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軍隊島  作者:
3/9

第一戦 邂逅島

久しぶりの更新だよオイ(アワワ

でも、職業に免じて許してくれ!

そして正直言って厳密なシナリオ無いからgdgdというorz

それでいいなら見てくれ!!そらっ!!


[Ash]

 島が見えた。

 要塞か何かのように断崖絶壁に囲まれた島が。

 中央には……何だろう。青に包まれた高い塔が見える。

「ねえ、デービス。あれって何だい?」

 ずっと島を見つめていた、金髪碧眼の青年が聞く。

 透き通るように肌が白く小柄な、童顔の美青年。年齢は20歳前後だろうか。

「さあな、ガイドブックもねえのに分かるかよ」

 隣にいた、赤褐色の髪と淡褐色の目の長身痩躯の青年がだるそうに答える。

 どうやら、彼がデービスらしい。

「でも、あんなにでっけえんだ、きっとあの島の中心だ」

「そっかあ」

 金髪の青年の笑顔に濁りは無く、むしろ子供のようだった。

 デービスも思わずにこりと笑う。

「ほら、アッシュ、降りるとさ」

 気がつけば、彼らを乗せた船は港に停泊していた。

 見れば、他の乗客がバラバラと降り始めていた。

 ――しかし、その乗客は、アッシュと呼ばれた金髪の青年やデービスも含め、どこかおかしかった。

 違和感の理由はすぐわかる。

 彼等は全員、アーミーブルーの軍服を纏っているのである。

「これからはずっと戦ってばっかりなんだよね?」

「おいおい。それは禁句だろうが」

 船を降りると、そこには同じ軍服の男たちが待っていた。

「諸君、聖ミカエル島にようこそ」

 男の内、一番背が高くて大人びた男が言う。

「敵の攻撃は気にしなくてよい。この島では一応宣戦布告無しの奇襲は全面禁止されている。それにどちらにしろここでは発砲厳禁だ。……私は、ここ聖ミカエル島駐留軍第二歩兵連隊長、ジョシュア・クレイソンだ。駐留軍司令長官 アンダーアース大将閣下の代理で来た」

 その予想外の柔らかい笑みに、皆釘づけになる。

「君たちには、これから我らの仲間として戦ってもらう。中には犠牲も出るかもしれない。それが万が一君であった時、君はそれでも悔いなく覚悟を決められるだろうか。もし、ここで『NO』という者が仮にいたとすれば、悪いことは言わない。今ここで引き返しなさい」

 若い新兵達が、互いに顔を見合わせる。

「おっと、仮にも大佐の私がこんなことを言ってはいけなかったね。では、そろそろ駐屯地のアレスに向かおうか。ついて来なさい」


「クレイソンさん、優しい人だったね」

「ん?……ああ……」

 ガイダンスみたいなのが全て終わり、ようやく新しい自室に入ったアッシュとデービス(同じ部屋である)だった。

 4人部屋だが、まだ二人しか入っていない。

 2段ベッドが二つ、中央に小さな4人掛けのテーブル、ロッカーもクローゼットもある。

 粗末で狭いが、清潔感溢れる部屋だ。

「さ、色々整理しなくっちゃね」

「荷物か?」

「ううん。情報。僕、馬鹿だからワケ分かんなくなっちゃう」

「なるほどな」

 本当に、色々な物を一気に渡された。

 まず、船の中では軍服一式、「ゲームルールブック(中身は島でのルールがぎっしり詰まっていた)」。

 そして、ついさっきには島の地図だの何だの。

 もうやんなっちゃう。

「とりあえず、落ちついたら中心街に繰り出しちゃおうよ。えーと……セント……」

「セント・ゲオルギウスな」

「そうそう。そこに行ってみよ」

「……いきなり行って大丈夫か?」

「だって、現地の人からも色々聞いた方がいいでしょ?それに、ちょっと遊びたいし」

「ま、そりゃそうだけどよ……」

「じゃあ行こ!!」

「……すごい嫌な予感がする」


 セント・ゲオルギウスは、どう考えても最大の街とは思えなかった。

 確かに店も多く、ネオンサインを久しぶりにお目にかかれた。

 しかし、その壁は穴だらけだった。

「なんか、市街戦があったみたい」

「……だな」

 とりあえず、バー的なものを探す。

 すると、すぐ目の前にあった。

 『Con Fuoco』

「音楽用語で『火のように』って意味だ」

「よく知らないや」

 まあいいや、と入ってみる。

 先客がいた。

 一人は、ブロンドに青い瞳の、色白で長身痩躯の無表情な美青年。

 もう一人は、ウェーブのかかった栗毛の豊かな髪にヘーゼルの瞳の、肌が褐色見を帯びている美女。

「あ、新人さん?」

 美女が二人を振り返る。

「ねえねえエル!!可愛い新人さんだよぉ!!」

 少女が青年の肩を無遠慮にぶったたく。

しかし彼は何も言わず、代わりに手帳を差し出した。

 『痛いってば。ただでさえ力強いのに』

 二人とも驚いて青年を凝視する。

 すると、青年は再び手帳に何やら文字を書いて手渡す。

 『ああ。実は僕、声が出せないんだ。2年前に喉を撃たれてね』

「よく生きてたな……」

 デービスは半ば呆れていた。

 で、アッシュはというと、

「へー。すごいねー!」

 おいおい。

「で、君たち何軍?僕らはアメリカだけど」

「あたしはイタリアー!!」

『僕はドイツ軍のエルンスト・シュバルツシュミット。よろしく』

「カテリーナ・ブロンツァーノでーす!!よろしく!!」

 そして、この島で初めての友人が出来た。


何時間か後、

「バイバーイ!!」

 元気な声を背に、アッシュは店を出た。

 デービスは先に帰っている。

「さてと、っと……」

 ドアをそっと開ける。

 と、

「――!!?」

 何か、緑色と肌色の大きな物体が倒れてきた。

 人だった。

 しかも、眉間を撃たれて死んでいた。

 顔を上げる。

 そこには戦場が広がっていた。

 地面に倒れ伏す者。

 目の前で倒れる者。

 取っ組みあっている内に喉をかっ切られる者。

 鉄の塊の犠牲になって単なる赤い塊に成り果てる者。

 冷たい目で毒の鉛を吐かせ続ける者。

 赤い世界。

 銃声。

「あ……あ……!」

 初めて見た大量の鮮血に、アッシュはただ立ち(すく)んだ。

 すると、

「あ?てめー誰だ?」

 ハッとして見上げると、そこには全身を赤く染めた兵士がアッシュの眉間に銃を突きつけていた。

「どうした?誰だそいつ」

 兵士と同じ戦闘服を着た男がだるそうに目を向ける。

「さあ。ここの酒場から出てきやがった」

「アメリカ兵っぽいな」

「つーことは敵国か」

「馬鹿かお前。どこも敵国だろ」

「そっか。じゃあ――」

 兵士は、ニヤリと笑って、引き金に力を――。

「そんじゃあ、こいつ殺っちゃっていいよな」

グシャッ!!

「……え?」

 固くまぶたを閉じていたアッシュは、恐る恐る目を開ける。

 つまり、少なくとも自分は生きている。

 しかし、あの銃声は――いや、あんな銃声があってたまるか。

(それじゃあ、あの音は……?)

 音の方向を見てみると――

「……ひっ……!!」

 下の血溜まりさえどうでもいい。

 その頭上が、どうでもよくなかった。

 人の頭が、潰れていた。

 さらに、その頭が、大きい人間の手の中にある。

 しかし、誰でも分かるように、頭蓋骨は人間の力なんぞで陥没するほどヤワではない。

 だが、その完全なる不可能が、目の前で起こったとしか考えられないのだ。

 その手の持ち主は、30歳前後と思しき男だった。

 大柄で、白人としては色黒。

 短めの髪はなぜか白く染まっている。

 茶色の目は、猛獣を容易に想起させた。

 その目が、アッシュを射抜く。

 戦場にすら慣れていない彼が、飢えた猛獣の巣で正気でいられるはずもなく、小動物のように竦み上がってしまった。

 人間の頭、いや、もはや頭蓋骨を鷲掴みするその手のもう一方が、アッシュの頭に向かって伸びる。

 アッシュは、ついに目を閉じ切ってしまった。


 その少し後、

「よし、ここをまっすぐ行けばすぐに駐屯地に着けるぞ」

「ありがとう、ヒューゴーさん!」

 どういうわけか、小動物と猛獣が仲良く道を歩いていた。


 さて、あの後何があったかというと……

「おい、大丈夫かお前」

「……はえ?」

 男の手は、アッシュを優しく撫でていた。

(え、どゆこと!?)

 わけも分からず、しかし振りほどくのはどうかと思い、なされるがままになっていた。

「いや、そんなに怖がらないでくれ……って言っても無理か。何せ、最初の印象が『頭掴み潰した人』じゃあな……」

「ええと、いや……」

 意外に普通そうだ。

「俺的にはただ単に前まで入ってたアメリカ軍の新入りがびくついてるってので参上しただけなんだけどさ……こいつの論理がムカついたから殺しちまった」

 とか何とか言って、ぶら下がった死体を小動物に押し付けてきやがる。

 つーか、もう放してやれよ、それ。

「あの、もうその人、放してあげて下さい」

「あー、おぅ」

 すると、男は、まるで荷物かのように死体を地面に放した。

 アッシュにもやっと話す余裕ができてきた。

「えっと……助けてくださって……ありがとうございます……」 

「ん?いやいや、別に。それより、とりあえずジョシュアの奴に若干借り返せてよかったぜ。あいつ、二等兵が死んだだけでも結構へこむかんな、増してや少尉じゃあなァ……」

「はあ……」

 というか、こいつ、誰だ?

「あー、そういや自己紹介がまだだったな」

 すると、男はめんどくさそうに頭を掻くと、ぼそぼそと名乗り出した。

「俺の名前はヒューゴー・ヒースフィールドだ。元中尉。ま、よろしくしてやるよ」


 こうして、彼は無事に駐屯地に帰ることが出来たのだった。

 部屋には既にデービスがいた。

「お!!アッシュ!!大丈夫だったか?」

「うん!ヒューゴーって人が助けてくれたんだ!!」

 と、

 彼の表情が変わった。

「ヒューゴー……だって!?」

 露骨に警戒心を剥き出しにする。

「……ん?どうしたんだい?」

「それはこっちの台詞だ」

 彼は苦々しく、本当に苦々しそうに吐き捨てた。

「――ヒューゴー・ヒースフィールドって言ったら、この島でも一番恐れられている凶悪犯じゃねえかよ……」



[The Certain Woman]

 しかし、この時アッシュは気づいておくべきだった。

 デービスの胸に、オリーブの形のバッチが輝いていたことを。

 そして、それがあのヒューゴーのと同じであったことを――





 


やっと終わった!!

でも今テスト期間中なんだぜ☆

もう諦めました。

また次ももたもた更新でしょうが、ゆっくり付き合っていってね!!

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