0-7
「うう・・・」
それは数秒のことだったか。視界が徐々に晴れていく。いきなりだったから防御が出来なかった。一体何が・・・すると
「あなた、誰・・・?」
腕の中にいる中学生ぐらいの女の子が話しかけてきた・・・ん? あれ、言ってきたのがミスコさんなら分かる。今さっき倒れたのを受け止めたままだったからな。俺は聞き返す。
「いや、君こそだれ?」
「あなたこそだれよ?」
「俺はライだけど。」
「私ミスコだけど。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「ええええええーーーーーー!!!!!」」
思わず同時に叫ぶ。
「顔変わってるんですけど!?」
「あなたこそ・・・って私も!?」
「ミスコさんって中学生!?」
「違うわよ!これでも大学生よ!ただ容姿が幼いだけよ!!」
「自分で色々認めてますけど!?」
「はっ!!」
お互いに混乱していると周りからも悲鳴が聞こえてきた。周りを見渡すと、どうやら皆同じ現象がおきたらしい。今さっきまで美男美女の群集だったのが今では現実の若者顔の群集になっている。少人数ではあるが小さい子供や良い年こいた大人もいたが。 これはどういうことだ?自分の顔はどうなっているんだ?なん
『なんで顔が変わってしまっているのか?でしょうか、皆様の今のお気持ちは。』
「久遠永劫」が口を開いた。
『これからこの世界に住んでいただく皆様のためにアバターを現実の皆様にさせていただきました。おそらく顔、身長、体重、スタイルなど忠実になっていることと思います。そちらの方が都合がいいかと思いまして。』
「・・・・・」
おそらく皆状況を呑み込めてない。だってそうだろ?ログアウトが出来なくなって、現実より一万倍速で動いていると言われ、そしてアバターが現実の自分になるだぞ?もう何がどうなっているのか分からない。誰か説明してくれ。
『おっと・・・時間が大分過ぎてしまいましたねぇ。まだまだ説明したいこともありますがここまででEWOの正式サービスチュートリアルを終わります。皆さん頑張って下さいね。それではっ!』
これで全てだ。これから俺、霧山頼斗改めライの人生が始まった。 現在、永零暦20年12月30日。今の最前線は8490階である。
遅れてスミマセン!!
説明させていただきますと永零暦はEWOでの暦です。