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27,失敗からの大逆転(36~37)

 青かった封印魔法陣風の演出用結界が赤色に変わっているッス。

 テラッチが触れるとパリーンと砕ける凝った演出ッス。テラッチにもこの演出は喜んでもらえたようで何よりッス。


「ずいぶん豪華な部屋を作ったのね」


 メニューの言う通り、最後の部屋は豪華なロビー風な作りにしたッス。

 大きな福引きガラガラマシーンと超豪華カウンター、きらきらのシャンデリアにふかふか絨毯と、テラッチの文化ファイルで見たよさげな豪華セットをそろえたッス。


「豪華な部屋でお迎えする演出ッス。喜びがアップするッスざる」


「景品って福引き券かよ、おもしれぇな。て、おい、初回攻略報酬ってなんだよあれ、講師陣に対する要望ってちょっと怖えぇな」


――♪ドゥンチャカドゥンチャ、タカタカターン


「どきどきだネ~~~♪」


 フフーリ。この初回討伐報酬こそ、以前から練りに練っていたあーしの企みッスよ。

 メイがうまく誘導して、『ござる』をやめるようにテラッチに要望してもらうッス。

 できる女は策士ッスよ。

 この策のために小ダンジョンを作ったと言っても過言ではないッス。


『えっと、ペーターさんの台詞前のBGMとダンスを省略していただけたらいいかなーって』


「なーーー!」「な~~~~♪」「おっと」「ガハハハハ」「あはははは」


 違うッス、何かの間違いッス。そうじゃなくてそっちじゃないッス……。

 テラッチは、あーしの『ござる』ではなくペーターの台詞前の儀式をやめて欲しいと要望したッス……。

 しっかりメニューに聞かれてるッスから今から変更はできなそうッス、大失敗ッス。


――♪ドゥンチャカドゥンチャ、タカタカターン


「シノービ……、これは理不尽な巻き込まれだよネ~~~♪」


「ペーター、要望はもう有効よ。その儀式禁止ね」


「そんな殺生ナ~~~♪」


「違うッス、思惑と違う方向に事態は流れていったッス。こんなはずではなかったッスざる」


「あははは、シノービもいいわよ。ござるの縛りを緩くしてあげるわ、どうせちょっとずつ誤魔化してるしね。あの子のいるときだけ絶対って縛りに緩和してあげるわ」


「あ、ありがとうッス」


 がっくりと崩れ落ちたあーしにメニューの優しい言葉が届いたッス。

 しおしおに萎れたあーしが水を得て美しい花に復活したッス。


 実は最近ばれないようにちょっとずつ『ござる』をごまかしてたッス、でもしっかりばれてたッス。だけどそんなことは全く気にせず、さらりと緩和してくれるメニューはさすがッス、すてきな上司は心が広いッス。


「福引きの景品もずいぶんいい物用意したな。小屋一軒とか大盤振る舞いだな」


「テラッチが初日に欲しそうにしてたッスからね、景品がいいと意欲も上がるはずッス」


「銀の景品、武器と防具が当たったら作ってあげようかナ~~~♪」


 むむ、ペーター作の武器防具とは小屋より豪華景品の予感ッスね。

 高速戦闘系トップのペーターは生産系の趣味を持っているッス、鍛冶、裁縫、革細工もその中にあったはずッス。ペーターの作る装備なら、とても丈夫な物ができるに違いないッス。


「んじゃ金の景品、小屋はオレか」


「そのときついでに食堂も作って欲しいわね。メイが小ダンジョンだけ担当だともったいないでしょ。今日みたいに料理を振る舞う場所があると楽しそうじゃない」


「私が白のノートで、メイが銅の故郷の味、もう一色追加してシノービの景品を追加したらテラオ君が喜びそうですね」


 なるほどッス。と言うか、あーしが故郷の味をお取り寄せしようと思っていたッスが、メイのお手製料理のほうがありがたいかもしれないッスね。となるとあーしは何がいいッスかね?


「五枚ためておまけで一回ってのにしたようだな」


「今回は福引きなしだネ~~~♪」


 とりあえず次回追加しておくッス。

 持ち運びやすい保存食とかどうッスかね? お取り寄せできるし嵩張らないッスから、白の下の黒景品に最適ッスよね。


「ただいま戻りましたなのです」


 小ダンジョンのお仕事が終わって、メイが戻ってきたッス。

 お疲れ様ッス。企みは失敗したッスが、結果オーライッスだったッスよ。

 メイを労って、次回からの作戦会議ッス。


「おつかれさま、モンスターの選択結構良かったわね。あれであの子も成長できるはずよ。これからもお願いね」


「だな。限られた状況でかなりいい展開ができてたと思うぞ。これからも楽しみだ」


「ありがとうなのです。次回はさらに驚きの展開を期待していてくださいなのです」


 メイのやる気が急上昇ッス、プロデューサーとしても鼻が高いッス。


「うぉ、いつの間にかあいつ空間把握の強化してやがる。魔力操作が得意なだけあるな」


「魔素の無いセカイ出身なのに、なかなかすごいわよね」


「なかなかやるッスね、あーしの講習初日のあの不真面目さが嘘のようッス」


「あはは、あれは面白かったわね」


「ガハハ、あいつのあんなつらはあの時初めて見たからな」


 おもしろじゃなかったッスよ、あーしは悩んだッスよ。ぐぬぬーテラッチめーッス。


 宿題が終わってぼーっとしているテラッチが、なにやらふぬーとか力んでるッス。何事かと様子を見てみたッスが。


「あいつ暇になって空飛ぶ練習始めやがったぞ」


 ほほぉ、どんだけ貪欲ッスか。

 普段はやる気溢れてるッスが、いざとなるとへなちょこなテラッチ。自信がつけば変わるッスかねー。

 明日のあーしの講習では歩き方と走り方を教える予定ッスが、追加で空中に足場を作る魔法を教えてあげるッスかねー。

 美人女教師は向上心のある生徒を大歓迎してるッスよ。



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