蘇生魔法』と呼んでいます」


「なるほど。勉強になるわ」


 つまり死者の蘇生を行う魔法は無いが、仮死状態から復活するための魔法として『蘇生魔法』は存在するのだ。


 この辺りは頭がこんがらがりそうな問題だが、まあそういう物なのである。


 そうして話をしていると、昼になる。


「ちょうどいい時間ですね。この辺で昼食を取りましょう」


 そんなファーラに、レーナ姫とエリファーは頷く。


「馬に草も食べさせなきゃいけないしね」


 そんなレーナ姫に、エリファーはこういう。


「この辺の草は食べさせちゃだめ、とかいうルールがあったりする?」


「この時期ならもう立ち去った後だから、若葉を食べさせなければ問題ないわ」


 そう返すレーナ姫に、エリファーはこういう。


「なら、この辺の草を食べさせてもいいってことね」

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