異世界で生きる?はたまた死に場所を探す?1
連続投稿です!
さすがに毎日書くのは無理なので時間が空いた日になりますが、頑張ります!
------僕は上空にいた。
(はぁぁぁぁっ!?どこだよここ!!!なんで僕はこんなとこに!?)
さらに驚くことはまだ続く。
僕のすぐ下に馬鹿デカイ鳥が飛んでいる。
飛行機に勝るとも劣らない大きさの鳥だ。
真っ赤な羽根を広げ優雅に飛行しているが----
(まずいっ!このままじゃ鳥にぶつかるっ!!!やばいやばいやばいっ!!)
---------ポフンッ。
柔らかい音とともに僕は鳥の上に落ちた。
この馬鹿デカイ鳥はかなり毛が柔らかいらしい。
まさか死のうとしてこんな体験になるとは。
いや、もしかしたら死んでいるのかもしれない・・・。さすがにそれはないか。
現実逃避をしているのもつかの間、鳥は急降下し始めた。
(落ちる落ちるぅ!?)
そう思い鳥の羽毛に掴まり衝撃に備えるが-----
(あれ?なんで落ちないんだ?)
不思議なことに空気抵抗も一切ない上に、呼吸もできる。
さらに不思議なことに鳥の周りには薄い緑色の膜が張っている。
(魔法・・・?な訳ないよなぁ)
そうは思うがこんな物見たことがない。
自問自答してる間に鳥は減速を始めた。
そして見えて来るのは壮大な大自然。日本では考えられないほどの大自然だ。
周りには何もない。ただ丸太が鳥の巣のように集められたのが見える。
「って、この鳥の巣じゃん!!!」
思わず声を出したのがいけなかった。
いくら背中に乗っているのがちっぽけな生き物でも声を発すると気づいてしまう。
「グギャァァァァァ!!!!」
耳をつんざくような鳴き声を発して鳥が回転し始める。
今度は周りに薄緑の膜はない。
ちっぽけな人間が叶うはずもなく、簡単に投げ出された。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
下には森。運が良かったら木の葉っぱのおかげで命が助かるかもしれない。
いや、身投げしたのだからここで命が尽きても問題はないか。
----ガサガサガサ!バキバキッ!ガサッ!!ドンッ!
「いっ・・・たぁ・・・」
激痛で声が出ない。
どうやら皮肉なことにまたしても命は助かったらしい。
しかし落下した衝撃で両足はあらぬ方向に曲がっている。
おまけに太もも部分には太い木の枝が刺さっており、地面に血だまりを作っている。
さっき見た通り、ここは大自然。血の香りに敏感な生き物はたくさんいる。
「ガァァァァァァァ!!!」
大地を震わせるほどの大きさの咆哮が聞こえてきた。
暫くしてドスンドスンと言う音とともに姿を現したのは、体長3メートルはあるだろう虎のような動物だった。
木も鳥もでかければ他の生き物もでかい。
むしろ人間がうんと小さくなった世界のようにも感じる。
虎のような動物は鼻を数回鳴らして僕を発見し、宝石のような瞳で僕を眺めている。
(ああ、綺麗な目だなぁ)
そんな思考を最後に、僕は意識を手放した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「-------ん、んんっ」
暖かく良い香りとパチパチと言う音を聞き僕は目を覚ました。
「あ、起きたんだ。君あの状態でよく食べられずに生きていたね。凄いことだよ」
「・・・え!?りっ、凛!?生きてたのか!?」
そこには-----凛がいた。
しかし、よく見れば違うことがわかった。
猫のような三角耳と尻尾を生やしていたのだ。
「うにゃっ!!いきなりなんだよ!びっくりしたじゃないか!それとリンって誰だい?ボクはミーナって名前だよ」
「・・・あ、ごめん、人違いだったみたい。僕は赤羽 勇樹って言うんだ」
ポリポリと頬を掻きながら僕は自己紹介する。
この凛と瓜二つの少女はミーナと言うらしい。
凛は栗色の髪色をしていたが、ミーナは雪のような真っ白な髪色をしていた。
「んで?なんで君はあんなところで倒れてたんだい?」
「それは・・・僕もわからなくて・・・」
僕はミーナに凛が死んで僕も死のうとしてからの事を話した。
「ふーん、なるほど。大事な人を殺されて自分も後を追おうと・・・情けない話だな」
「なっ!情けないだと!?」
「ボク達白虎族は仲間が死んでも焼いて穴に埋めるだけでそれを追って死のうとなんてしない。ボク達には使命がある。この森を守ると言う使命が。仲間が死んだからこそ仲間の分まで生きて、森を守っていかなくちゃいけない。後を追って死ぬなんて弱者がする事だよ」
「----ッ!」
年齢がそう変わらなそうな少女にそう言われて押し黙る。
正論だ。確かに僕は弱者だ。凛を守りきれなかった弱い人間だ。
だが、凛は死ぬべき人間じゃなかった筈だ。その償いはどうすればいい。
「まぁ言ってる事はわからなくもないけどね。そんな事より腹減ってないかい?ボク特製のシチューが冷める前に食べちゃおうよ」
ミーナはそう言うと木製の皿にシチューをよそう。
僕のお腹が食べ物を欲し、盛大に鳴る。
「ふふっ、君のお腹は正直みたいだね。はい、どうぞ」
僕は照れつつもミーナから木製の皿を受け取りシチューを食べ始める。
「味はどうだい?ボクこの料理は自信あるんだ」
「うんっ、すごく美味しい。こんなシチュー食べた事ないくらい」
「そうかい、お口にあってよかったよ。お代わりもあるからいっぱい食べてもいいよ」
ミーナは柔らかく微笑みながらそう言った。
笑顔が凛にとてもよく似ていて胸が痛くなる。
「そう言えば君、あのジャイアントバードに乗ったらしいね!ボクあの鳥に一度でも乗ってみたいんだよねー!いつかあの鳥に乗ってこの世界を一周するのが夢なんだー!」
ミーナは目を輝かせながら自分の夢を語る。
あの馬鹿デカイ鳥はジャイアントバードと言うらしい。
「まぁ確かに乗り心地はよかったけど・・・あ、そう言えばあの鳥に乗った時なんだけど、鳥の周りに緑色の膜が張ってたんだ。あれって何?」
「ん?ああ、多分風魔法で防壁を張ったんだね」
ミーナはさも当然のことのように言った。
もしかしたら、僕は魔法がある世界に来てしまったのか。
人は誰しも魔法に憧れるものだろう。何を隠そう僕もその1人だ。
「魔法は大きく分けて攻撃魔法、付与魔法、生活魔法の3つであるんだ。攻撃魔法は火、水、風、土、雷の普通魔術と光、闇の特殊魔術があって、一人一人にそれぞれ得意属性がある。法則もあって【火】は【水】に弱く、【水】は【雷】に弱い、【雷】は【土】に弱く、【土】は【風】に弱い、そして【風】は【火】に弱い。【光】と【闇】はどちらも弱点でもあり、どちらも効果的だね。その代わり普通魔術は弱点にならない特性を持ってるよ。得意属性を使用することによって使用する魔力の消費量を抑え、尚且つ威力を高めることができるんだ。付与魔法は肉体強化やエンチャント、生活魔法は料理用の火を起こしたり、綺麗にしたりする魔法だよ」
「ほ、ほーん・・・」
「んー!なにさ!興味がないなら聞かないでよ!」
「ちっ!違う違う!あまりにも衝撃的だったから理解が追いついてないんだよ!」
「ふーん?ならいいけど?」
「そうだ、ミーナって得意属性ってやつは何?」
「ボクは水だよ!」
「是非!魔法を見せてくれないか!?」
「えー?そんなにみたいのー?」
もったいぶるミーナに僕は無言で頷く。
「そんなにみたいなら仕方がないなぁ。じゃあ見せてあげる!《水霊よ、我が命に従い、かの者を打ち倒せ。ウォーター・ランス!》」
詠唱とともに水の槍が飛び出し、木の枝に穴を空ける。
「まぁ、込める魔力によって威力も変わってくるけど、こんなもんだね!」
「・・・すっ!凄い!ミーナ凄いよ!木に穴が空くなんて凄い威力だな・・・」
「ふふっ、そんなに凄かったかー!じゃあ君には僕のとっておきの魔法も見せてあげる!」
「え、まだあるの?」
「白虎族に伝わる氷属性の魔法だよ!」
「氷?さっきの説明には出てこなかったと思うけど」
「7大魔術には強化派生があるの。【火】は【炎】、【水】は【氷】、【土】は【鋼】、【風】は【嵐】、【雷】は【轟】、【光】は【天】、【闇】は【獄】になるんだ。基本的に1種族の決められた一族にしか伝えられてない秘術なんだよ」
(そんな秘術を見せていいものなのか・・・)
「じゃあ、氷の呪文見せちゃうよー!《水霊よ、我が命に従い、顕現せよ、凍てつく氷となりて、かの者を穿て。アイシクル・ランス!》」
詠唱と同時に3本の氷の槍が木に大穴を空ける。
さすがに3つも大穴を開けられた耐えられないだろう。
木はメキメキという音を発しながら倒れていく。
-----ズゥゥゥゥゥゥン。
「・・・あ、やっちゃった・・・ユーキ、どうしよう・・・」
さっきまで自信満々だった姿は嘘のように涙目になったミーナの言葉が闇に虚しく消えていった。