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獣の美学
人が携わる仕事。
それは須く芸術だ。
完璧なものを求めるもの。
あやふやなものを愛するもの。
怪奇で奇怪。
そんなものを愛する人で
世の中はごった返してる。
その世の中自体を愛する者もいるだろう。
言葉は偉大だ。
いつだって僕に刺激を、
そして安らぎすらも与える。
苦楽全てが
私に敵対する訳でもなく、
同調するでもなく、
ただ傍らにいる。
それは私の独り善がりと
糾弾されても、
そこだけは譲れない。
譲る必要はない。
己を誇れ、尊べ、
常にでもなくてもいい。
ふと、
自らを育ててくれた
母の顔を思い浮かべる時にでも、
センチメンタルに浸りながら
自らを愛せるのなら
それは幸福に他ならない。
それは誰にも否定はできない。
いや、資格すらない。
そう仮定するのなら、
私の母は、言葉なのだ。
時に暴力的に刺さり、
時に壊滅的なまでに包み込む。
私は母を捨てることなど
出来はしない。
これからも母の愛を感じながら
生きれることに底知れぬ
浮遊感に包まれて生きれることを
涙すら零れる。