Chapter1-17
レオンハルト、もといレーナ姫は罠を警戒しつつ洞窟の奥へと向かっていた。
「エクスカリバーに反応?」
どうやら、王家の聖剣には罠の探知機能もあるようだ。
「でえいっ!」
レーナ姫は罠を破壊し、そのまま奥へと進む。
すると、今までとは違う反応がある。
「隠し扉、ということかしら?」
レーナ姫が聖剣を突き立てると、仕掛けが作動する。
「ここが盗賊のアジト……!」
すると、そこでは盗賊達が食事を取っていた。
「たく。今起きたばっかだってのに……」
「だが朗報だ。あの身なり、貴族のようだぞ」
「ってことは、倒せばかなり稼げるぜ!」
盗賊はそういってレーナ姫に襲い掛かってくる。
「そうはいかない!」
レーナ姫は盗賊を剣圧で弾き飛ばす。
「中々やる。だが!」
盗賊はまだ居たが、レーナ姫の敵ではなかった。
「噂に聞いていたけど、王家の聖剣を持ってるなら!」
盗賊の長はそういって動揺を見せるが、直後にこう続ける。
「だけど可愛い仲間がやられてるんだ。引くわけにはいかない!」
「かかって来るなら!」
剣圧を放つレーナ姫だが、盗賊の長はかわしてみせる。
「狭い空間でこんなに動けるなんて!」
「それにこの洞窟の形は知り尽くしている。地の利はこっちにあるんだよ!」
「けど、そこまで早くは無い。なら!」
レーナ姫は神経を研ぎ澄ませた。
「見える、そこ!」
「なっ!?」
盗賊の長は剣圧で弾き飛ばされた。
「ぐっ……」
身軽に動くため軽装してたのがこの場合は仇となり、盗賊の長は剣圧を一発くらっただけでのされてしまった。
「仕方ない。ここまでやられてるんだから、大人しく引き上げるよ」
「その身体でどうやって引き上げるつもりかは知らないけど、深追いはしないわ。先を急ぐから」
そういってレーナ姫は去っていく盗賊の長と、それに従う部下たちを見送った。
「さて。何か食材はないかしら」
そういってレーナ姫が食材を探すと、パスタにミートソースとピクルスがあった。
勿論、干し草も置いてあった。
「これでいいわね。パスタがあるってことはこの洞窟に水場もあるはずだし……」
そういってレーナ姫は食材を持ち出し、馬車を待たせている場所へと向かう。
「持ってきたわよ」
「収穫があったようですね」
「勿論よ。干し草もあるから、馬もここで食事がとれるわ」
そんなレーナ姫に、ファーラはこういった。
「今回は私が料理を作ります。レーナ姫は休むついでに馬を見てください」
「分かったわ。流石に休みたいしね」
レーナ姫はそう頷くと、パスタが出来上がるのを待つのだった。




