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給食と間接キス!?

「いただきます」


俺を含めるクラス全員が両手を合わせる。


そう。今は、あの竜田揚げが出る、給食の時間なのだ。


ああ、オソロシイオソロシイ!


「竜田揚げ、いっただっきま〜す♪」


隣の席から聞こえてくる、透き通る上機嫌な声。


この声の持ち主は、如月さんだ。


ルンルンとテンション高めの如月さんに、クラスの全員が夢中だ。


もちろん、俺も。


「あ〜むっ」


ぱくっと、如月さんの小さな口が竜田揚げを一口かじった。


「おっいし〜い!じゅわかりだー!神宮くん、食べてみてよ!」


如月さんが勧めてきたので、いろいろな意味で断るわけにはいかない。


俺は竜田揚げを震える手ではしでつかみ、一口食べた。


うん、じゅわかりだが、いつもの竜田揚げだ。


「どお〜?」

「うん、美味しいよ。竜田揚げ、美味しいよね」


俺、明らかに棒読みに近いな、コレ。


でも、如月さんは嬉しそうに頬をほころばせる。


「だよねだよね!私、これだけじゃ足りないな〜!えいっ!」


ぱくっ。


如月さんが、俺の竜田揚げを、はしでつかんで一口食べた。


しかも、俺の食べかけのところ。


これ、間接キスってやつじゃないですかああああ!?


「如月さん。今のはどう言うことか説明をおおおお……」

「ん?食べただけだけど?」


如月さん、平気そうに言ってますが、顔が明らかに真っ赤ですぞ。


これもツンデレ!?


俺までゆでだこのように赤くなっちゃう!


グサリ。


うおおおおっ!いつもよりもファンの視線が殺気MAXですぞー!早く逃げなければ!俺は視線だけで殺されてしまうー!!


「神宮くん。ちょっといいかな?」


ギュウウウウ。


俺の肩を掴む手の力が、明らかに普通の力じゃないってええ!!


クラスメイトの佐藤さん!女の子なのに力がおかしい!ばか力ってヤツ!?


すると如月さんの小さな手が俺の手首をぎゅっと掴む。


こちらの手は、暖かいピュアなヤツ!かわいい!


ドクン、ドクン、と心臓の鼓動が高くなっていく。


「だめ」


短くそっけなく、照れながら一言呟く如月さん。


かわいいいいいい!!天使いい!!ピュアああ!!


おっと。俺ったら、如月さんの可愛さに取り乱してしまった。


「きもい」なんて言わないでおくれ(泣)


「き、如月さん!う、わかった」


そう言いながら佐藤さんは肩から手を離して離れていく。


「あ、ありがとう、如月さん」


如月さんは、ふるふると首を横にふる。


「いいよ。全然」


ニコッと微笑む如月さんに、胸がズキューンと射抜かれる。


如月さんは名残惜しそうに俺の手首から手を離すと、また給食に目線を戻した。


その後如月さんの顔がずっと赤くそまっていたことに、俺は気がつきもしなかった。

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