応援団の練習 その壱
今は放課後、学校の教室。
応援団の練習で、俺たちは集められていた。
「よしっ!じゃあこれから赤組応援団の練習を始めるよおっ!」
「はい!」
今回俺たちに教えてくれるのは、担任の山田先生ではなく、若くてゆるふわショートの谷口先生だ。
谷口先生は新人で、いつもアワアワしているときとか、可愛らしい。
「はい!神宮くん、この旗持ってね!」
「は、はい!」
俺は谷口先生から赤くて大きな旗を受け取った。
「本番は学ランをきてやるからね!神宮くんは、こーやって、旗をリズムに合わせて振って!はいはいはいはい!」
「えっと、こうですか!?」
「そうそう!いいよ!」
谷口先生が口ずさむリズムに合わせて、赤い旗を振る。
この旗、おもっ。
ちょっと後ろを振り返ると、如月さんがぷくーっと膨れていた。
ちょっと怒ったような顔だが、ほっぺがぷくっとしていてかわいい。
「次!如月ちゃん、枝豆ちゃん、五十嵐くん!こうやるの!」
谷口先生が手を応援するときの、前、戻す、よこ、戻すの動きをした。
三人が真似する。
「そうそう!これが基本の応援ね!後は、旗!本番はこの旗じゃなくて、あなたたちが作った旗を使うわ!これに書いてね。デザインとかも自分達で。完成したら先生に見せて。じゃあ後は、頼むわっ!」
そう言い切ると、谷口先生は「仕事が残ってるの!」と行ってしまった。
如月さんは、なぜか満足そうにニコニコと笑っていた。