表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/98

Chapter1-32

「まあ、これだけの物を振るえる魔物はこの辺だと少ないものね」


 そんなエリファーに、窓口の受付の人はこういった。


「これだけの魔物なら間違いなく統領だろう。約束のお金だよ」


 そういって窓口の人はエリファーの眼前にお金を見せる。


「ところで、これはお金に換えるかい?」


「半分ほどは持って行かせてもらうわ」


 そんなエリファーに、窓口の人はこういう。


「なら、このくらいだね」


 さらにお金が追加され、エリファーはそれを受けとる。


「これだけあれば今晩の宿泊費を出してもおつりが出そうね」


「エリファーのいう通りね。早速馬車留めに戻るわよ」


 二人は馬車留めに戻ると、ファーラと合流し砦へと向かう。


 そして、砦の入り口でエリファーは窓口へ現金を先払いする。


「上級ルームでお願いするわ」


「かしこまりました」


 この宿の部屋は最上級、上級、一般に分かれている。


 最上級は食事も豪華だが、上級と一般はさほど変わらない。


 一般の場合は一階なので旅人向けであり、また上級ならサービスドリンクが出る。


 ワインや地酒もあるが、このメンバーは誰も酒を飲まない。


 そのためそこそこ上質な紅茶か、モングラ王国の牛乳になる。


 三人は紅茶を選び、それを夕食と一緒に飲むことになる。


 ともかく、仮にも王家の人間が泊まるのであれば上級だろう。


 式典で国内を回るなら最上級だろうが、長旅なのでそういう訳にもいかないのだ。


「さて、これで少しは寛げるかしら」


「レーナ姫のいう通りですね」


 そんなファーラに、エリファーは頷きながらこういった。


「元が砦だっただけに、かなり頑丈みたいだしね」


「兵士が寝泊まりする場所だったから、環境も整えられているしね」


 レーナ姫がそういってるタイミングに、夕食が来る。


「モングラ牛のチーズピザとトマトスープです。上級紅茶もどうぞ」


 そういって運んできた人は下がっていった。


「美味しそう……」


「そうね。チーズを全面に出してる分、色んなチーズが使われてるし」


 レーナ姫の言葉に頷きながら、エリファーはそういった。


 そんなエリファーに、レーナ姫はこう返す。


「チーズの種類も色々あるんだけど、流石に名前は覚えて無いわね」


「そういう知識は無くてもチーズの種類を把握していれば大丈夫ですよ」


 ファーラも名前を空でいえるほどではないようだった。


「トマトスープも美味しいしね」


 レーナ姫がそういい、三人は食べ進める。


 夕食を食べ終えると、レーナ姫はエリファーにこういう。


「着替えるから、あっち向いててね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ