表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『0から一万の営み』 落選作

駄作ですみません

 まだ、日本人がチョン髷を結っていた、1664年。初めて記録が残された鶴の渡来である。

当時、お米が重要で川沿いを干拓していた。

そこに、鶴が渡来したのでした。

 その後、お殿様が将軍に鶴の保護を呼びかけられて、それに従い鶴を守る事となった。

 当時は、農薬も無く自然のままの原風景の中に、農作業に勤しむ人々が日々を送っていた。

 鶴は耕作の終わった田や湿地で次の世代を育み遺伝子を繋いでいた。

 鶴と農民は共存し、鶴は田を豊かにして、毎年、北のシベリアへ帰って行ったのだった。

1690年には590haの干拓が完成して。

 江戸時代の末期には1090ha、東京ドーム約233個分もの土地が干拓されていった。

 その前は出水には越冬に来ず、他の地で越冬して居た様だ。

鶴は千年亀は万年

っとある様に、中国の伝説から、長寿の化身として大切にされていた。

 そして、時代が変わり明治維新後に鶴が狩猟の対象となるようになり、明治の中頃には一羽も来ない、

『0』

になってしまった。

 その後、1895年に狩猟法が制定されて、ようやく鶴がまた訪れる様になった。

 大正から昭和初期には、越冬鶴を見物する為に訪れる人を載せる、鶴見馬車が運行されて、鶴見亭まで造られた。

 その後、1923年の鹿児島本線の開通ルートは鶴保護の為に渡来地を迂回させた。

 1919年には150~160羽。8年後には275羽になり、1938年の21年後には3908羽まで増えた。

しかし、第二次世界大戦(大東亜戦争)の時に海軍の飛行隊の訓練基地が、出水の鶴の越冬地に造られた事によって、1947年には275羽まで減少した。

鶴も減ったが特攻隊員として、未来のある若者も減って行った。

終戦から12年後の1952年3月29日に

『鹿児島県のツルおよびその渡来地』

として、国の特別天然記念物に指定された。

それから三年後に当時の防衛庁が旧海軍の飛行場を再利用しようとしたが、市民が反対してこの地は守られる事となった。

その7年後には、

「鹿児島県ツル保護会」

が結成され、翌年には渡来数が千羽を超えた。

 1973年には北朝鮮と韓国の軍事境界線で米韓合同軍事演習が始まり、それを避ける様に出水に鶴の渡来が増えて行った。

 自然が人の手に寄り、変えられていったのだった。

 1987年に高尾野町と供に、

「国指定 出水・高尾野鳥獣保護区」

(集団渡来地)

に指定された。

しかし、その大きさは、全体で842haその内、特別保護区は僅か54haしか無かった。東京ドーム233個分の、たったそれだけでした。

1987年から

『出水ツルマラソン大会』

が開催され、2年後の平成元年(1989)11月1日には

『ツル保護センター』

ができ、6年後には、

『ツル博物館クレインパークいずみ』

が造られた。

1992年に初めて渡来数が1万羽を超えた。

 2001年には鶴の一極集中に問題意識を持ち、越冬地を西日本の各地へ分散させる調査が始まった。

 でも、ナベヅルに関しては世界の約8割、全個体の8割がこの出水で、子孫の継承を行って居て、これは誇るべき事で、9000羽のナベヅルの生態維持に貢献している。

 それらは、359年前からのイニシエの伝承を、この出水の市民が守ったからであり、この先も絶える事無く続く事で、絶滅危惧種の維持に貢献できて行くのである。

 人はあくまで1生物に過ぎず、驕る事無く、自然・鶴との共生を維持する事で、共に生き永らえるのである。

 そこに、人が集まり、地域が活性して維持される。

 これこそが、自然体で生物の根源である。

 今から2年前の11月18日

『出水の越冬地』

として、「ラムサール条約湿地」に登録されるが、そんな事が無くても、市民の手で伝え守られた伝統であろう。

 次の未来を担う子供達よ。

何のために生まれ、何のために生きるか?

答えは、古き良き言い伝えに隠されているのでは無いだろか?

1980年から43年間、無農薬農業をしている農園も出水にはある。テレビでもやっていた、

『アイガモ農法』

だ。

 でも、日本農林規格(JAS規格)に認定されたのは23年も後で、それ程大変な事なのだ。

 衣食住の3つが、生きる為に必要な最低限の物事だが、お米は一番身近な大切な主食。

それが、汚されれば人体へも、鶴や他の生物にも影響を及ぼす。

 食を守る事は大きく言えば地球を守る事‼

 世界で唯一の一万羽の鶴の渡来地である出水から、新たな倫理を発信し、大切で儚く脆い地球を守り維持し、後世にバトンを渡せる様に伝承してください。

 出水では鳥インフルエンザ対策や鶴保護の為に骨を折って迄取り組んでいる。

 だからこそ、自然がそれに感謝して、鶴を渡来させ、他の恵みを与えてくれている。

 でも、昨今の地球温暖化で鶴の変化も見られている。

 これはやがて、人類・ホモサピエンスの種にも影響を及ぼすであろう。

だからこそ、そこから目を背けず諍って欲しい。人類・生物・生態系。そして、地球の維持の為に伝え残して欲しい。

この良き伝統を・・・・・・・


最後に人類は地球が誕生してから、ほんの一瞬の歴史トキの間にどれだけの生物を犠牲にして、生き永らえているのか?

 絶滅した哺乳類・両生類・昆虫・植物がどれだけ多い事か?知って欲しい、覚えていて欲しい。

人間は、人類は、ホモサピエンスは特別では無く、1生態系の種であり、自然に逆らえば淘汰される。

所詮、1生物に過ぎないのだから、心を律し、共生・共存の道を模索して欲しい。

良き手本が、この地、

【出水】

にあるのだから。

 不便も不自由も乗り越えて鶴との共生で新たな観光と言う生きる糧を得て、世界のナベヅルを守り、存続迄させている。

 日本中が、否‼世界が学び、真似をするべき姿勢では無いだろうか?


 未来永劫 鶴が訪れる地である事を願う。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ