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プロローグ
つまらない。何かおもしろいことがあればいい。
そう思いながら毎日を過ごしていた高校三年生の海澤俊介。
つまらない自分を変えられる出来事がおこればいい。つまらない日常を変えてくれるような、そんなおもしろい奴に出会えたらいい。
もちろん、そんなこと起きるはずがないことは彼も十分理解していたはずだ。そんな面白い奴に出会えるはずがないことも。
というより、ありえないことだからだ。
いきなり自分が芸能人になったり、交通事故や事件に巻き込まれたりすることがありえないように、いきなり自分の日常が変わるようなことなんてそうそう起きるもんじゃない。
それは彼に限らず、多くの人が理解していることだろう。
しかし彼はとんでもないことに巻き込まれ、とんでもない奴らに出会った。
普通じゃありえないようなことがいきなり自分のもとへとやってきた。
つまらない日常と彼自身を変えるようなことが。
残り一年間の高校生活もそれなりに終わるだろうと思っていた彼のもとに飛び込んだ非な日常。
その非な日常が飛び込んだ瞬間にさかのぼろう。