異世界で生きる?はたまた死に場所を探す?2
いろんな人に見てもらうと嬉しいですね!
なかなか上手いストーリーを書くのは難しいです。他の作者を参考にしつつ、うまく組み立てて行きたいです!
「・・・あ、やっちゃった・・・ユーキ、どうしよう・・・」
情けない声と共にミーナはこちらを振り向く。
この森を守る使命がある白虎族が率先して森を破壊している。
僕に情けないとついさっき言っていた人と同一人物とは思えない所業だ。
「どうしようって・・・どうするの?」
「・・・・・・逃げるッ!」
「えぇっ!?」
ミーナは言葉と同時に駆け出す。
(はっ、速い!)
あっという間に見えなくなった。
そこにただ一人取り残されている僕。
両足は折れていて、簡単な応急処置しかされていない。
(置いてかれた・・・?って、もしかしてまた襲われる・・・?)
あの馬鹿デカイ虎に襲われたら二度目は死を免れないだろう。
僕は動かない両足を引きずり、匍匐前進のような恰好でミーナの後を追いかけようとする。
が、周りは全て森。自然を相手に戦っているプロじゃない僕は森で生きる術を持たないし、最早方向感覚まで失われている。
(と、とにかく隠れる場所を探さないとっ!)
そう考え周りを見渡してみると木の根付近に空洞が空いているのを発見した。
とりあえずあそこに姿を隠したほうがいい。
そう考えズリズリと移動し、何とか空洞に体を潜り込ませた。
(これでしばらくは何とかなる・・・と思いたい。ああ、こんなことならサバイバル術をもっと勉強しておくんだった)
後悔してももう遅い。こんなことになることを予想して事前準備しておくなど、無理な話だ。
夜の森はかなり冷え込む。
ミーナが料理のために使っていた、たき火は木が倒れたことによって起きた風で消えてしまった。
辺りは虫の鳴く声しか聞こえない。
ジッとしていると闇に飲み込まれそうな錯覚まで感じる。
しかし、静かなのは考えをまとめるのには助かる。
少し、今までのことを纏めよう。
------まず、なぜ僕は死ななかったということだ。
普通10メートルの高さから、落ちたらほぼ死ぬことができるだろう。
また人間は頭が重いため、頭を下にして落下する。
人は頭が弱点、つまり足から落ちるよりよっぽど死ぬ確率を上げることができる。
僕は展望台から落ちる時、頭から落下した。
にもかかわらず、僕は生きている。
このことから察するに、僕は何らかの形で落下する前に、上空へと飛ばされたことが考えられる。
だが、体がいきなり上昇すればさすがに気が付く。
しかし、その衝撃はなかった。
ということは落下している途中で移動したということになる。
ワームホールというものがあることを聞いたことがある。飛行機を運転中、周囲がいきなり光り気付いたら数時間かかる道のりのはずがものの数十分で着いてしまったという話だ。
現実的・・・まぁワームホールも現実的ではないが、魔法よりかは信じることができる。
しかし、ついさっき魔法というものを目撃してしまった。
これは信じないわけにはいかない。
次にこの世界のことについてだ。
僕がもともといた世界とは何もかもが違う。
動物は見たことがないし、見たことがあったとしても所々に角のようなものが生えている。
足元でカサカサしている虫なども所々角みたいなのがはえており奇妙な形をしている。
それに加えて、動物の大きさだ。
まだ僕は二種類の動物しか見ていないが、二匹とも大きさが異常だ。
地球にいるとしたら今頃発見されていないわけがない。
また、ミーナのことも異常な点といえるだろう。
白虎族と名乗っていたが、確かに猫耳も尻尾も虎と言われればそう見えてくる。
それも耳と尻尾も、いかにも本物のように動かしていた。
以上の事から考えられることは・・・・・・
僕はどうやら異世界に転移してしまったらしい。
----まぁ、だいたい予想はついていたのだが頭のどこかでは否定したい気持ちが強かった。
僕も異世界転移や転生などの所謂異世界モノの小説は好んでよく読んでいた。
だがあれはフィクションだ。
だから楽しむことができる。でも今いる状況はフィクションじゃない。
実際に起きてしまっているのだ。
読んでいるときは『僕も異世界に行って無双したい!』とかは思っていたが、僕は無双するための技術や能力は何一つ持ち合わせていない。
夢想する能力は持ち合わせているが・・・
・・・いや冗談を言っている場合じゃない。
ミーナも帰ってこないし、ここから出ても僕は動物に襲われて骨も残らない。
だからと言ってこのままじっとしていても生き抜けるとは思わないし、この広大な森の中人が歩いていることは考えにくい。
もしいたとしても、ミーナのように友好的に接してくれる人がいるかもわからない。
現状を打破する考えも閃かない。
生憎、考える時間はいくらでもある。だが、命は無限ではない。一つ間違えれば今この瞬間にも儚く散ってしまうのもあり得る。
(ミーナに凛の分まで生きろって言われたからな・・・。僕は強くならなくちゃいけない。こんなところで立ち止まっていていいわけがない)
そう考えるが、まずこの両足をどうにかしなければどうにもならない。
どうしたものか・・・。
------キキッ!
(!?)
近くで鳴き声が聞こえた。
(もう近くまで来たのか!?強くなろうと決めたばかりなのに!)
僕は木の根の空洞の奥にもたれており、木の根の入り口ははっきりと見えるが。
(何が来ても精一杯抗ってやる)
固く決意して正面を向いていると、肩に何かが乗った気がした。
恐る恐る肩を見ると・・・
「キキッ」
「うわぁ!?」
僕は情けなく悲鳴を上げ倒れる。
声の主は地面に飛ぶ。
月明かりの薄っすらと明かりが差し込み、見えるその姿は、元の世界でいうリスのような動物だった。
いきなりのことで状況が呑み込めずにいる僕。
「キッ!」
暫くにらみ合いが続いた後、リスのような動物は短く鳴くと、おもむろに僕の右足に噛り付いた。
「------------いったぁ!?」
さすが動物。何のためらいもない。
痛みに耐えつつその動物を引きはがそうと手を伸ばす--------
が、突如リスのような動物を中心に薄い青色の膜が出現した。
(また魔法!?)
そう思い、余計に引きはがそうとするが・・・。
気付けば痛みが無くなっていた。それだけでなく太ももの傷まで塞がっていき、最後には右足が動くようになった。
「キキッ!」
リスのような動物はまた短く鳴く。
「君が治してくれたのかい・・・?」
動物についつい話しかけてしまう僕。
「キッ!」
意外なことに返答をしてきたリスのような動物。
「あ・・・ありがとう」
僕は人の言葉を理解?する動物に困惑しながらお礼を言う。
元の世界でこんな人がいると痛い目で見られそうな光景だ。
「キキッ!」
リスのような動物はまたしても鳴くと、今度は僕の左足に噛り付いた。
「いったぁぁぁ!!!」
僕は叫び痛みに耐えるが、この動物が治すために噛り付いたと思うと、痛みは少し耐えられる気がした。
---------暫くして、動物による治療は無事に終わり、足が動くようになった。
「治してくれてありがとう」
「キッキキッ!」
僕はもう一度この動物にお礼を告げると、動物は心なし自慢するような鳴き声をあげた。
しかし、いつまでも動物と呼んでしまうのは助けてくれたこの動物に失礼だ。
「そうだ!君に名前を付けてあげるよ!」
「キー?」
「んー、何がいいかな?」
「んー。・・・よし!じゃあキキにしよう!」
「キキッ!」
僕はネーミングセンスがないのを自覚している。
犬ならポチ、猫ならタマ。そのくらいしか浮かんでこないが、少しでも可愛く聞こえるように知恵を振り絞った。
・・・まんま鳴き声だが。
「よろしくね!キキ!」
「・・・」
(・・・あれ?なんかゴミを見るような目で見てくる・・・)
「・・・よ、よろしくね!キキ!」
「・・・」
(・・・また同じ目をしてる)
「あ、あの・・・キキさん?」
「キキッ!」
「き、キキ?」
「・・・」
「キキさん?」
「キキッ!」
・・・どうやら「さん」付けじゃないと反応してくれないらしい。
キキは治した側、僕は治された側。
つまり向こうが偉いし上の立場だ。
つまり結論は・・・。
「・・・よろしくお願いします、キキさん」
「キキキッ!!」
------こうして3度目に遭遇した動物の、上下関係が決まった。
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