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Chapter1-38

 レオンハルトは王家の聖剣に竜のオーブをかざしてみる。


 すると、竜のオーブは王家の聖剣へと吸い込まれていった。


「これで剣に竜の力が?」


 レオンハルトは試しに、竜の力を解放しようとしてみる。


 すると、彼の脳裏に言葉が浮かぶ。


「ドラグーン!」


 彼がそういうや否や、彼の身体が変化していく。


 胸もパット付けてる時のようなでかい物になる。


 無論、今の『彼』にあるのは本物の胸だが。


 さらに、彼の身体がより滑らかになっていく。


 インナーマッスルが鍛えられており引き締まりながらも筋肉質な女性といえば信じるだろう物だったが、

それが脂肪へと変換されていく。


 『彼』は早速剣を持ってみるが、剣は重いどころかいつもより軽く感じた。


 筋肉が消え去っていても、ドラゴンの力が宿っているため身体能力はむしろ上がっているようだ。


 そうしている間にも、『彼』の髪は伸びていく。


 ウイッグを付けていた彼だが、その必要がないくらいに伸びる。


 顔立ちもより可愛らしくなり、化粧をしてなくても充分といえる状態になる。


 そして、『彼』は股間に喪失感を感じる。


 更に、『彼』はお腹の中で『何か』が開く気がした。


 それで『彼』は悟った。今や『彼』は完全な『女性』なのだと。


 すると彼の身体を衣装が包む。


 煌びやかでありつつも、ドラゴンを思わせる衣装。


 もはや彼女と呼ぶべき状態になったレオンハルトは、自分がドラゴンプリンセスになったのだと悟る。


 身体は華奢になっているが、むしろ全身に力を感じる。


 どうやらあのドラゴンは雌であったらしく、女性の身体になることでその力を最大限引き出せるようだ。


 そんなレオンハルトを見ていたファーラはこういう。


「こうしてみると、姫様の生き写しですね」


「これもきっとあのドラゴンの力だろう」


 『レオンハルト』は女性の声でそんなことをいっているので、少しばかり違和感を感じる。


「この姿の『私』は『ドラゴンプリンセス』レーナってことでいいかしら」


 そんな『ドラゴンプリンセス』にエリファーはこういう。


「意外とノリがいいのね」


「茶化すなっての。俺はレーナ姫として旅してんだから、その方が都合がいいだろ?」


 ドラゴンプリンセスの最もな問いかけに、エリファーはこう返す。


「あなたってそういう判断は早いのね」


「立ち止まってはいられない、それは前にもいったわよね」


 あえて女性口調で返すドラゴンプリンセスに、ファーラは頷いた。


「それでこそですよ。まあ、とりあえず変身を解けますか?」


「分かったわ。……キャストオフ」


 ドラゴンプリンセスはそういうと、レオンハルトの姿へと戻るのだった。

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