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ざまぁは連鎖する(閲覧注意)

先に謝っておきます。お食事の前後の方、本当に申し訳ありません。

こんな作品ですが、お気にいただければ評価や登録、感想のほどをよろしくお願い



 透明化していて本当に良かったと、急いでシャーロットの部屋に戻ってきたゼオは、今までで一番このスキルのありがたみを噛みしめていた。

 

(知らなかった……ざまぁをしたらレベルが上がるなんて。その上進化するなんて、こんなの一度も無かったぞ)


 むしろ知らなくて当然であり、予想しなくて当たり前である。どこの世界に仕返しをすればレベルが上がる魔物が居るのか。悲しいことに、それはゼオの事である。

 進化と聞いて姿鏡を見てみたが、外見が変化しているようには見えない。とりあえず《ステータス閲覧》を使ってみると、ゼオは思わず目が飛び出そうになった。


 

 名前:ゼオ

 種族:プロトキメラ

 Lv:1

 HP:135/135

 MP:127/127

 攻撃:97

 耐久:95

 魔力:98

 敏捷:93

 SP:34


 スキル

《ステータス閲覧:Lv--》《言語理解:Lv--》《鑑定:Lv--》

《進化の軌跡:Lv--》《技能購入:Lv2》《火の息:Lv5》

《電気の息:Lv3》《冷たい息:Lv4》《透明化:LvMAX》

《飛行強化:LvMAX》《毒耐性:Lv1》《精神耐性Lv:1》


 称号

《転生者》《ヘタレなチキン》《令嬢のペット》



(え……えらいことになっとる……!)


 レベルが1になっているが、《技能購入》のレベルが上がり、ステータスも大幅上昇している。その上、先ほどケリィに《火の息》を連射して無くなっているはずのMPも完全回復しているのだ。上手く立ち回れれば、アーストなら普通に倒せそうな気がする。


(その上、新しいスキルも増えてる)


《ステータス閲覧》などと同じく、レベル非表示のスキルだ。前例を考えれば、これも役に立つスキルなのだろうか。ゼオはとりあえず発動してみた。


【インセクトキメラ】 進化Lv:25 必要スキル:《複眼》《触覚》

【ビーストキメラ】 進化Lv:25 必要スキル:《剛獣毛》《嗅覚強化》

【ドラゴンキメラ】 進化Lv:40 必要スキル:《竜鱗》《火の息》

 etc.


 どうやらこれから先の進化する種族と、進化に必要なスキルが表示されるらしい。種族の詳細情報と進化後の姿まで表示されるという嬉しいオマケつきだ。


(虫系の魔物や獣系の魔物に特化して体を変えたり出来る進化……なるほど、キメラってこういう種族なわけか)


 ゼオはこの世界におけるキメラの特性を理解しつつあった。どうやら進化を繰り返せば、あらゆる生物の体に全身、または腕などの一部を変化させることが出来るらしい。

 一系統に特化したキメラに進化しないのであれば、肉体に依存するスキルならほぼ全部会得できるかもしれない。腕をゴリラのような剛腕に変化させて打撃力を上げたり、顎をワニのように変化させて噛む力を上げたりすることも可能だろう。


(《技能購入》見てみても、レベル上がって進化に必要そうなスキルが増えてる……でも全身から鎧にもなる剛毛を生やしたり、目を複眼にしたりする肉体を変化させるスキルって結構高いのな……この竜の鱗を全身に生やすってやつ、必要SP2500だし)


 他にも両生類系のキメラや鳥系のキメラなど、レベルを除けば現状スキル不足で進化条件が揃っていないラインナップの中で、一つだけレベルさえ上げれば進化可能な種族を見つけた。


【バーサーク・キメラ】 進化Lv:30 必要スキル:無し

【理性を失った生粋の魔物。あらゆる種類の魔物の力を振るい、本能のままに破壊の限りを尽くす。正気を取り戻すには女神の加護が必要という伝承があるが、事の真偽は不明】


 これは無い。ゼオはすぐさまバーサーク・キメラを進化の選択肢から外した。体は魔物でも、心は人間であるというのがゼオの矜持である。

 その上、進化後の姿を見てみれば、このバーサーク・キメラだけやけに大きくなるみたいなのだ。これではシャーロットの部屋に住むことも出来なくなるし、《透明化》のスキルも効果を発揮しきれない。


(という訳で、こんな進化は無しだ。やっぱり、頑張ってSP貯めてドラゴンキメラに進化するべきか……男のロマン的に。いや、でも急に姿が変わったらお嬢に何て説明すれば……うぅん)


 頭を捻りながら一つ一つの項目を入念にチェックしていく。すると、まるで天啓のような進化先が目に留まった。


【ヒューマンキメラ】 進化Lv:30 必要スキル:《人化》《言語理解》

【人間をベースにした言語を介するキメラ。体の一部や全身を魔物に変化させて戦う、高い理性と知能を兼ね備えた最終進化形態。スキルを使わない限りは普通の人間と外見上の違いは無いので、普通に街に溶け込んで生活している個体もいるらしい】


(人化キタアアアアアアアアアアアッ! まさに俺の為のスキル!!)


 今日まで何度人間に戻りたいと思ったことか。この世界に転生し、言葉が通じない上に魔物の体であるがゆえに、人間に攻撃された苦い記憶が蘇る。

 なにせ「こんにちは」と言いたくても、「ガァッ」と鳴くことしかできないような体なのだ。シャーロットともまともに言葉を交わすことが出来ず、伝えたいことも伝えられなくて何時もヤキモキしていた。

 しかしヒューマンキメラにさえ進化してしまえば、それらの問題は全て解決。実質人間に戻れるかのような進化先に、ゼオのテンションは鰻登りである。


(しかも進化後の姿を見てみても前世の俺と大差ない姿……これはもう、異世界転生ならぬ異世界転移状態になると言っても過言ではないだろ! 更にラッキーな事に《言語理解》はもう持ってるし、後は《人化》のスキルさえ購入しちまえば――――!)


《人化:Lv1》 必要SP:15000


 世の中、そう簡単に事が運ぶ事自体が珍しいらしい。ゼオはまた一つ大人へと近づいたのだった。




 リリィがコナーという姓を名乗っていたある日、自分の父親がグランディア王国でも誉れ高い公爵家の生まれであることを知った。

 当時貧しいというほどではないが、代り映えのしない毎日に強いお姫様願望を抱いていた彼女は、父の伝手を使って自分を公爵家の養子にしてほしいと頼み込んだ。

 退屈な平民生活ではなく煌びやかな貴族の生活を満喫したい。家を出奔したとはいえ、仲の良い兄妹だったハイベル公爵と父が今でも手紙のやり取りをしていることは知っている。

 ならば娘の幸せを願い、温かく送り出してやるのが親の務めだろう。リリィはその事を一切疑うことなく両親に直訴したのだが、その返答は彼女が望むものではなかった。


『貴族というのはリリィの思うような世界ではないよ。平民の血が混じるリリィには少なからず非難の目を浴びせられるし、政略結婚の要員としても、ハイベル家は既に二男一女の子を儲けているし、特にシャーロットという僕の姪は正に令嬢の鏡のような子なんだ。兄さんとしても、理由も無く養子を迎えるようなことはしないだろう』


 リリィは憤慨した。自分の体には公爵家の血が流れるという、まるで市井で流行っている身分差を超えた恋物語の主人公のような境遇だというのに、何故幸せへの道を途絶えさせようとするのか。

 物語のヒロインは劇的な出会いを果たして成り上がっていき、最後には美しい王子様と添い遂げる。その近道として公爵家に養子を出すことを頼んだというのに、娘の幸せが何たるかをまるで考えようとしない両親などもう要らない。

 ……血筋だけの庶民が受ける冷遇を考慮してと両親は言っていたが、煌びやかな生活を夢見るリリィの耳には届いていなかった。


『それに、私が欲しいものを全部生まれ持ってるなんてズルい』


 そして、その怒りは妬みに変わり、会ったこともないシャーロットへと矛先が向けられる。幾ら説得しても分からず屋の両親は首を縦に振らない。一体どうすればいいのかと途方に暮れていたある日、彼女の下に天啓が舞い降りる。


【可哀そうなリリィ。本当はこの世の誰よりも高貴な女性になれる素質を持ちながら、大人たちに翻弄されて市井に埋もれようとしているなんて】


 頭の中に響いたその声は、慈悲に満ち溢れているように感じられた。一体貴方は誰なのか……そう問いかけるリリィに声の主は答えた。


【私はこの世界の導き手にして人類を守護する者。君にも分かりやすく言えば、宗教にて奉られている神と言えばわかるかな? 可哀そうな君を見かねて、君が望みを叶えて誰よりも輝くためのスキルを与えに来たんだ】


 その言葉にリリィは有頂天になる。神様はやっぱり正しく生きようとする者を見ていてくれたんだと。

 スキルというのは人類が生まれ持って得られる特殊能力で、それによって使える魔法が変わってくるというらしい。

 とは言っても発現する割合は半分ほど。スキルの発現適齢期の子供は教会でスキルの有無と詳細を知ることが出来るのだが、残念なことにリリィにはスキルが存在しなかった。

 修練によって後天的に得ることも出来るのだが、努力することが面倒なリリィは早々にスキルを諦めざるを得なかったのだ。

 それを与えるから誰よりも高貴な女になれ。それは事実神託として、リリィはその言葉に従うことを決める。


【だがせっかくのスキルも注目される機会が無ければ意味は無い。公爵の目に留まり、養子として引き取ってもらうためには、何か悲劇的な出来事が必要だ。……例えば、両親の死とかね】


 そんな簡単な事でいいのかと、リリィはその悍ましい精神性を発露する。何せ娘の幸せの邪魔をするような両親なのだ、死ぬことによって娘の幸せの礎になるというのなら、親としては本望だろう。

 そう自分勝手に決めつけたリリィは、眠っている両親を強盗の仕業に見せかけて包丁で殺害。家に住み続けることが出来ずに移り住んだ孤児院で、神様から貰った《光魔法》のスキルを使って注目を集めれば、すぐにハイベル公爵の目に留まり、弟夫婦を殺した本人とも知らずに養子として引き取ってくれた。

 そこから先は簡単である。人から好かれやすくなるというスキルを最大限に駆使して、貴族を始めとする大勢に取り入って、誰からも愛される心優しい少女を演出した。 

 その一方で、妬んでいたシャーロットを貶めて評判を下げることも忘れない。何せ少し周りにシャーロットの悪評を吹き込めば、簡単に信じてくれるのだ。嫉妬していた相手が落ちぶれていく姿は見ていて実に清々する。


『何か困ったことがあれば、いつでも言ってくださいね。今日から私は貴女の姉になるのですから、遠慮せずに頼ってください』


 何一つ邪気の無いその言葉すら払い除けたリリィ。それどころか、両親や兄弟、使用人に幼馴染、果てには愛する婚約者とそれに伴う王妃の座に就く未来、何もかもを奪ってやった時のシャーロットの泣きそうな顔は、今思い出しても笑いが止まらないくらいだ。

 まさに人生の隆盛期。やっぱり私はヒロインの如く選ばれた人間なのだと、今日も満足げに一日を終えようとした日の夕食時。


「ねえ、厨房の方がなんだか騒がしかったけれど、何かあったの?」

「実はメイドのケリィが転んだ後に不運の連続に見舞われたみたいで……こう、頭から鍋を……」

「えぇ!? ケリィは大丈夫だったの!?」

「はい、ご心配なく。幸い記憶が混乱している以外は怪我もしていません。ただ、少し怖い思いをしたようなので、今日はもう休ませております」


 善人の仮面を張り付けて侍女の心配をする優しい令嬢の印象を与えた後、リリィは公爵家一同が揃う食堂で、かつてシャーロットが座っていた席に座り、目の前に運ばれてきた贅沢な料理を楽しむ。

 手間や材料費のかかるビーフシチューなど、平民時代には馴染みのなかった料理だ。貧乏臭い実の母親が作った手料理などとは比べ物にならない、専属料理人が作った高級食に舌鼓を打っていると、ガリッと奥歯が固く脆い何がを噛み切った。


「リリィ? 一体どうしたんだい?」

「んぶっ!? ぺっ!」


 公爵家の跡取りである義兄のルーファスが心配そうに声を掛けるのを他所に、リリィは口の中の異物を紙ナプキンに向かって吐き出す。それは触覚とトゲだらけの脚が生えた、茶色い台所の天敵。


「い、いやあぁああああああああああっ!?」

「リリィ!?」

「ゴ、ゴキブリ!? どうしてそんなものが!?」


 真っ二つに噛み千切られたゴキブリの死骸がテーブルへと転がり落ちる。穏やかな食卓は一瞬で騒然となり、一家や控えていた使用人は揃って右往左往とする中、渦中にいるリリィはゴキブリという著名な害虫を噛み潰したという生理的嫌悪感から胃の奥から何かが逆流し。


「うぶっ!? ぉげろろろろろろろろぉっ!?」

「リリィ!? しっかりして、リリィ!!」

「誰か! リリィの介抱を!!」


 喉が胃酸で灼ける感覚を味わいながら、ショックで足の力が抜けたリリィは自ら吐き出した吐瀉物(としゃぶつ)に顔を沈める。自身を襲った災難に対する不満も、今この時ばかりは思い浮かばなかった。




 何やら食堂の方が騒がしい。そんなことを考えていると、またしても頭の中に声が響いた。


【ざまぁ成功によりレベルが5上がりました】

(何でだ!?)


 嬉しい誤算ではあるが、急に来られてはビックリする。どうせ食べる前に気付くだろうと思っていたゴキブリ入りのビーフシチューが、まさかリリィの口の中に入ったとは夢にも思わなかったゼオは、一体なぜ急にレベルが上がったのかと頭を捻る。

 そんな時、遠くから聞こえる喧騒に混じって、静かな足音がこの部屋に向かってくるのが聞こえてきた。


(お嬢が帰ってきたのかな?)


 リリィと違い、シャーロットを出迎える使用人は今の屋敷には一人もいない。夜遅くに一人で帰ってくる彼女は、面倒臭そうな態度の門番を横切って、部屋から近い位置にある裏口から出入りしているのだ。


「ガァッ」


 俯きながら部屋に入ってきたシャーロットに対して片手を上げる。おかえりという意味を込めて出迎えたゼオを見て、シャーロットの瞳が揺れたかと思えば、彼女は膝をついてゼオを抱きしめる。


「…………っ!」

(お、おい? どうした? 何かあったのか?)


 ゼオは鳴き声を上げようとして、止めた。必死に押し殺された嗚咽と、顔に押し付けられた華奢な肩が震えていることに気が付いたからだ。

 どのくらいそうしていただろうか? 震えが治まるようにと、翼や手でシャーロットの肩や背中を撫でていると、シャーロットはゼオを腕から離して作り笑いを浮かべる。


「ただいま、ゼオ。今日も良い子で待っていてくれましたか? あ、夕食取り込んでおいてくれたんですね」


 先ほどの抱擁が、単なる挨拶代わりであるかのように振舞う彼女を見て、ゼオは胸が苦しくなった。


「ガァッ! ガウッ」

「ん? どうかしましたか?」


 何でも無いかのような様子など虚勢であると、事情が分からなくでも理解できる。

 こういう時、言葉が通じれば問い詰めることも出来ただろう。励ますことも出来ただろう。しかし、こんな魔物の体ではそんな簡単なことすら出来やしない。 

「……ギャウ」


 ならばせめて、出来ることだけでもしてやりたい。ゼオは机の上に飛び乗り、そこに置いてあったブドウのように一口サイズの実が連なった真っ赤な果実をシャーロットに差し出した。


【グランドベリー】

【通称、希望の果実。濃厚な甘みと仄かな酸味を併せ持つ、栄養価の高い食用の実。遭難した旅人が栄養失調で倒れ伏した時に偶然発見し、救助されるまでの半年間をグランドベリーだけで凌いだという逸話はあまりに有名。現状では栽培は不可能な希少品】


 魔物にも人間にも大人気なこの美味な果実は、転生したてで狩りが上手く出来なかったゼオも大変世話になった。この実の実態を知れたことが、《鑑定》スキルの一番の手柄と言っても過言ではないくらいだ。

 手に入れるには争奪戦や早い者勝ちが当たり前のレア物だが、レベル上げから帰る途中に運良く見つけることが出来た。これなら食欲が落ちて顔色が悪くなっているシャーロットには丁度良いだろう。


「グランドベリー……もしかして、これをわざわざ私の為に採ってきてくれたのですか……?」

「ガァッ」


 大きく頷いて肯定すると、シャーロットは一瞬泣きそうになりながらも受け取り、宝物のように胸に抱いて笑った。


「…………」


 ドクンッと、ゼオは不意に胸の鼓動が大きくなったような気がした。そして想う。こんな小さな施しだけで泣きそうになる彼女を、今度は俺が守りたいと。


「……ありがとう、ゼオ。……さぁ、一緒に食べましょう。貴方が手ずから採ってきてくれたのなら、きっと美味しいでしょうから」

「ギャウッ」


 ベッドの端に隣り合って座り、共に食べたグランベリーは、少なくとも冷えた食事の何万倍も美味く感じられた。


とりあえず第一章のざまぁ、前菜が終了しました。ケリィに対するのは食事前のつまみ食い的なあれです

これまでの連載作品の反省を生かし、主人公にはサクサク強くなってもらい、サクサクざまぁしてもらおうかと。まぁ、途中で七難八苦はありますけどね。

5話の感想にあったのですが、そろそろシャーロットのステータスも公表しようかと思います。そんなわけで、次回をどうかお楽しみに。

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