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落れない緑
縋るもの。
それは何かに例えてみれば、
それはひっくり返った蟲のようなもの、
もうそれしか縋れるものはなく、
必死にそれは縋る。
それが煩わしいと感じるのなら、
枝を降り下ろせばいい。
もっと言うのなら、
枝を折ってしまえばいい。
それは呆然としたまま地に落ち、潰れるのだから、
けれど、色が混ざりあった混沌な世界は、
それすらも奪うのだ。
地に落ち無様に死に晒すことさえ、
満足にはさせてくれない。
踏み潰すこと、それは一つの区切り、
一瞬のまま、
暗闇に取り残される事は一つの幸福とも言える。
その泥水のような濁りきった幸福ですら、
彼の色は与えられない。
もがき殺されるのを、
水に落とされた蟲のように、
もがされることをその理は強要する。
彼は、この色は、
そんな世界に足を踏み入れたのだ。
それはもう取り返しのつかない答えのなかだった
だけどまだ彼は落ちていく。
なにも知らないままで
一つの色が落ちるということも、
これっぽっちも知らないままに、