26,自慢のダンジョン初お披露目(35~36)
「そろそろ出番なのです。行ってくるなのです」
テラッチは宿題全部終わったッスね。ついにあーしプロデュースのiフィールド小ダンジョンが解放されるッスよ!
「テキトーに頑張るッス。そしてくれぐれも、くれぐれも初回攻略報酬はあれを誘導するッスよ、ござるッスよござる」
「わ、わかりましたなのです。任せてくださいなのです」
メイにはあーしの企みを業務連絡しておいたッス。これであーしは解放されるッス、あとはメイの誘導に掛かっているッス頼んだッスよ。
メイはみんなに送り出されてダンジョンへ転移していったッス。このあとは小ダンジョン観戦しながらの食事会になったッスよ。
「シノービ、どんなダンジョン作ったんだ?」
「テラッチの文化ファイルにあった『典型的なダンジョン』って奴ッス。誰が作ったかわからない地下道型ダンジョンッスね。パターンは今のところ十個あるッス、モンスターもテラッチの強さに合わせて選べるようにしたッス」
「じゃあ、その辺のさじ加減はメイに任せてあるってことか?」
「そうッス。あーしはプロデューサーッスから、細かいことはディレクターに任せるッス」
「なるほどな、どんな展開になるか楽しみだな」
なんて会話をしている間に、あっさりと第一の部屋のモンスターがやられていたッス。
まとめてグシャッと簡単にやられたのは、今日の講習ダンジョンで出したラスボス木人形二体ッス。
「えーと、あっさりだったわね。瞬殺って感じだったわ」
メニューの言うとおりあっさりだったッス。唖然ッス、だが奴は部屋の主の中では最弱ッス。次からはさらに強い刺客が襲ってっ来るッス。
《メイ! 難易度を上げるッス、盛り上がるようにするッス》
《もちろんなのです。メイもそのつもりなのです》
「安心して欲しいッス、今のは小手調べってやつッス。これから盛り上がるッスよ、ござるよ」
次の部屋に入ったテラッチは、三体に増えた木人形をあっさりと倒し、ラスボスにしようとしていた石ゴーレムを、ブッスブッスと刺して動けなくしてしまったッス。
《大丈夫なのです、次は今までのようには行かないのです》
あーしも焦ったッスが、メイも焦っているッスね。次なる刺客に期待するッスよ。
「結構強いはずだよな、石ゴーレムってのはよ」
――♪ドゥンチャカドゥンチャ、タカタカターン
「テラオくん強くなってるからネー、盛り上がる相手を選ぶのも難しいネ~~~♪」
「つ、次こそはッス。さらなる強力な刺客がテラッチを襲うッス。盛り上がるのはこれからッスざる」
次の部屋には鉄ゴーレムが待機していたッス。これならば今のテラッチだと苦戦するはずッス。
「おーこいつは強そうだな、おぃ」「苦戦しそうですね」「潰されなければいいけど」「殴られたら痛そうだネ~~~♪」
盛り上がって参りましたッス! こういうのを求めていたッスよね。
テラッチの『拘束』の魔法を引きちぎり、バコォッ! っと殴りかかる鉄ゴーレム、強烈な一撃にテラッチもひるんでいるッス。いいぞいいぞッス。
「うぉ、あいつ糸で飛ばす魔法使いやがった。内部で破裂させるえぐい奴だぞ」
テラッチは引きちぎられた『拘束』を、数を増やすことで対処してきたッス。
動きを鈍らせた鉄ゴーレムのカバーされている関節部分の隙間に魔力の糸を伸ばして侵入、内部に魔力をまとめて。
バッコォォーン!
関節を見事爆破された鉄ゴーレムは、胴体だけになって動けなくなってしまったッス……。
「あれ、鎧着ている兵士だったらと思うと怖えぇな」「ゾワワーっとするネ~~~♪」
「うぉ、ここに来て拘束を強化しやがった。鉄の塊締め潰すとかどんだけだよ」
今までは蔦状の物で拘束してたッスが、ワイヤーのような強度のある物に進化したッス。テラッチがさらに強くなったッス。ね、狙い通りッス。
「この小ダンジョンはあの子の強化にすごく役に立ちそうね」
「狙い通りッス。想定の範囲内ッスざる」
《ぐぬぬーなのです。次は同じ手ではやられない敵を用意したのです》
このダンジョンは十字架型に六つの部屋が配置されているッス。鉄ゴーレムがいたのはその交差部分ッス。上の部屋に行くには、この部屋の左右の部屋を攻略しないと封印が解けない仕組みッス。
「右の部屋を選んだわね、今度はどんな敵かしら」
「強化された『拘束』で簡単にやられちゃおもしろくねぇな」
「大丈夫のはずッス、次の刺客に同じ手は通じないッスざる」
部屋にいたのは泥ゴーレム。テラッチは『拘束』を放ったッスけど、にゅるりと抜けてテラッチを泥で包もうと襲っていくッス。
「うわぁ、考えたな。縛れない殴れない切れないで、対処に困る敵だなぁおい」
「「「「「あっ」」」」」
対処に困るかはずだったッス、苦戦するはずだったッス。だけどテラッチは丸ごと業火で焼き固めて倒したッス。乾いたら固まるのが泥ッスよね……、陶器のように焼き固められた泥ゴーレムは見事ガラクタになったッス。
「テラッチやるッスね、ござるね」
《なかなかやるのです、最後は消化試合なのです》
交差部分の部屋から左に行った部屋、ここを攻略すると封印が解けるッス。準備不足で最後の部屋は専用のモンスターを用意できなかったッス。
「モンスターハウスって奴か? ちび木人形を大量投入とは考えたな」
「一撃で倒されてるけど、ちび鉄ゴーレム大量とか楽しそうね」
「メニュー、それはえげつないッス、ござる」
次回採用ッスね。テラッチの実力アップのためにも、もっと強い敵を用意しないといけなくなったッス。プロデューサーとしても頑張らないとッス。
大量の敵に対してテラッチはぐるんぐるん回りながら剣を振るって倒してたッス。もう無双状態だったッス。
「そろそろ武器も得意武器を決めたほうが良さそうだな、小ダンジョンはかなりいい訓練施設になるな」
――♪ドゥンチャカドゥンチャ、タカタカターン
「実戦経験は大事だよネー。楽しく実力アップできる良コンテンツだネ~~~♪」




