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終幕(3)
ベッドの中で、目を覚ました。赤毛の紳士は泣き出しそうな顔で、俺を見つめている。
「すまない。昔を思い出そうとすると頭痛が起きるそうだね。事件の後遺症だと聞いたよ。本当に、すまない」
目を伏せて、唇を噛みしめる。やがて、意を決したようにハッと顔を上げた。
「思い出さなくていい。私を本当の父親と思わなくていい。だから……私の息子に、なってくれないか?」
鮮やかな赤毛、優しげな瞳はグレー。どちらも、俺と同じ色。
ああ、俺の赤毛はこの時のためにあったんだ。記憶をなくしてしまっても、家族と分かるために。何も思い出せなくても、俺を息子だと信じてくれるなら……俺も、信じようと思う。
身体を起こして、精一杯頭を下げた。
「よろしく、お願いします」
「……ありがとう、ロイ」
頭を無造作に撫でる大きな手。この手の感触は、知っている気がした。




