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19,謎の美少女レポート その一。【『26,緊急クエスト ドサイル村編再び』柔らか版

 テラオ君の弱体魔法に、個別に目の前真っ暗魔法の『暗闇玉』と、まとめて縛っちゃう『触手拘束』が増えました。

 散らかした訓練場を片付けながらテラオ君はニヤニヤしています。触手なんて名前付けてニヤニヤなんて、キモいですね。


 テラオ君が自分のゴザに帰ると腕時計さんが朝が来たとお知らせします。

 キモい男の朝は早いようです。


 トラウマ級かゆさを抑えると言われている『カユトマール』を今日もグビッと飲んで朝のランニングに出かけようとしますが。


――♪ピンポロポン。緊急クエストが発生しました。♪ピンポロポン。緊急クエストが発生しました。



 昨日に続き今日も緊急事態が発生したようです。


「え? また緊急? 今度は何だろ」



 バン!


【緊急クエスト

 ○iフィールドクエスト○

 フィールド:iフィールド(ドサイル村)

 テラオ:9歳


 村が盗賊に襲われた。捕まった村人を助けに盗賊のアジトへ急げ。


 レンタルアイテム:鉄製武器、革製防具一式

 クエスト期限:一日間

 クエスト報酬:貯めてうれしい謎のチケット】


「緊急の依頼です、うけますか?」メニューさんがクエスト看板を持って尋ねます。


「ああああぁぁぁぁ、この村は、ここは!」


 テラオ君は震えています。そうです、このクエストの場所は昨日盗賊を追い払った村。つまり村が再び盗賊に襲われてしまったと言うことです。


 震えながらもテラオ君は準備します。

 メニューさんの優しい一言で落ち着きを取り戻したテラオ君。

 昨日せっかく優しいメニューさんが用意してくれたのに、使いもしない、中も確認しないでそのまま持って帰った鞄も持たされました。




  ◆<場面が飛びます>



 今回のクエスト開始ポイントは昨日とは逆、山の麓側にある村の入り口の少し手前でした。村の建物からは煙や炎が上がっています。

 村の入り口ちょっと手前に村長の息子さんが居ました。

 昨日いろいろ面倒見てくれた若者です。たくさん怪我をしていて、苦しそうです。


 村長の息子さんはテラオ君にお願いをしました。

 村が盗賊に襲われて奥さんと、他に二人の村の女の人がさらわれた、三人を助けて欲しいと。

 テラオ君は村の様子を見に行こうとしますが止められます、見たら悲しくなりますよと言われて……。

 村長の息子さんはできた人です。テラオ君には何も責任は無いんだよ、っと言ってくれました。


 村長の息子さんは限界だったのでしょう、テラオ君に伝えることを伝えると気絶してしまいました。


 テラオ君の表情は明らかに怒っています、こんな悪いことをする盗賊はやっつけちゃおうと決意した様子です。

 毎日ランニングで鍛えているテラオ君は、子供とは思えないほど早く走れます。盗賊の足跡を手がかりにすごく速く走ります。

 頑張りすぎて怪我をしてしまいますが、魔法を使って自分で治療します。

 村長の息子さんは直せませんでしたが、自分にだけは治療の魔法が使えたのです。



  ◇<時間がちょっと進みます>



 盗賊のアジトは、山小屋を中心に、雨よけの布を使った汚いテントがいくつかあるだけの小汚い所でした。

 ちょうど村を襲った盗賊が、アジトに帰ってきたタイミングで追いついたテラオ君。つい最近できるようになった気配察知を使って、盗賊がたくさん居る所に『触手拘束』を、人質になっている村の女の人のそばにいる盗賊には、単体の『拘束』を掛けて動かなくしてしまいます。


 動けなくなった盗賊はなにやら騒いでいますが、怒っているテラオ君は聞いちゃいようです。

 でも、怖い場面を見せたり聞いたりしたら、村の女の人は泣いちゃいそうです。

 珍しくそこに気が付いたテラオ君は、ちゃんと一言断ってから、女の人達に目隠しと耳栓の魔法を掛けました。


 そこからテラオ君は暴れます。

 近くの盗賊は、両手剣でばっさばっさ。遠くに居る盗賊は氷の矢の魔法でビュンボカン。集まっている盗賊は触手拘束でまとめてぎゅっとやっつけました。

 卑怯にも村の女の人を人質に取って逃げようとした盗賊にも、テラオ君は容赦しません。

 なんと足からコッソリと魔力の糸を伸ばして盗賊の後ろに回し。後ろからぐさっとやっつけちゃいました。



  ◇<時間がちょっと進みます>



 テラオ君は慎重に周りに盗賊が居ないことを確認すると、村の女の人達を救助します。

 テラオ君はこの時初めて鞄の中を確認しました。

 鞄の中には着替えやタオルに食料とお茶が入って居ます。優しいメニューさんはこんなこともあろうかと用意してくれていたのでしょう。

 テラオ君は疲れている女の人達に食料とお茶を配ります。村の女の人達はちょっと元気になりました。


 元気になった三人と村へ帰ることになりました。

 帰り道の地面には足跡がくっきりと残っているので安心です、これはテラオ君が三人を助けにアジトへ向かう時についたものです。

 おかげで迷子にならないで村に帰ることができました。


 入り口には村長の息子さんが座っています。

 村の女の人達は駆け寄りますが、すぐに泣き出してしまいました。

 悲しいことが起きたようです。


 バン!


【クエストクリアー条件達成。帰還しますので待機してくさい】


 テラオ君の目の前に看板が現れました。でもメニューさんはいません。

 無人の看板がちょっとさみしそうです。


 テラオ君は慌た様子です。村の復興をお手伝いをしたかったのでしょう、しかしここで帰されてはそれができません。

 ですが数秒後、無情にもテラオ君は雲上の孤島へと送り返されてしまいます。



  ◆<場面が飛びます>



 クエストはクリアーしたようです。

 メニューさんが看板を持って迎えてくれます。


「おめでとう、現在預かっているチケットは合計二枚です」


「メニュー、僕は……なんで何も、なんであの時……」



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