表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玩具の鍵  作者: 甘味処 雨
腐食の讃歌
11/24

落れない緑

縋るもの。

それは何かに例えてみれば、

それはひっくり返った蟲のようなもの、

もうそれしか縋れるものはなく、

必死にそれは縋る。


それが煩わしいと感じるのなら、

枝を降り下ろせばいい。

もっと言うのなら、

枝を折ってしまえばいい。


それは呆然としたまま地に落ち、潰れるのだから、

けれど、色が混ざりあった混沌な世界は、

それすらも奪うのだ。


地に落ち無様に死に晒すことさえ、

満足にはさせてくれない。


踏み潰すこと、それは一つの区切り、

一瞬のまま、

暗闇に取り残される事は一つの幸福とも言える。


その泥水のような濁りきった幸福ですら、

彼の色は与えられない。


もがき殺されるのを、

水に落とされた蟲のように、

もがされることをその理は強要する。


彼は、この色は、

そんな世界に足を踏み入れたのだ。


それはもう取り返しのつかない答えのなかだった

だけどまだ彼は落ちていく。

なにも知らないままで


一つの色が落ちるということも、


これっぽっちも知らないままに、



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ