壊れた少年、加速する
少年は弟子をとった。医療の弟子、魔術の弟子、沢山だ。そして繰り返して罵倒した。どうしてこんなこともわからないのか! こんな簡単な治療もできないのか! できて当たり前だろ! と。
苛めるのは弟子に飽きたらず、ついに奴隷に手を出した。
少年は奴隷を一人だけ買った。年端のゆかない幼い女の子だ。そして教育と言う名の罵倒の対象とされるのだ。そして幼い少女が成長していくにつれて、罵倒だけではなくなった。セクハラ行為もするようになったのだ。手のひらを撫で回し、時には髪も遠慮無く絡ませながら撫で回すのだ。成長しているとはいえ、まだまだ幼い少女なのだ。行うにしても、あまりに鬼畜の所業である。
しかし。少年の好き勝手も、長く続くことは無かった。
ある時。聖女様が世直しの旅に出ていた。その際に、この街に目を止めた。奴隷を解放するために動いているのだが、恐怖によって民を縛り付けているのも気に止めた。街にある工場では、人の扱いをまともに受けてこないとも聞いた。金も相当搾取されてもいると。
少年は、その聖女に諭されて、街を出ていくことにした。もとより好き勝手し放題だったので、死ぬつもりもあったのだ。少年は、大人しく街をでていったのだった。