王太孫、ジャン殿下との対話
ある日、貴族院の、図書室で——
私は、ジャン殿下と、直接、対話した。
「ルリアージュ嬢」
ジャン殿下が、私の、隣の席に、座った。
「貴方の、宣言、感銘を、受けた」
「ありがとうございます」
「だが、貴方の、一夫一妻法、簡単では、ない。保守派の、反撃は、強い」
「分かっています」
「私は、貴方を、支持したい。だが、私は、まだ、王太孫、で、力が、限られる」
ジャン殿下の、青い瞳が、私を、見つめた。
「私が、貴方の、力に、なるためには——」
「私の、結婚相手に、私を、選ぶ、と、お考えで?」
私は、まっすぐに、ジャン殿下に、聞いた。
ジャン殿下は、目を、丸くした。
「な——」
「失礼ながら、その必要は、ありません」
私は、にっこり、笑った。
「殿下、シャルロット・ド・ヴァランシエンヌを、ご存じ、ですか?」
「ヴァランシエンヌ公爵令嬢? 君の、姉妹だな」
「彼女は、殿下の、ファンです」
ジャン殿下の、頬が、紅潮した。
「な、リリア——いや、ルリアージュ嬢——」
「シャルロットは、知性、教養、家門、全て、申し分、ありません。そして、殿下に、ふさわしい、心の、優しさを、持っています」
「……」
「殿下が、シャルロットを、婚約者として、お選び、いただければ——私は、殿下の、最大の、義妹として、生涯、殿下を、支えます」
ジャン殿下は、長く、考えた。
「ルリアージュ嬢——」
「はい」
「貴方は、本当に——」
「私は、推し活オタクです。シャルロットの、推しを、応援するのは、私の、義務です」
「『推し活オタク』って、何だ?」
「あー、また、それですね。まあ、今度、説明します」
私は、声を、上げて、笑った。
ジャン殿下も、ふっと、笑った。
「分かった」
ジャン殿下は、頷いた。
「シャルロット嬢を、私の、婚約者として、検討する」
——!
——!
——!
——よし!
私は、心の中で、ガッツポーズした。
「ありがとうございます、殿下」
その夜、私は、寮に、戻って、シャルロットを、抱きしめた。
「シャルロット! ジャン殿下が、君を、婚約者候補に、する、って!」
「ルリアージュ姉さま! どうやって!?」
「ナイショ。でも、もう、絶対、シャルロットの、勝ち」
シャルロットは、嬉しそうに、頬を、染めた。
——よし。
——王室、ヴァランシエンヌ公爵家、決定的な、結びつき。
——次は——
——私自身の、結婚問題を、保留する、宣言。
——そして、芸能事業に、集中する、戦略。
私の、計画は、加速度的に、進んでいた。
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