20/24
失敗作
胸を掻き毟る。
心があるから苦しむんだと
心を掻き出そう、そう決心して
自分の両手を使って
蹲るまで、吐き出して。
だけれど心は液状で
その周りには硬く、
幾らでも伸びるラバー性の
外殻が邪魔をする。
何が始まりだったのかも忘れた。
再三、繰り返したはずなのに
今回もまた同じ過ちを、
私は信じたかった。
犠牲を払っても、
幾ら悪意の槍を刺されても、
それでも手放しで愛したかった。
無償の愛、無遠慮な愛こそ
私の求めたもうた物だったのに、
私の墓場で殉教者は立った。
右往左往して骨が完全に朽ちるまで
責め立てる声を緩めない。
生がラッパとしたら
終焉は淑やかにバイオリンだろうか、
生きることは死に向かうこと。
分かっていたはずなのに、
どうか、どうか、って
自分に浸る暇すらなく
転げ落ちる自分を
冷淡に私が見ていた。
時計の一定の針を差し終わる頃に
全てが終わり、風の音が耳に障る。
そして終わる。
緩やかに流転をしながら、