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ルアナ


 一体何が起こっていたのだろう? 牢に繋がれた妙齢の女……ルアナは、痛々しく刻まれた赤い鞭傷の事も忘れ、幾日か前に起こった出来事を思い返していた。




 ルアナはかつて、没落した元貴族の娘であり、この屋敷で働いていたメイドだった。家族はみな自分を残して蒸発し、金銭的にも立場的にも極めて困窮して、毎日のように職を探して彷徨っていたところを、メイナード侯爵家に嫁いだばかりの婦人、アメリアに拾われたのだ。

 その当時のルアナは、上着から靴、貴族の嗜みとして伸ばしていた長髪に至るまで、身につけている物を片っ端から売り払っており、粗末でボロボロのワンピース姿で裸足で街を歩く、元貴族と言われても信じられないほどにみすぼらしい浮浪者のような姿で、栄えある大貴族なら誰も近づかないどころか、嫌な顔をして見下すような視線を向けるような状態だった。

 加えて、幼少の頃に馬車の横転事故で片足に後遺症が残ってしまい、それが満足に仕事も見つけられない。そんなルアナの肩に、後の主であるアメリアは嫌な顔一つせずに手を回して保護をした。後に聞かされたところによると、マティウス・メイナード侯爵とその夫人は職の斡旋によって、治安の悪い街の貧困層の浮浪者や障害などで働けない者たちの支援活動しており、ルアナを拾ったのもその活動の一環だったのだという。

 そのような経緯があって、ルアナはメイナード侯爵家による支援を受けた最初の一人として、侯爵家で働くこととなった。位こそ低いが元は貴族。元々、男爵や子爵家の令嬢が行儀見習いとして位の高い貴族の屋敷などに奉公に出向くことも多いので、ルアナもすぐに職場に馴染んだ。

 野垂れ死ぬところを拾われた恩義もあり、ルアナは屋敷の誰よりも懸命に働き、恩義あるアメリアに対して忠誠にも似た感情を抱いていた。

 国でも珍しい女当主になる予定でもあったアメリアは非常に聡明かつ公平な人柄で、ルアナもアメリアの為に勤めることになんら苦もない。命の恩を返すことを念頭に働き続け、その甲斐あってかすぐに夫人付きの侍女の一人として抜擢されることになった。

 それからしばらくしてからだ。アメリアがマティウスとの間に子を授かったのは。 


『おめでとうございます、奥様! ただその……診断のスキルを持つお医者様によると、お腹の御子はお嬢様のようですが……』

『そうね……メイナード家の事を考えれば男児の方が良いのだと思うけれど、私もマティウス様も、それでも良い思っているの』


 あの日のアメリアは、ベッドの上で安静にしながらそう言い、子が宿る腹を優しく撫でていた。家督継承の制度の関係で、この国の貴族の最初の子は男児であることが好ましいとされているのだが、ベッドの脇の座るマティウスも同意するように頷く。


『子は授かりものだ。男だから祝福され、女だからと祝福されないなど可笑しい話さ。どちらに生まれたにしろ、それは女神に見守れながら授かった、私たちの愛しい子だ』

 

 この時ルアナは初めて、アメリアの実家の話を聞いた。元々生家であるローレンツ侯爵家の跡取りとして、誰からの愛情も感じずにただただ厳しく育てられてきた事。子供心に孤独を感じながらも、立派な当主となれば褒めてもらえると励んできた事。…………その努力の全てが、後から生まれてきた弟によってあっさりと無意味なものへと変じたこと。

 この国の貴族では偶にあることだが、それでも当事者からすれば紛れもない悲劇だろう。それから数年間立ち直れずに空虚に過ごしていたが、後に果たしたマティウスとの邂逅によって立ち直ることが出来たという事。今ではこれまで培ってきた当主としての教養を活かし、夫を政務的にも社交的にも支え大勢に慕われる侯爵夫人となっている。

 今は目立たない腹は、アメリアの幸せを象徴しているかのよう。優しい旦那様に胎で育つ我が子。ルアナはそんな二つの幸せに挟まれるアメリアを見るだけで幸せだった。自分の命を救ってくれた人が笑っていられる……傲慢な考えかもしれないが、恩を返せていると実感できたのだ。


『え……? だ、旦那様が、亡くなった……?』


 しかし、そんな暖かな日々が続かなかった。ある日突然、マティウスが女神の御許へと送られることになったのだ。

 公には事故死とされているが、屋敷で働いていた一部の者……その内の一人であるルアナは、マティウスの死因が魔法スキルによる暗殺であると、マティウスの焼け焦げ、肩から腰まで伸びる大きな傷跡が刻まれた遺体を実際に見て知っていた。

 アメリアの憔悴は傍から見ても明らかなものだった。どう慰めればいいのかも分からず、ただ共に居て、共に泣くことしかできなかった弱い自分。やがてマティウスの弟であるルキウスがメイナード侯爵家の跡取りとなり、前当主の妻であるアメリアはルアナ共々、療養として王都の郊外にある別荘へと追いやられることとなった。


『奥様……なんてお労しい……!』


 これからだったのだ、アメリアの幸せは。これからという時に愛する夫を奪われたアメリアの悲しみは想像を絶する。日に日にやつれていくアメリアだったが、それでも生きる気力まで失わなかったのは、腹の中の娘のおかげなのだろう。


『ルアナ……私、頑張るわ。マティウス様が残してくれたこの子の為に……』


 腹の中で育つ命は、アメリアの希望であり、未来そのものだ。もうこれ以上、運命などという訳の分からない物に恩人であり主人でもあるアメリアの大切なものは奪わせないと一念発起し、ルアナはこれまで以上にアメリアを献身的に支えた。悪阻からくる精神的な疲弊や、マティウスはもう何処にもいないという現実にルアナや周囲に当たり散らしてしまい、何度も押し潰されそうになりながら、それでもアメリアは必死に胎で育つ娘を守り続け……無事に産むことが出来た。


『あぁ……! なんて可愛いの……私の宝物。マティウス様と、私の娘……』

『奥様……! 本当に、本当にようございましたね……! 旦那様もきっと、女神さまの許で……』


 この時ばかりは、主従の壁も忘れてアメリアの肩を抱きながら共に泣いたのを、ルアナは昨日のことのように思い出せる。マティウスが逝ってしまってから初めて流した、喜びの涙。

 今まで色んなものを失ってきたが、これでやっとアメリアにも幸せが訪れる。そうでなければあまりにも理不尽。神も人の世の理も、それを許しはしないはずだ。




『その娘は私の愛人として迎え入れさせてもらおう。今すぐ、こちらに引き渡したまえ』


 ……だが、そんな苦難の果てに得た、何物にも替え難い幸せすら奪う、人面獣心の輩というものは本当に身近に存在していた。子が生まれた数日後、今まで見舞いにも来なかったルキウスが突然別荘へとやってきて、ノックも無しに寝室に入りや否やそんな事を言いだしたのだ。


『な、何を言うのですっ。この子は貴方の姪なのですよ……!? それを愛人などと……!』

『そんな事は知ったことでは無い。たとえ拒否したとしても――――』


 庇うように我が子を抱きしめるアメリアに、ルキウスが片手を挙げて合図をすると、私兵と思しき武装者たちが雪崩れ込んできて一斉に武器をアメリアやルアナに突き付けてきた。

 咄嗟にアメリアを庇うように諸手を広げて前に出るルアナだが、華奢な女の身では屈強な男たちの前では壁にもならない。こちらが圧倒的不利に立たされていることを理解してか、ルキウスは下卑た笑みを浮かべる。


『殺してでも連れ去るとしよう。貴女は夫を失って世を儚んだことにすれば誰も疑わずに始末できるし、そちらの平民同然の侍女など侯爵家の力をもってすればどうとでもなる。後は両親を失った姪を伯父として迎え入れれば……』


 最初からそのつもりだったのだろう。ただでさえこの屋敷は偶に出入りする業者や医師を除いてはアメリアとルアナしか居らず、口封じも貴族の権威を使えば容易い。そして残った娘は、この生まれたばかりの女児に向けて鼻息を荒くしながら獣欲にかられる血走った眼をした男に囲まれる……その結末など、決して明るいものではない。

 どうすればアメリアたちを助けられるのか……答えが見つからずに思考が停止しそうになるルアナ。その後ろで、アメリアが覚悟を決めたように唇を強く結んだ。  

 

『……わかりました。娘は引き渡します。ですが、そのためには何かと準備が必要。三日は待っていただきます』

『はぁ? 何を言っている? 私は今すぐと言ったのだ。そちらの要望に応える必要は――――』

『三日は待っていただきます。よろしいですね?』


 その言葉を聞いたルキウスや武装兵たちは、茫然としたようでノロノロと頷く。先ほどまでの威勢もなく、突然アメリアの言うことを聞くようになったように見えた。その事に驚きながらも退散していくルキウスたちに呆気を取られていると、アメリアが静かに説明する。


『子供の頃、教会で先天的なスキルを教えてもらうでしょう? その時私は、《賢者の一声》という自分の言葉に異常な説得力を持たせ、少しの間だけ相手を自分の言葉の通りに動くように仕向けるスキルがあるということが分かったの』


 そんなスキルがあることを今まで知らなかったルアナは驚いた表情を浮かべる。


『ルアナが知らないのは当然ね。このスキルはレベルが高くなれば直接人心を惑わし、大勢を不幸に陥れることができるスキル。教会の神父様に諭され、使わないように過ごしてきた。だから今、彼らは私の言葉が正しいものであると、少しの間納得してるだけなのよ。効果はそう長く続かないわ』


 そう言うとアメリアは、強い意志を宿した瞳でルアナを見据え、告げた。


『恐らく、半日もしない内にスキルの効果は薄れて彼らは戻ってくる。ルアナは、この子を連れて逃げてちょうだい』

『そんな……奥様は? 奥様はどうされるのですか?』

『…………私は、ここに残るわ』


 それは、ルアナが予想していて、一番聞きたくない答えだった。


『だ、駄目です、そんなの……! 逃げるなら、一緒に行きましょう! やっと……やっと、これからお嬢様と奥様の日々が始まるというのに、どうして……!』

『私は産後の影響で満足に体も動かせないし、貴女もその足じゃ私を連れていくことはできないでしょう? 私は、お荷物にしかなれないわ』

『でも……!』

『言ったでしょう? 時間がないの』


 強い口調で言い聞かせるようにルアナを黙らせるアメリア。どこまでも無情に突きつけられる現実と、それが悪い夢であってほしいという意味のない逃避に体を震わせるルアナに、先ほどとはうって変わって優しい声が掛けられる。


『……一番に信頼している、貴女にしか頼めない事なの。たとえ私には孤独と痛苦しか待ち受けていなくても、その子にだけは幸せになってほしい。……産んでみて分かったけれど、親なんてそんなものでしょう?』

『……奥、様……』

『さぁ、早くなさい! 私を置いて、娘を連れて逃げるの! スキルの効果が切れて追いつかれたらもう後がない! これは命令よ!』


 もはや言葉すら出なかった。ルアナは涙を押し留めるように一度だけ瞼を強く閉じるや否や部屋を飛び出し、大急ぎで必要な荷物や金銭をリュックサックに纏めて背中に担ぎ、部屋に戻る。荒い息を吐き、止めどなく流れる涙をそのままに、最敬礼を以てして主の命を受諾する。


『謹んで、お受けします……! お嬢様は、私の命に代えても守り抜きます……! だから奥様……どうか、どうか……心安らかに……っ!!』

『ありがとう……この子の事、お願いね』


 アメリアは腕の中の娘の重さを忘れないように強く抱きしめ、その額に口付けを落とす。


『世界で一番、愛しているわ』


 それが別れだった。未練を振り切るように、半ば突き放すように娘をルアナに抱かせると、忠実な少女は深々と頭を下げてその部屋を後にする。……背中から聞こえてくる、押し殺したような啜り泣きを振り払って。

 それからルアナは、ルキウスたちの手が届かないように無我夢中に走った。怪我で満足に動かせない片足を必死に動かし、ヨタヨタと不格好に、まるで子供のような速さで走った。息を切らせながら馬車の停留所まで辿り着くと、足元に一枚の紙が舞い落ちる。

 どうやら赤子を包む布から零れ落ちたらしい。一体なんだろうと拾ってみると、そこには見慣れた主の字でこう書かれていた。


『……ルールローゼ・メイナード』


 それが、今この腕で抱えている赤子の名であり、母から娘へ送られる最初で最後の贈り物であると、すぐに分かった。

 ……その日、ルアナはどこまでも住んだ夜空を見上げながら泣いた。人生で一番泣いた。彼女の涙は、日の出まで途切れることはなかった。

 

  


 それからルアナは主の娘であるルールローゼをさも自分の娘のように扱い、呼び名も平民風に略してルルとした。

 最初はどこか遠く離れた……それこそ国外まで逃げるつもりだったが、ルアナの足で長旅は困難であり、とりあえず王都であるアルストから最も近い場所にある鉱山麓の町に、少ない路銀を叩いて馬車に乗って辿り着いたまでは良かったものの、想像していたよりも早いルキウスの私兵による検問が敷かれて、町から出ることが叶わなくなったのだ。

 仕方なく苦肉の策として、王都から一番近い町に潜むことになったルアナ。町の教会の神父の協力も得ながら八年もの月日をやり過ごしたのだが、ここ数年の間検問をしている私兵の姿も見当たらず、機織り場で働いて貯めた金銭でより遠い場所へと引っ越そうかと考えていた矢先、遂に見つかって半年前に無理矢理連れ戻されて、メイナード侯爵家の本邸にある地下牢に閉じ込められたのだ。

 幸いにもルルだけは教会に預かってもらっていたので災いを逃れたが、状況は好ましくない。ルアナは捕まって毎晩毎晩、ルキウス自らの手によって尋問と称した拷問が繰り返される。

 そもそも何故ルキウスがルアナたちの居所を掴んでおきながらルルに手を出さなかったのか……それは二人が住んでいるのが女神教の教会であるからということに他ならないだろう。ルアナとルルは教会の神父とも親交があり、更に言えば仕事帰りのルアナを発見し、闇夜に紛れてプロムテウス鉱山まで連れ去った時には、既にルルは教会に預けられていた。

 教会の影響力は国家間規模にまで及び、女王も敬虔な信者だ。片田舎の教会とはいえ、大義もなく無理矢理要求を通すわけにはいかず、懐柔しようにも女神教の司祭は揃いも揃って頭の固さが筋金入りなのは周知の事実だ。どれほど賄賂を積んでも受け取らないだろう。

 これは発見者の私兵のミスとしか言いようがない。それに救われた形になったルアナだったが、ルキウスともう一人の男(・・・・・・)は、信じがたい選択肢をルアナに突き付ける。


『取引だ。今すぐ何食わぬ顔で娘を迎えに行って私に引き渡せ。そうすればアメリアの命は助けてやろう』


 ルキウスは嗜虐と怒りが混じったような目でアメリアの髪を掴み上げながら、その首筋に剣を突き付ける。八年ぶりに見た主の体には暴行の痕がいたるところに目立ち、更には逃げられないようにするためだろう……両膝から下を、切り落とされていた。

 

『お、奥様……奥様ぁっ!!』

『来ないで!! 何としてでも逃げなさい!!』


 生きていたという事実。あまりにも凄惨な姿への悲しみ。それらがない交ぜになって思わず駆け寄ろうとしたルアナを、アメリアは鋭い声で止める。


『あの子を連れて……早く、この男たちから……あぐぅうっ!?』

『邪魔をしないでくれよ。今良いところなんだから』


 ルキウスの傍らに立つ男がアメリアの手の甲を持っていた杖で刺し貫く。アメリアを傷付けられたショックで、ルアナは主の命すら忘れてただ真っ白な頭の中で思考を空回すことしかできなかった。

 ルルだけは守らなければならない。しかしアメリアも助けなければならず、それをすればルルは目の前の鬼畜の玩具にされるのは明白。どうすれば……どうすればと頭を抱えて悩み苦しむルアナだったが、痛みに悶え衰弱したアメリアが独り言のように呟く。


『…………大、丈夫』

『え……? 奥様……?』

『あの子は……私たちの娘は………………私が』


 守る。その言葉を言いきる前に、アメリアの体からゴキリという骨が外れたような大きな音が聞こえ、身につけている服を引き裂きながら肉が延々と膨張し、その体を黒く染める。


『ひ、ひぃいいいいいいいいいっ!?』


 ルキウスが腰を抜かしながら情けない悲鳴を上げる中、アメリアの変化はそれだけに留まらない。四本の手足は蜘蛛のような八本脚に分かれ、口は大地を呑み込まんばかりに開き、

両眼は統合され巨大な一つの眼球と化した。その姿、その威容はまさしく悪魔と呼ぶに相応しい巨大な化け物。


『ガロロロロロロロロロロロロロロロロロッ!!』 

 



 そこから先の記憶はない。恐らく気絶したのだろう……気が付けば、ルアナは地下牢に閉じ込められていた。一体アメリアはどうなってしまったのか、ルルは無事なのか……そんな懸念と疑問は何時までも晴れずに悶々と冷たい牢獄で過ごす日々。

 ルルの安全を知ることができるのは、ルキウスや他の拷問人が訪れる時のみ。言う事を聞いて女神教の眼を欺きながらルルを差し出せと、激痛を以てしてルアナに強要する。

 ……それでも、ルアナは何も言わなかった。むしろそう言うということはルルがルキウスの手に落ちていないということで、却って安心したくらいだ。常人ならば気が狂うであろう、半年間にも及ぶ監禁と拷問。正直な話、苦しみに耐えきれなくなって口を開いてしまいそうになったことは一度や二度ではない。


 ――――この子の事、お願いね


 そういう時に限って、ルアナの脳裏に言葉が浮かぶ。

 それは生涯忘れること能わぬ約束であり、決して破ることは許されない誓いでもあった。それを支えに歯を食いしばり、最悪の場合、ルキウスの欲望と心中を果たして見せようと覚悟を決めたある日……自分を甚振っていたルキウスが、今まで聞いたことのないような悲鳴を上げてルアナの真上……壁の天井際に減り込んだ。

 何を言っているのかまるで分らないだろうが、それ以外の事実が視認できないのだから仕方がない。不可解な現象にただただ困惑しながら迎えた後日、今度は小さなキメラが自分を連れ去ろうとしたのだ。

 一体何が目的だったのか分からない。結局キメラは自分を連れ去ることを失敗したようだったが……気のせいか、キメラはルアナを助けようとした気がするのだ。

 魔術師の攻撃からルアナを放り投げるようにして庇ってでも連れ出そうとしたキメラ。その姿が最後に見たアメリアと被ってしまい、ルアナは一体何が起こっているのか、ただ困惑するしかなかった。



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