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鴉の戯言
黒く散った墨が
命を芽吹く。
白紙の上で踊る筆
その先に手なんかないのに
それでも余分な言葉を
搾り取り、掠めとる。
ここに誰かの息はいらない。
誰かの生命すら脅かす。
嫌われものの恋の霧
涼しい顔で聞き返す
いつ引き取ってくれるのか。
それすら意に返さない物言いで、
暗く冷たく、ほんのりと赤い
樹木の上の熟れた枝。
もうすぐそこに迫り来る
日々の節目節目に返り咲く
ミレニアムを待ち望んだ
過去の姿が目に浮かぶ。
それでも
私は感情の裏返しを
切望したのち
指を鳴らした。
あぁ、四つ葉だって
音の響かせ方を知り得たのに
今でも動かずにいる所が愛おしい
だから懸命に今日はドミノを積み上げて
子供のように指で押しやった。