表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/98

Chapter1-24

 ホットドッグを食べ終えたレーナ姫だったが、ファーラと馬が食事を取らなければならないためいったん休息を取る。


 道端で休むレーナ姫に、ファーラはこういう。


「シューヴェシティもそろそろですね」


「そうね。トロールの群れを突っ切った甲斐はあるわね」


 そんなレーナ姫にファーラはこう返す。


「馬車もシューヴェシティで乗り換えですからね」


「そういや、この馬車はどうするの?」


 レーナ姫達の馬車は王室御用達の馬車というわけでなく、普通の馬車だ。


 そもそもシューヴェシティで駅馬車に乗る予定なので、そこまでのつなぎなのだ。


「この馬車はシューヴェシティで槍と交換します」


「馬車に匹敵する槍……でもそんなことしていいの?」


 そんなレーナ姫の問いにファーラはこう答える。


「この馬車はあくまでも軽量馬車……王都までは返すにしても人員の方が無駄なんです」


「そうなの?」


 そんなレーナ姫にファーラはそもそも、という。


「あの馬はかなりの古馬なんです。除却のついでというわけで選ばれました」


「そうだったの!?」


 驚くレーナ姫に、ファーラは平然と続ける。


「無論、仮にも王家の人間が乗る馬車なので良馬なんですけどね。それでも老いには勝てませんからね」


 レーナ姫もといレオンハルトは『騏驎も老いては駑馬に劣る』という言葉を思い出していた。


「なるほど……そうだったのね。古馬と聞いて王家の馬車がそれでいいのかと思ったけど」


「まあ、思うでしょうね」


 そんなファーラに、レーナ姫はこう返す。


「ともかく、行くわよ」


 あんな話を聞いていたにも関わらず馬は普通に歩き出す。


 最後の務め……かは分からないがそれを果たそうとしているのか、それとも話を聞いてなかったのか。


 それは分からないが、レーナ姫達は馬車に揺られる。


 そして、二人はシューヴェシティにたどり着いたのだった。


「さて、エリファーを探さないとね。酒場なら話を聞けるかな」


 酒場には人が集まるというのはお約束である。


 酒を飲まない人間でも、情報が集まる酒場を覗くことはよくあることだからだ。


「私は酒場で話を聞いているから、その間に馬車をお願いね」


 そういってレーナ姫はファーラと一旦別れ、酒場に入る。


「ごめんください」


「レーナ姫か!病気してたっていうから酒は飲めんだろうが、何の用だい?」


 酒場の主人はレーナ姫に他の客とさほど変わらない接し方をする。


「エリファー……エリファー・ギークスを知らないかしら?」


「この町に来てるって話を聞いたのかい?彼女なら、そろそろ来る頃だよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ