Chapter1-36
「というわけで、ドラゴンは卵を守っていたみたいよ」
そんなレーナ姫に、待機していた村人はこういった。
「なるほど、丁度この辺に卵を産んだって訳か」
「一応いっておくけど、妙な真似をしない方がいいよ。卵を奪おうとしたら、今度は敵意と認識するだろうから」
そんなレーナ姫に、村人はこう返す。
「そんなおっかない真似はできないっての。ドラゴンに近づくのも怖いくらいだ」
すると、エリファーはそんな村民にこう返す。
「そう?ドラゴンは割と楽に近づける……訳ないか」
「まあ、あなたの力はまじまじと見させて貰ったから」
村民の言葉に、ファーラはこう返す。
「そうですね。ドラゴンをいさめたお礼として、今晩宿に泊めていただけませんか?」
「どうぞ、喜んで」
そうして、村民を含め四人が馬車に乗り込んでエルゲルトへと向かう。
そんな中、ファーラはこういう。
「戦った後でお腹が空いているでしょうし、昼食を食べますか?」
「確かに、お腹ペコペコだよ」
エリファーの言葉に、レーナ姫はこう続ける。
「そうね。流石に戦った後はお腹が空くし」
「それと、エルゲルトに着いたら馬に草を食べさせましょう。ここまでの足になってくれましたしね」
そんなファーラに、レーナ姫は頷く。
「確かにね。これからも旅は続くんだし、労わってあげないと」
すると、村民がこういう。
「良ければサンドイッチ食べないか?」
「人数分ありますか?」
そんなファーラに、村民は頷きながらこういう。
「流石に、宿に泊めただけじゃ礼には足らないだろうと思ってな。持ってきたんだ」
「ありがとうございます」
ファーラはそういいながらサンドイッチを受け取った。
まだお金はかさばるくらいにあるため、その場で消費できる物の方がありがたい。
勿論お金があることに越したことはないのだが、やはり物ではあるため場所を取る。
貴重品なので無くすわけにもいかないから尚更だ。
ともかく村民含め四人がサンドイッチを食べ終えるころに、馬車はエルゲルトへとたどり着く。
「着きましたね。早速、宿の馬小屋に馬車を置かせて貰います」




