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君が為に捧ぐ力  作者: 湖水
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目覚め

蔵野 日陽斗は目を覚ます。

ヒンヤリとした空気が肌を触る。自分の頭をさする。血が出ている形跡もないし、痛みもない。

訳が分からない。そこでこれは思い出した。

「芽依は!?」

彼はそう思って辺りを見渡す。

真っ暗で何も見えない。

地面はゴツゴツした岩のような感触を受ける。

そして妙に肌寒い。此処は何処なんだろう。


そんな考えを巡らしていたら何やら誰かの息づかいが聞こえる。

誰かいるのだろうか?

俺は声を上げる。すると、向こうからその呼吸の主がやってくる足音がする。

しかし、近づくにつれその息づかいに疑問が浮かぶ。人にしては息づかいが荒すぎる、まるで獣が唸っているかのようだ。と思ったとき、それは姿を現した。

前足と尻尾の先には炎を纏っており、辺りを一面を照らす。

それでようやく此処が洞窟の中であることが分かる。

また自分の姿はあの日の格好だった。その獣はホワイトタイガーのような姿で牙は噛まれたら一溜まりもないほど鋭く尖っている。

地球であんな動物はみたことないな。

それは金色に輝く眼をこちらに向けると襲いかかってくる。

おっと。

俺は難なく避ける。

何だか身体が軽い気がする。

その後も何度も襲いかかってくるが、全く当たらない。

何だかスローモーションに見えてきた。

そして遂にそれは疲れ果てたのかその場にグッタリと倒れた。

心なしか炎も弱まった感じがする。


俺は勝てそうな気がした。

そう思って俺は右拳をそいつの顔目掛けて思いっきり振るった。

すると次の瞬間にはそいつは壁に埋まっていた。

そいつは手足をピクピクさせている。

しばらくするとそいつは壁から抜け出して、手足を震わせながらも気力を振り絞って立っている状態だった。

俺は低くドスの聞いた声で

「俺についてこい。断ったらどうなるか・・。」と続ける声を遮り、それはコクコクと首を縦に振る。

「何だ。話が分かるのか。なら話は早い。この洞窟の出口へ連れて行ってくれ。ただし、くれぐれも走って逃げたりしてくれるなよ。」

それはまたコクコクと必死に首を縦に振り、先導する。


その後をついて行くこと2時間ほど。

周りの景色は全く変わらない、時々枝分かれした道があるくらいだ。

「おい、まだなのか?」

俺は退屈半分苛立ち半分でそれに声を掛けた。

それは首を縦に振る。

「じゃあ、後どれくらいで着く?俺が言った時間以内に着くなら首を縦に振ってくれ。」

そうして質問していく。

「・・・じゃあ2日間。」

そこでそれはようやく首を縦に振った。おいおい、二日間て。洒落にならんぞ。このままじゃ飢え死にするぞ・・・て1回死んでるのか。よく分からん。だが早くここを抜け出したい。


「お前はここまで二日間掛けてきたのか?」

そう尋ねるとそれは首を横に振る。

何故だ?俺は思考を巡らすと自分の行ったことに思い当たる節があった。

「まさか走るなって言ったからそんな時間掛かるのか?」

そう尋ねるとそれは首を縦に振る。なるほどな。それは俺も悪かったな。

「それじゃ、走ったらどれくらいで着く?」

そしてまた時間を聞いていくとあと1時間で着くらしい。

「それじゃあ走ってくれ。」

そう言うとそれはこっちを心配そうに見つめてくる。

「大丈夫だ。身体も軽いし、遅れは取らない。さっきの戦いでわかったろ。」

それは納得したように頷くと走り始める。

俺はその後を走ってついていく。


自分でも驚くくらい足が速く回る。

まだまだ速く走れそうだが、こいつがいなくては意味がない。

こいつを担ぐ手も考えたが、こいつが楽するのが気にくわない。


そうして走って1時間後やっと光が差し込んできた。

やった。出口だ!そう思って外に出る。

が、そこは溢れんばかりの木、木、木。

森が広がっていた。

ここはおそらく地球ではないだろう、こんな動物いないし。

俺はそれに人の住む場所が近くにないか聞くと手で方向を指し示した。

それはこれから用事があるらしく、ここで別れた。

動物に用事なんてあるのか?

そう思いつつもここまで連れてきて貰ったのだからそろそろ開放してやろう。

そして俺はそれが手で指し示した方向へ足を進める。


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