黒猪と黒竜
「勇者と戦うから力を貸せなぁー」
「駄目か?」
俺達はコクの自室で話す・・・・
光浮遊スライム部屋を照らし・・・・
コクの漆黒の髪が光で妖しく輝き・・・・
美しい指でその髪をいじり・・・・
「相手は?」
「ヨウエイ・キエン」
「とマユキ・ブレイカー」
「風除けか」
「何それ?」
「ウィンドブレーカー」
「其れをイメージして作られた」
「内は守り外は勝手に死ぬ」
「毒でも出すのか」
「で廃案」
「風除けの力と便利機能満載に」
「攻撃能力は皆無」
「其れは無い」
「俺が使った技は」
「マユキの見様見真似だぞ」
「・・・・・・・」
「なら勇者無能で無く・・・」
「そうだ」
「だから己の全力でやりたい」
「借りられるものは全て」
コクの吸い込まれるような紫の瞳が・・・・
俺を射抜く・・・・・
俺は真剣な眼差しにどきりと・・・・・
瞬間コクは脱力し・・・・
「ふー」
「共に行こう」
「コク助かる!」
「ただし従え」
「何で?」
「ゴウ」
「死ぬ気で行く気か?」
「違う」
「でも全力を尽くしたい!」
「分かった」
「とりあえず飯だ」
歩き出すコクの背を見つめ・・・・
はぁーと息を漏らす・・・・
ゴウはねている・・・・・
「信用しすぎだ」
「・・・・・・・・」
ずいぶんいい男に・・・・
「まさか欲しくなるとはな」
「・・・・・・・・」
「本当に良く・・・・・」
寝ているゴウの衣服に手をかけ・・・・・
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