Chapter1-18
「パスタが出来ました」
ファーラはそういって、レーナ姫を呼ぶ。
パスタは綺麗な葉っぱの上に置かれていた。
「それじゃあ、いただきます」
綺麗な葉っぱであれば食器替わりに使っても何ら問題は無い。
彼らはフォークを手に持ち、それを使ってパスタを食べる。
「ピクルスも一緒に食べよう」
「かさばるわけではありませんが、荷物は軽いに越したことはありませんしね」
そういいながら、二人はパスタを食べ進める。
「美味しい。盗賊のアジトまで行ったかいもあるわ」
「そういや、件の盗賊はどうなったんでしょうか?」
「引き上げていったわ。盗賊からは足を洗ってくれればいいけど……」
そんなレーナ姫に、ファーラはこう返す。
「まあ、流石に懲りたでしょう」
「そう思いたいわね」
そして、二人は食事を終える。
「ごちそう様。それじゃあ、ティニスの村へ行くわよ!」
「そうですね。シューヴェシティの道中にある村、そこで今日は休むことになります」
「そういや今までは馬を泊めるお金も宿泊費に入っていたけど、ティニスの村はどうなのかしら?」
そんなレーナ姫の問いにファーラはこう返す。
「場所によるので、何ともいえませんが。あまり人気の無い村では、別料金であることも多いです」
「まあティニスの村は王都とシューヴェシティの最短ルートだし、そこそこ人気はありそうね」
「そうですね。まあ、ティニスの村は当分先です」
そしてファーラとレーナ姫が話す間に、ティニスの村が見えてくる。
「そろそろですね」
「そうね。馬車の中でも休めないことはないけど、やっぱ宿でゆっくりしたいわ」
意外に俗っぽい、まあ本当はレオンハルトなんだから仕方ないかもしれないが。
ともかく、そんなレーナ姫にファーラはこう返す。
「まあ、長旅は疲れますしね」
「さて、着いたわよ」
すると、村民はこういう。
「ようこそ、ティニスの村へ。お泊まりですか?」
「ええ。シューヴェシティに向かう途中なの」
「そう、そういうあなたはレーナ姫ですね」
そんな村民にレーナ姫はこう返す。
「そうだけど?」
「いや、何かそういう風には見えないってだけです」
「病み上がりだからそう見えるんじゃないかな?」
レーナ姫は表向き病気療養だったため、レオンハルトはそれを踏まえてそう返したのだ。
「逆ですよ。病気なんかしてないって感じなので、驚きました」
鎌をかけられたと思ったレーナ姫もといレオンハルトだったが、すかさずこう返す。
「そこまでいうならこれを見て」
「それは王家の聖剣!?し、失礼しました!」




