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ユイ:3ービショップ:2ールクス:5

 寄り集まった血濡の野盗たちの屍体――もしもこれを血肉の蕾と呼べるなら、これはその開花と呼べるだろうか。統率された屍体たちが花弁のように身体を外へ折り曲げ、悍ましい肉の花を咲かせる。その中心には、花に相応しい雌蕊が小さな銃を構えていた。

 少女だった。一見すれば看護師服のように見えるそれは、しかし幾つもの多機能ポケットを備えていることから軍服だとユイには分かる。腰まで垂らした銀髪は三つ編みで、大きな二重の下には冷ややかな薄紫の瞳が沈んでいる。その端正な顔立ちは泣いているような嗤っているような表情を浮かべ、右目から止まらぬ涙を零してひくひくと声を殺している。彼女――ビショップ・フォールは、『腹話術(ヴェントリロ・キュアシステム)』をオフにし、小型マイクユニットをガムのように吐き出した。これでもう、野盗やあの道化(むのう)が喋ることはない。銃口を向けながらも動揺が読み取れるユイの反応はもっともだと彼女は推察した。

 3ヶ月前に避難民として保護し、率先して手伝いをする姿を健気と可愛がり、しかし先ほど野盗による無惨な死を遂げ、その目を閉じさせたばかりの配膳係が、こうして血濡れで突っ立ち銃口を向けているのだ。正常な感覚の持ち主ならば錯乱するだろう。

 そんな共感不能の推測をしつつ、医療用手袋に仕込んだ微細電動パッドを動かすと、他の野盗の屍体たちもふつふつと沸くように起き上がり始めた。『屍体傀儡化技術(ネクロマティック・マリオネットシステム)』。脳幹・神経節・主要関節に仕込まれたナノマシンおよびナノ・アクチュエータによって制御された彼らは、あの道化を除いて最初から死した操り人形だったのだ。

 この壊れた世界をシティ・アルマが衛星群で観測し、アーカイヴスが自律型ユニットで観測し、そしてレジスタンスが残骸衛星や霧に仕込んだナノマシンで観測するように、ビショップ・フォールは歩く屍体で世界を観測していた。それによりここ『カペラ・サイト』の位置やルクスに関する情報を入手し、教会襲撃を含む入念な計画を立て、潜入に漕ぎ着けたのだった。


「言ったでしょう、お嬢さん。『揺るぎない絶対的な勝機』を獲得したって。あの取引はね、貴方のことが気に入ったから持ち掛けたの。潜入した時からずっと私に優しくしてくれたし、さっきも目を閉じさせて、髪を撫でてくれたでしょ。それでもう、『この子だけは殺さない』って決めたの」


 くすん、と薬物の影響で止まらなくなった涙をビショップは拭う。ひくひくと右目の瞼が痙攣していた。


「見てこいつら。呼吸も循環機能も不要。腐敗は自己修復兼防腐ナノマシンで遅滞させてる。外見だけなら数週間から数カ月は維持できるわ。損傷したら応急修復用のバイオゲルにどぶ着けして、四肢欠損はそれっぽいのをくっつけたら後はナノマシンがやってくれる。御覧の通り遠隔操作も自由自在。便利でしょう? 素敵でしょう? ……でもね、こいつらにはどうしようもない欠点があるの」


 まるで指揮者のように手を優雅に動かすと、顔の爆ぜた道化を含めて、血塗れの野盗たちが滑稽なパントマイムを始めた。


「バカなのよ」


 パチっと指を鳴らすと、彼らは糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。


「素材は山ほどあったの。だから海よりも深く思考できた。シティ・アルマ企業中央研究局・生命再生工学部門の主任研究員っていう肩書も最高だった。処分決定が下された被検体たちは全てが私の管理下だったから。ねえ知ってる? シティ・アルマのステルス部隊『エクリプス』って、神経系を強化された半電脳化工作兵なんだけど、あれって私の失敗作なの。……だって、死んだら終わりだから」


 ビショップは焦がれるようなため息を吐いた。


「私が欲しいのは死なないお人形さん。それも強くて、可愛くて、言うことを聞いて。そして何より……私の話が分かる賢い子。だから……」


 ぐちゃ、っと彼女がブーツで踏みつぶしたのは道化の頭部からはみ出ていた脳漿だった。


「いい加減うんっざりなんだよ! 馬鹿で! 不細工で! 中途半端な知性を持った人間なんてよ!」


 気が触れたように彼女は執拗に、繰り返し繰り返しそれを踏みつぶした。


「興味本位で一匹生体混ぜたらこのざまだ! 最後に怖気づいて自我出しやがって! クソがよ! ああ!? 武器を捨てろだ!? 何が『ご命令とあらば喜んで死んで見せます。私は偉大なる博士の生き人形です』だ! 記憶大丈夫ですか!? 脳みそ入ってますか!? 前頭葉元気ですか!? 小脳健やかですか!? 脳幹活き活きしてますか!? 脳下垂体腐ってませんか!? もしもし大丈夫ですか!? っざけんなくそがよお!!」 


 もはやビショップはユイを忘れたように湿った地団太を踏み、そしてユイもまた銃を下ろしていた。まるで理解が追い付かず、脳が理解を拒むようにショートしてしまったのだ。

やがて肩で息をしながら足を止め、ビショップは髪をかき上げてから再びユイへその薄紫色の瞳を向ける。


「だからね。私には必要なの。シスター・ルクスが。彼女が。彼女の頭脳が。彼女の仕掛けが。彼女の仕組みが。技術が。体系が。……あの子は実現したのよ。感じる知性を。再現性のある感情演算を。ああ、たまらなく欲しい。欲しくて堪らない。狂いそう。だってそれで完成するんだもの。死ななくて、賢くて、強くて、可愛いを兼ね備えた……私の理想の人形」


 またもビショップが手を指揮者のように振るうと、ぞろぞろと屍体たちが立ち上がり始めた。


「そしたら、お姉ちゃんは私の一番にしてあげる。私だけのお姉ちゃんに。死ななくて、賢くて、強くて、可愛くて、私だけを見てくれるお姉ちゃんに」


 ふら付く屍体の中で咲くように、血濡れた少女がうっとりとほほ笑んだ時、ユイの背筋を形容しがたい怖気が駆け上がった。これはヤバい奴だ。覗き込んではいけない深淵で、踏み込んでは行けない禁域で、触れてはならない闇だ。つまり、だからこれは。そういう種類のやつで、とんでもなく得たいが知れなくて、つまり、だから。


「……悪いけど、妹はもう間に合ってるんだ」


 発散する思考のなか、最後に意地だけを通すことにした。それをビショップが嗤う。


「ダメだよ。もう決めたことだから」


 囁くように言ってから、その小さな掌から何かを床へ転がした。カツンと冷たい金属的な音を立てて弾んだそれは一見すれば手榴弾だったが、生じたのは爆発ではなく半透明の白煙だ。それが神経系を麻痺させるガスだと気付いた時には、もう四肢から力が抜け始めていた。わずかでも遅延を期待して両手で口を塞ぐが、まるで効果がない。


「ひ、一思いに……殺すっていう、選択肢はない? そしたらさ……さ。最後には『お姉ちゃん』じゃなくても、『顔見知り』ぐらいには」


 ビショップは目を閉じて、その首をゆっくりと否定向きに振った。


「……そうか。それじゃあ、やっぱり……私の勝ちだな」


 ユイの場違いな笑みに小首を傾げたとき、微かなモーター音が響いてきた。事態を読み取ったビショップが目を見開き、即座に手を振るって屍体を瞬時に引き寄せたと同時、隔壁が幾つも弾け飛び、閃光と爆裂を伴って鋼の暴風が殺到した。雄牛が狂い鳴くような轟音と共に吹き荒れる火の嵐。毎秒100発超のサイクルで放たれる大口径の機関砲。肉の盾とした屍体たちは紙くずのように一瞬で削り取られ、ビショップは堪らずコンテナの影に飛び込んだ。


 ――くそ! レジスタンスはもう偵察から帰ってきやがったのか!?


 シティ・アルマはここから西方約50kmの地点。タイタンの巡航速度なら往復約7時間。偵察を簡易的な観測に留めるとしても追加で4~6時間。ましてメランコリアの動向調査も兼ねると話していたから最低でも48時間は掛かるだろう。

 ならば一体、とビショップは陰から僅かに顔を出して誰何と共に状況を伺う。夥しい空薬莢が作った黄金色の原に佇んでいたのは、やはりレジスタンスではなかった。それは旧武装ヘリ用のミニガンを投げ捨てるとすぐさま神経抑制グレネードを蹴り飛ばし、ユイに駆け寄り肩を貸す。その姿に胸が高鳴り、目尻が裂けるほど目が見開かれた。観測用の野盗(ニンギョウ)を通して初めて見た時から忘れもしない、白と黒のシルエット。科学の粋にして到達点の一つ。今もって喉から手が出るほど欲しい、悲願成就のための最後の技術ピース。


「シスタァアア!! ルクスゥウウ!!」 


 感極まってビショップは吠えたが、ルクスは一瞥さえせずユイを隔壁の影に座らせる。そして背負ってきた医療セットを下ろして手早く開けてから、左肩の傷口を見るやゲル状の止血剤カードリッジを注入。上から抗菌ナノパッチを当てて圧迫固定バンテージを手早く巻いた。すかさず「飲んでください」と鎮痛カプセルを口へ押し込みつつ、ユイの瞳を覗き込む。


「……人工合成アミノ酸誘導体『α―ニューロスタチン』を主成分とした神経伝達疎外粒子を吸引したんですね。取り急ぎCPAIを打ちましょう。アドレナリンが交感神経を活性化させつつアセチルコリンエステラーゼ活性化剤が筋肉への信号伝達を再開させます」


 何を言ってるのかさっぱりだったので、ユイは乾いた喉でカプセルを強引に飲み下してから「5歳児でも分かるような説明頼んでいい?」と尋ねると、「1分もすれば戦えるってことです」 と右太ももの外側に注射オートインジェクターを叩き込まれた。唐突な荒療治に一瞬ユイは呻いたが、僅かな動悸と視界の明滅を伴いつつも確かに四肢の感覚が戻り始めた。銃把を握る握力の有無を確かめるように手を開け閉めし、最後に強く拳を固めた。


「……効くねぇ。ありがとうシスター。そして初めまして。いい女はいつだって遅れてくるんだな」


 続いて呼吸筋を確認するように大きく息を吸うユイに、ルクスも「初めまして」と頭を下げる。これはシンイチがアジトを離れる際に切り札としてユイへ伝言した即席の非常事態マニュアルだった。『もしも部隊指揮官(コマンダー)でさえ手に負えない事態になったら、その時はこれで神頼みを』と手渡された携帯型無線機。最初は御守(ジョーク)だと思ったが、短距離チャンネルをセットしたイヤピース型骨伝導マイクと言うのは少々凝り過ぎている。通信相手が気になったが、そこはシンイチを信頼するとともに退屈な留守番を過ごすための謎として取っておくことにしたのだ。まさか、本当に神の使いがやってくるのは想定外だったが。


「遅くなってすみません。礼拝堂での奇跡執行の代償でまだ力は万全ではないのですが、一聖職者として戦えるまでには回復したので、地下第三層で目に付いた武器を手に駆け付けました」


「へ~……。聖職者って万全じゃなくても素手でミニガン持ったり撃ったり出来るのね。あれ重量103㎏だよ」


 ユイは震える親指で『あれ』を指し示したが、ルクスはそのメカニズムの説明をせず、ただ胸に手を当てほほ笑んだ。


「シスターの嗜み、神の奇跡による御業です」


 いまだ微かなショック症状がみられるユイを安心させるためのジョークを交えた言葉は、確かに「はは・は」という乾いた笑いを買うことに成功したが、しかし目標外人物の逆鱗に意図せず触れてしまった。ビショップはいま震えるほど握り拳を固め、その白い額に深い青筋を立てている。

 例えるならばそれは、天才モーツァルトに焦がれるもその振る舞いの下劣さに幻滅し、憤怒し、挙句その才能を授けた神さえも呪った秀才サリエリのそれだった。破綻した道徳観を持ちながらも科学の敬虔な信徒であったビショップにとって、知性のみならず人の感情さえ理論で再現せしめたルクスは侵しがたき科学の頂点にして神聖な偶像だった。よりにもよってその彼女がいま、科学を奇跡だと冒とくしたのだ。


「っざけんなぁぁぁああ!! 何が奇跡執行の代償だぁああ! アストラ・スパインで爆発したEMP弾頭の第二広域電磁波で主機の量子演算コアが位相乱れを起こしてただけだろうが!!!!」


 ビショップから実に正鵠を射た罵倒を受けるも、しかしルクスは怪訝な顔をして眉根を寄せ、件のクレーマーをやっと一瞥する。


「随分と様子のおかしい人と戦っていたのですね。まるで私が自律型観測ユニットAIのようないい草です」


「あはは、私もお人形の素材扱いされたからさ、そこそこいい勝負だよ」


 ユイが肩をすくめて見せたとき、肉が擦れるような湿った音と共に不死の屍体がゆらりと立ち上がった。皮膚の下で断裂したはずの筋骨や神経線維が自己修復ナノマシンによって接続されていき、背骨のあたりから金属的な軋みを響かせている。床に広がった血だまりの中でも微細な黒い粒子が脈動をしており、己が繋ぎ止めるべき断ち切られた筋肉束を探索し続けている。その様はまるで腐肉で蠢く蛆のようだ。

 やがて修復が完了したらしい彼らは順次に射撃姿勢を整え、あたかも生者の如くビショップの護衛と周囲警戒を再開した。


「……しかも。御覧の通り不死身の兵隊までいるから嫌になるよ。神様に縋りたくもなるさ」


 野盗だけではない。今度は見張りを担当していた味方のレジスタンスの死体さえ、同様にゆらゆらと起き上がり始めたのだ。あの理解不能で悍ましい仕掛けがいつ仕込まれたのか見当も付かないが、なによりもまず絶体絶命な状況にユイは舌打ちする。敵数20そこらの時点でそこそこ手一杯だったのに、今は見張りを含めて数は30超。ましてほぼ不死身とくれば、二人が火器を手にあがいてどうにかできる状況ではない。もう一度ミニガンに手を伸ばせば先に蜂の巣にされるだろう。あれは奇襲でこそ活きる火器なのだ。

 ルクスはしかし、シンイチから託されたガンベルトから小型拳銃を抜いて自信満々の様子で頷いて見せる


「どうか安心してください。死者を安らかに眠らせるのも聖職者の務めです。なにせゾンビ退治は専門ですから」


 ユイが半ばや自棄(やけ)になってお手並み拝見、と言う前にルクスは見事なC.A.Rシステムの射撃姿勢を取り、遮蔽から上半身を出すや野盗の胸にすかさず2発を撃ち込んだ。圧巻の早撃ちであり人間ならば即死の一撃だったが、しかし相手は端から死体だ。一時的な行動停止以外の効果は期待できないとユイが思ったとき、撃たれた屍体は頭を掻きむしりながら銀灰色の体液をまき散らし、次の瞬間に青く発火した。

その様にユイどころかビショップさえ唖然となるなか、青い炎を纏わりつかせたそれは手足を狂ったように振り乱し、喚き、見る見るうちに姿を灰のように崩していく。理解が追い付かない内に野盗はその姿の維持さえ出来なくなり、最後には灰色の砂だけがその足元に残された。

 いまだ唖然としているユイに、ルクスはしたり顔で告げた。


「星の礼拝堂で祝福を捧げたロザリオ。それを埋め込んで生成した聖弾『鎮魂歌(レクイエム)』です」


 その言葉にとうとうマッドサイエンティストがブチ切れる。


「ああああああ!!!! 絶っっ対ぃぃぃに違ぇええだろぉぉ! 何がレクイエムだぁああ! てめえそれ制御断絶弾だろぅがよぉおおおおおお!」


 限界を超えた怒りで気絶しそうになったビショップは、意識を保つため自らの顔面を搔きむしる。

「外殻はタングステンカーバイド合金で中間層はナノマシン分解因子カプセル! 内核はEMマイクロパルス発生体! 自己修復ナノマシンの破壊に特化した弾丸だぁああ! 設計者は私で設計図は私の頭蓋の中にしかなぃぃぃぃいい!」


 ぴたりと、ビショップの動きが止まった。


「 ……へ。まさか。まさか。5日と8時間5分前に静寂温室(サイレント・コンセルヴァトリー)に一時帰投したとき、電脳のセルフメンテナンスをしていた私に生体クラッキングかけやがったのって……。私の大脳皮質と側頭葉を覗き込んできやがったのって……」


 指の隙間から目を見開き、湧き出る涙も拭わず震えながらルクスを睨みつけると、彼女はただニコリとだけ微笑んだ。


「お前かぁあああ!! ああああああ! ぐぅうぅあああああ!! あぎゃああああ!」


 床にぶっ倒れて芋虫のように身を捩り始めたビショップに、いよいよ反応も対処もしかねている様子のユイの手首をルクスは掴み、くいくいと引っ張る。


「悪魔のささやきに耳を貸してはいけません。さ、これは貴方の銃ですね。途中で拾いました。中には『鎮魂歌』を装填済みです。鎮魂歌。制御うんぬん弾ではありません。鎮魂歌」


「あがああぅぅぁああ!!! 制御断絶弾だっつってんだろおおおお!!!」


「ここに予備の弾倉も3つあります。……これで状況を切り抜けましょう」


 頼もしく微笑みながら愛銃を差し出すルクスに、ユイはようやく正気を取り戻す。そして自身に気合を注入するよう両手で頬を引っぱたき、それから銃を受け取ってから頭を掻いた。


「何から何まで世話になりっぱなしだね。本当にありがとう。それとシスター・ルクス、最後にお願いまでして悪いんだけどさ、私、『お姉ちゃん』って呼んでくる小さい子に銃を向けるの苦手だから、その。雑魚のほうを担当してもいい?」


 ルクスはとんと胸を叩いて見せる。


「はい、悪魔退治はシスターにお任せを」


 ビショップが跳ね起きた。


「誰が悪魔だボケェええええ!! このド腐れアーカイブス第七階層外部観測ユニット!! 何が祝福だあんなもの形態素解析したら低レベルな故人の記録ダイジェストだろうが尚言えば物理的な可聴域の振動と音圧にすぎないんだバカ! おまえが流す涙とかただの漏れた冷却液だろポンコツAI! バカ! バァカ! その疑似的ヒューマノイド外殻から脊髄引きずり出して不可逆的なデータ上書きして私の妹にしてやるぅぅうう!!」


 楽曲のクライマックスを指揮するような猛烈な手振りで両手を振るうビショップ。即座に死兵全員が照準を向けてきたとき、それを合図に二人は隔壁から飛び出した。 


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