口頭決裁
総務大臣が総務省には口頭決裁は無いと言い切った。農林水産大臣は口頭決裁はあるが限定的として例を挙げた。
口頭了解か口頭決裁かは別として口頭で済ませていいものもあるだろう。しかし、法務省では後に正式な手続きを取ることになっている。未だに処理してないとなると、これは決裁されてないということになる。
法務省の見解は本件が口頭でいいかどうかではなく「口頭の決裁もある」と言っただけに過ぎない。
ただ、今回は口頭にした緊急性などは説明できてない以上、口頭でOKだったといっていいものだろうか?
すくなくとも、現状で決裁されたということはどの省も否定するだろう。口頭で行なったにしても、その後正式な手続きを踏んでなければ無効である。『口頭無形』。人類の進歩は知恵を書物という有形いしたからなしえた。
どの道、検事総長の可能性はほぼなくなった。単なる勤務延長を定年年長と言い張った上、これ以上官邸がこだわれば、内閣が崩壊しかねない。閣僚すべてが利害が一致しているわけではない。それに今回の一斉休業要請は官僚や与党内からも非難が続く。地元の地方公務員も企業からの支持も失いかねない。
いままでは、どこか他人事だった有権者も今回ばかりは消費税以上に即生活に直結する。一ヵ月後と言われればまだ準備もできる。しかし、週末になって週明けからと言われても、まったく準備ができない。政府の失策をなぜ国民だけが負担しなきゃいけないのか。保障するといったって、原資は税金だ。痛みを分かち合えといわれても、官邸の人間達はぬくぬくしている。
成功すれば自分手柄、失敗すれば他人の責任。そんなトップを誰が信じるだろうか。今日は暴君に怯えるネズミでも、明日には一斉に逃げ出すかもしれない。
みながみな大臣になりたから口裏をあわせてるわけではないだろう。次の選挙で爆弾を落とされるのが怖いのだと思う。
国難かもしれない。しかし、そんな時こそ恐怖支配ではなく、知恵のあるリーダが望まれる。