バブル時代のはなし
テレビから流れるバブル時代の話。
上がり続ける地価、跳ね上がる株価、万札を振ってタクシーを停めるエコノミックなアニマルに、24時間戦えますか?なんて歌われる狂気な時代。そんな人々が画面に映し出されていた。一部の人だけが好景気を享受する今の時代と違い、その当時はもっと多くの人が好景気を感じていた様に見えるなぁ……ああ溜め息が出ちゃう。
「ねえ、お母さんにはどんな恩恵があったの?」
「えー?バブルでどんないいことがあったかって事?」
「そう」
「う~ん、お母さん自体にはないかな。」
「そうなの?」
「だってその頃お母さん、学生時代だから。」
「そっか。」
「そうよぉ。お母さんの時代は、何て言うかいい時代とすれ違った時代というか……」
「どういうこと?」
「お母さんが高校生の頃って、女子大生がブームだったのね。すごくもてはやされてて、お母さんも女子大生になれば、あんな風にモテモテ(死語?)になるかも? なんて思っていたら、お母さんたちが女子大生になる頃には、ブームは女子高生に移ってたのよ。」
「ブームに乗れなかった時代と。」
「そうそう。一度くらいチヤホヤされたかったわぁ。」
「いやいやブームには乗ってるでしょ?よく話題になるよね。」
「え?なに」
「氷河期世代」
「……それは乗りたくないブームよね。しかも長過ぎるし、もてはやされてないし、むしろ逆……」