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Chapter1-28

「ああ、君の腕前は王国随一なんだ。胸を張っていいと思うぞ」


 そして翌日。朝食が届けられる。


「トーストとベーコンエッグ、そしてトマトスープでございます。リンゴジュースと一緒にどうぞ」


 店員が去るとともに、三人はこういう。


「いただきます」


 トーストにはバターにジャムが付いている。ジャムは蜜柑や林檎といったポピュラーな物である。


「美味しい……!オーソドックスだけど、それが堪らないのよね」


「レーナ姫のいう通りね。ファーラは?」


 エリファーの問いにファーラは頷く。


「かなりの出来です。シューヴェシティの宿は競争があるので、当然の帰結でしょうけど」


「まあ、メイドだものね。対抗心があるんじゃないかしら」


 そんなエリファーに、レーナ姫はこういった。


「茶化すのは止めといた方がいいわ。それと、準備はできてるの?」


「はい。駅馬車は昨晩お見せした通りこの宿に繋げてますし、荷物の準備もできています」


「お金は私からも出すわ。グレリーオスの洞窟の件で前金も貰ってるし」


 そんなエリファーに、レーナ姫は問う。


「そういやグレリーオスの洞窟から出たら真っ直ぐ次の町に行くけど、討伐の証はどこで見せるの?」


「グレリーオスの洞窟から抜けた先の宿場町、ツガードで見せるわ。そこはモングラ王国方面への通商路だしね」


 そんなエリファーに、ファーラはこういった。


「確かに、ツガードなら討伐依頼についての話も入っているでしょうしね」


「まあ、まずは魔物を倒さなきゃいけないけどね」


 そんなエリファーに、レーナ姫は頷く。


「私も手伝うわ。どのみち、旅のお金は必要だしね」


「そうね。駅馬車にはスペースがあるから、それなりにお金も置く余裕もあるわ」


 そうしているうちに、三人は食事を終える。


「ご馳走でした」


 三人は窓口でお金を払い、駅馬車に乗り込む。


「さあ、行きますよ!」


 ファーラの合図を聞いて馬は走り出す。


「グレリーオスの洞窟まではファーラに任せて、ゆっくりしよう」


「レーナ姫のいう通りだね」


 そして、馬車は洞窟へと差し掛かる。


「あれがグレリーオスの洞窟ね」


「エリファーのいう通りね。この先に魔物が住み着いているなら!」


 そして、洞窟に入るとそこはたいまつが掛けられていた。


 保護魔法が掛けられているため、魔物に攻撃されて火が消えることは殆どない。


 消えることがあるとしたら保護魔法を破れるほど強力な魔物に攻撃された時だろう。


 奥に進んでいくと、レーナ姫とエリファーは気配を感じる。


「この息遣い……キングトロールね。確かに、小隊を率いるだけはあるかしら」

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