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22,キモ探知レベル上昇? (28~30)


 お茶会のような懇談会がお開きに近づいた頃、テラッチが質問してきたッス。


「それで最後に聞きたいことですが、貯めてうれしい謎のチケット三枚たまってるんですけど。あれは何なのでしょう」


 メニューに福引き補助券とかからかわれたッスけど、本当は違うッスよ。

 謎チケ集めるといろいろ交換できるッス。いつのまにかそう決まったッス。


 とりあえず十枚で十六歳ボディーと交換になっているッス。また粘土コネコネしないといけないッスね。

 何故十六歳かというと、テラッチが希望しているセカイの成人年齢が十六歳だからッス。

 今の九歳ボディーだと、子供が迷子になっているような状況ッス。

 フィールドクエストに行かせるにも、誰かが同伴じゃないと怪しすぎるッス。でも同伴じゃクエストの意味がなくなるッス。

 ということで、新しいボディーを使わせることが決まったッス。


 十六歳ボディーがもらえると聞いたテラッチは大喜びだったッス。

 キャラメイクできると思ってるッスかね? 残念それはあり得ないッスよ。

 テラッチが目を瞑り……って、これはあれッス。おかしな魔法を発動する前兆ッス。

 テラッチの頭の上に魔力の球状スクリーンが……。


 ! キモ察知発動ッス! 棒手裏剣四連ッス! シュババババーッス。


 ふぅ、なんか我慢の限界を超えるおぞましい物を見てしまったッス。

 想像の中であーしとテラッチが居たような気がするッスけど、小さな白い家とか見えたッスけど、ライスシャワーとか、鐘がカランコロン聞こえたッスけど。

 消去ッス消し去るッス!



 十六歳ボディーはできれば早めに渡したい。と言うことでメニューからテラッチにアルバイトの提案があったッス。

 一回のアルバイトで謎チケ一枚もらえるお得な情報ッスね。

 アルバイトの内容はまだ不明ッスけど、楽なはずはないッス。テラッチ頑張るッスよー。



 話が終わってテラッチは送り返されたッス。

 代わりに呼び出されたケンサンが、ずっと空席だった場所に現れたッス。

 ふむふむ、アルバイトはケンサン絡みだったッスね、何か製作させるらしいッス。テラッチに仕事をして報酬をもらう喜びを味わってもらうために用意したらしいッス。


「じゃ、そういうことで解散!」


 穏やかなお茶会が終わったので、あーしも落ち着きルームに戻ってきたッス。

 即スウェットに着替えたのは言うまでもないことッス。


 だら~んとしながらテラッチの様子を見ると、ベイスから周囲察知を教わっていたッス。

 はっ! ダラ~~ンとしている場合じゃなかったッス、次はあーしの講習だったッス。

 急いで着替えて準備するッスよー。今日はテラッチの文化ファイルで見つけた面白い物を準備するッスからね。

 あー、あと特別報酬を用意しないとだったッス、忙し忙しッス。

 後何かあったような気がするッスけど……、まぁいいッスね、多分たいしたことじゃないッス。



  ◇



 満足いく物ができたッス。

 用意したのは『ダンジョン』ッス、それもテラッチの文化ファイルで見つけた『洞窟型のダンジョン』ッス。

 きっとテラッチ大喜びッス。これで昨日アップしたやる気もさらにアップすること間違いなしッス。自信作ッス。


 でもテラッチの希望しているセカイには、こういうダンジョンは滅多にないッス。ほとんどは放棄された街や砦とかに、モンスターが住み着いてダンジョン化した物。

 鉱山の坑道はだいたい封鎖されるし、自然にできた洞窟はモンスターが住みにくい環境だったりで、ダンジョン化はあまりしてないッス。

 モンスターだってご飯食べるッスから、洞窟にずっと居たら飢え死にしちゃうッスからね。


 でも今回準備したのは、ご飯食べないモンスターっぽい何かッス。

 iフィールドを活用して作ったッス。

 短時間しか活動しないので問題ないッス。

 ついでに特別報酬として、専用腕時計アップグレードキットを作ったッス。金色の特別な金属素材を、あーし自らコネコネして作った逸品ッスよ。

 アップグレードした専用腕時計は、テラッチが暇な時にiフィールドダンジョンを生成する機能が追加されるッス。

 短時間で終わる位の簡単難易度のダンジョンを探索して、テラッチの実力アップを狙ったッス。

 ただそれだけではないッス。あーしの企みを実現させるための計画がこれに掛かっているッス。これは成功への伏線てやつッス。


 あーし特製の特別報酬を受け取った時の、テラッチの喜ぶ顔が目に浮か…………やめたッス、目に浮かばせるのはやめたッス。

 なんかあーしの美容に悪い影響がありそうッス。


 結構頑張ったッス、だら~んとしてもいいと思うッス。

 テラッチが来るまでコタツでほわ~っとしてることにしたッス。



  ◇



「シノービさん、僕参上です!」


「あー、来たッスね。昨日は渡せなかった特別報酬用意したッス、ござる」


 喜ぶ顔は要らないッスけど、今日も真面目そうなテラッチがやって来たッス。


「えぇーっ、シノービさん直々に愛のこもった報酬ですか!」


 ニューテラッチはどこ行ったッスか? キモだら~んとした顔で飛びついてこようとしたのを棒手裏剣で阻止ッス。

 何故か後頭部に看板の角が刺さっていたッス。前後からの攻撃は効いたっぽいッスね。

 なんか今の行動は邪悪なる物が憑依したせいだと主張してたッス、全く安心できないッス。

 話が進まないので特別報酬の金色の金属素材をぽいっと渡したッス。

 歓喜の舞を踊っているッスが、さっさと専用腕時計のアップグレードをさせたッス。


 成功ッス、真っ黒な腕輪状だった専用腕時計に、金色の一本線が追加されたッス。ゴージャス感アップッス。


 さて、今日はしゃべることがたくさんあるッス。大事な説明ッスから一つとして手を抜けないッス。

 敏腕美人女教師の辞書には妥協の文字は無いッス。



 テラッチの希望するセカイのダンジョン事情と、iフィールドダンジョンとは何かをきっちり説明したッス。

 まだまだたくさん話すことがあるッスが、疲れるッスねー。

 と言うわけで、テラッチを落とし穴に落としてiフィールドダンジョンにご招待したッス。


 今回はレンガダンジョンッス、壁床天井全てレンガ素材で統一したッス。

 ここで、マッピング技能の講習を始めるッスよ。

 マッピングは迷子にならないための技術ッス。街周辺の様子とかを地図に落とし込む人達は、地図作成士とか測量士とか言うッス。

 マッピングはそれとは違って、最低自分にだけわかる地図、出発地と目的地がある程度わかればいい物ッス。

 テラッチにはマッピング講習用のノートとペンを特別進呈したッス。邪悪な影がちらっと見えたッスけど、ちゃんと抑えられたようで良かったッス。



 結構早口で説明したッスが、今のテラッチはニューテラッチッスね、真面目に一言も漏らさぬ勢いでノートに書いているッス。

 これが普通の教育現場ッスよね。

 邪悪の影を撃退するとか、教育の現場に必要ない物がチラ見えする状況はおかしいと思うッス。


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