表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/131

ヴァランシエンヌ公爵、決意


学園祭の、夜。


公演が、終わった、後——

ヴァランシエンヌ公爵が、私を、舞台袖に、呼んだ。


「リリア・ド・モンペリエ嬢」


「はい」


「決めた」


公爵は、深く、頷いた。


「貴方を、我が家の、養女として、迎えたい」


——!


——きた!


私の、心臓が、跳ねた。


「光栄でございます、公爵閣下」


「シャルロットも、貴方が、姉妹に、なる、ことを、強く、望んでいる」


「私も、シャルロットと、姉妹に、なれることを、何より、嬉しく、思います」


公爵は、ふっと、笑った。


「ただし、ひとつ、条件が、ある」


「何でしょう」


「貴方には、新しい、名前を、授ける」


「新しい、名前?」


「リリア、では、ない、名前。我が、ヴァランシエンヌ公爵家の、家紋に、ふさわしい、名前」


公爵は、青い目で、私を、見つめた。


「貴方の、最初の、名、リリアは——『百合』。

百合は、清純で、美しい、花だが、ヴァランシエンヌ公爵家には、別の、花が、あう」


「別の、花?」


「瑠璃」


——!


「瑠璃の色は、深く、美しい、青。我が、家紋の、宝石。そして、貴方の、瞳の、奥に、私は、瑠璃の、色を、見ている」


——え?


私は、自分の、瞳を、思い浮かべた。

栗色の瞳。

でも、確かに——

時々、奥に、青い、揺らめきが、ある、と、シャルロットも、言っていた。


「瑠璃 + リアの、面影 + 貴族の、語尾、ージュ」


公爵は、ゆっくりと、私の、新しい名を、宣言した。


「ルリアージュ」


——ルリアージュ。


——ヴァランシエンヌ公爵令嬢、ルリアージュ。


私は、深々と、頭を、下げた。


「ありがとうございます、お父様」


公爵は、ふっと、笑った。


「今夜から、貴方は、ルリアージュ・ド・ヴァランシエンヌ。エトワール王国、最高位の、公爵令嬢の、ひとり、だ」


——よし。


——身分上昇、第三段階、完了。


——リリア → リリア・ド・ベルロワ → リリア・ド・モンペリエ → ルリアージュ・ド・ヴァランシエンヌ。


——これで、私の、影響力は、王室と、ほぼ、並ぶ、レベルに、なる。


——次は——


——一夫多妻拒否、公式宣言。


——そして、コレットの、夜明け、本格的に、エトワール王国に、もたらす。


私は、心の中で、誓った。


その夜、貴族院の、中庭に、星が、きらめいていた。


エトワール——星の、王国。


その、星空の下で——


ルリアージュは、生まれた。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ