14/24
何かに駆ける赤
少年は戻る。
戻り戻ってあの頃に、
堂々巡りのあのように、
また苦しむ必要があるんだと、
誰かがそう叫ぶように、
何か宣う愚者のように、
幾億線もの境界に足を伸ばした。
何かを積み上げたのに、
確かに失敗はしたけれど、
けれど無様に積み上げたのに、
それさえも奪う。
自分が自分でいようとしても
自分が自分であろうとしても
誰かの意思によって阻まれる。
大空だけは変わらない。
いつしかいった言葉。
心の底から願った言葉。
だけど今だけは、
この空が憎かった。