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11,シノービ気合いを入れる。(17)

 バン!



テラオ君をどこまで強くして良いか問題。



 目の前に議題看板が現れたッス。

 スウェットのことを考えていたので、正直驚いたッス。

 ビクッとしなかった自分を褒めてあげたいッス。


 しかし、テラッチをどこまで強くするかッスかー。

 どこまででもいいかと思ったッスけど、強くなりすぎると転生したセカイで歴史を作っちゃうかもしれないッスよねー。

 行く先のセカイはちょっと特別な所だから、テラッチがセカイ統一王になってもいいと思うッスけど。それだと観察対象としてあまり面白くなさそうッスもんね。

 強くしすぎるとまずいかも、だけど弱いままではぼろタマに寄生しているナニカを隔離できない、意見をまとめるとそんな感じッスね。


「テキトーなところで妥協すれば良いんじゃないッスか? ござる」


「そのテキトーな所はどこなのかって事なのよね」


 盲点だったッスね、ここに居る誰もがみんなテキトーなところが分からなかったッス。

 これはここの皆でテキトーな所を決める会議をしても話が進まなそうな予感ッス。


 と思ったら、さすがメニューッス。ここでオブザーバ投入! ジャ、いやイチコを召喚したッス。

 イチコはセカイ樹一番枝の管理者ッス。

 メニューの神殿から見えるのはセカイ樹の枝の下層部分、先端部分はそれぞれ個別の管理者をメニューの下に置いて管理しているッス。

 雑用……ではなく、きめ細かな仕事は各管理者にやってもらうのが最適ッス。諜報部は忙しいッス、今回は動かないで良さそうなのでほっとしたッス。


 イチコに任されたのは、各セカイの常識的な強さを調べてくるって事ッス。常識的な強さの範囲なら、テラッチも目立ちすぎないって事ッスね。


 何かさらに仕事を増やされそうな気配を察知したイチコは、さっさと帰っちゃったッス。

 あーしも気持ちは分かるッスよ、だら~んタイムは大事ッスからねー。

 ぐだ~っとした時間は人生に潤いを与えるって、テラッチの文化ファイルにも有ったような気がするッス。

 潤いは美肌に重要ッスから、でろ~~んとする時間は重要と言うことになるッス。

 証明終了ッス。



 バン!



くもりミイラどうするの問題



 目の前に次の議題看板が現れたッス。

 潤いのことを考えていたので、正直驚いたッス。

 ビクッとしなかった自分を褒めてあげたいッス。

 何かさっきも同じ事考えていた気がするッス、デジャビューという物かもしれないッス。


 なにやらテラッチにはめられた枷について、調査に進展があったらしいッス。

 これは重要案件ッスな。

 ここで何故かメニューが指をパチンっと鳴らして結界を張ったッス。

 なるほど、相当まずい相手が絡んでいるッスね、陰謀ッスね、密謀ッスね、危険な香りッスね。


 なんとテラッチがはめられた枷は、タマシイの情報処理と活動速度が百分の一に落とされてしまう、と言う物だったッス。

 これはヤバイッス、例えると普通の人が一回で覚えられることを、何十回もやらないと覚えられないとかいうレベルッス。

 苦労したッスねー、同情してしまうッス。


 テラッチの居たセカイだけじゃなくて、他のセカイにも影響があると予想できる事ッスから、テラッチが居た所とご近所セカイの凍結が決まったッス。

 凍結されるとセカイが止まるッス。あんまり長いこと凍結出来ないッスから、至急対策を取らないと危険ッスね。


 ふむふむ、話によると黒幕はメニュー相当の力を持った何者からしいッス。

 だから唐突に結界を張ったッスね、見られていたり聞かれてたりしてるかもッスからね。


 テラッチの育成が今後のセカイ全体の運命を握ってると言っても……、ちょっと過言ッスが。今以上に頑張ってもらわないといけなくなったッスね。

 あーしももうすぐ始まる講習で、しっかり厳しく教えていくッス。ビシビシ鍛えるッスよ、鬼教官の台詞も練習しないといけないッスね。

 あとでベイスに教えてもらうことにするッス。



 みんなテラッチの講習に掛ける意気込みがアップしたッス。

 わざわざイチコを呼んで、常識的な強さにすると言ったそばからこれッスよ。まあ本人にやる気があれば、あーしも応えるッスけどね。


 そんな感じで首脳陣会議は終了したッス。

 さっさと戻って忍者服からスウェットに着替えないといけないッス。



 あーしの落ち着きルームに帰ったら、何故かメニューの方が先にくつろいでいるッス! 

 メニューもコタツ魔力の虜になったッスね、きっとそうッス。


「伝え忘れてたことがあったから、連絡でも良かったんだけど何となく来ちゃったわ」


「コタツの魔力には抗えないッス」


「あはは、そうね居心地いいものね。それでベイスの講習が終わったらシノービの斥候講習が始まるのだけど、あなたには緑屋根の小屋を使ってもらうわ。ベイスの小屋の隣ね」


「分かったッス、早速準備してくるッス」


「講習内容は把握してる?」


「斥候系技能のうち、『気配の察知』、『気配遮断』、『罠の知識』、『マッピング』、『獲物の解体』この辺をノートに書いていたのを把握してるッス」


「さすがね。でもあのクエスト失敗しちゃったから、追加で何か覚えたいことも出てくると思うのよ、だからその辺の希望も聞いてあげてね」


「了解ッス。クエスト失敗をずいぶん悔やんでいたッスからね。また失敗しないように力を付けさせてやるッス! ッス!」


「あはは、気合い入ってるわね。じゃよろしくね」


 ふんすふんすッス。テラッチを立派な戦士に仕上げるッスよー。



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