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第一回:鳥居耀蔵、夜の東京に転生す

そもそも人の世の歴史というものは、

よいことも、わるいことも、

何度も何度も、回帰する定め。


堯舜(ぎょうしゅん)の再来のような名君が現れることもあれば、

煬帝(ようだい)董卓(とうたく)の再来のような暴君もまた、

何度も何度も、現れる。


ところが!

202*年のある夜、

東京に流れ星のように、

光とともに降り立ったのは、


過去の暴君の再来どころか、

まさに当の本人、その人の、

「転生」という珍しき事態であった。


*****


その夜。


東京の、とある河川敷。

10代後半の、

見た目にもガラの悪そうな

少年たち三人組が、


夜遅い時刻にも関わらず、

近所迷惑も考えない大声を上げながら、

花火遊びをしていた。


そこへ、

竜巻のような暴風が

いきなり巻き起こる。


「なんだ?」

いきなりのことに戸惑う三人組。


竜巻は、

ゴミクズや草葉を巻き上げつつ、

河川敷の一隅に集束し。


やがて、強烈な光と轟音が放たれると、


河川敷の真ん中に、

クレーターのような穴ができ、


その真ん中に。

チョンマゲにカミシモ、

そして腰には日本刀を差した、

中年の、大柄でいかつい顔つきの、

サムライが一人、立っていた。


その、中年のサムライ、

そっと自分の手を見ると、


「これは、、、

時間旅行の思わぬ作用というべきか」

と、低く太い声でひとりごちた。

「妖力が著しく高まったようじゃ。

力がみなぎっておるのを感じる」


「おいおい、おっさん?」

少年たちのうちの一人が、

声をかけた。

「なんだい、その格好?

動画の撮影でもやってんのかあ?」

そのコトバに、少年たち三人は

ゲラゲラと笑う。


声をかけられたサムライ、

三人の少年を振り返り見る。


そして、三人が着ている

Tシャツに視線を向けた。


三人のうちの先頭の少年は、

ビキニを着けた女性が、

胸を強調したセクシーなポーズを

取っている、アメコミ調の

Tシャツを着ていた。


「・・・なんという、みだらな。

風紀の乱れじゃな」

サムライは、三人組のほうに

ゆっくりと歩み寄ると、

「そのみだらな服をよこせ。

わしが破り裂いてやる」

と言った。


「はあ?おっさん、

アタマおかしいのか?」


「おかしいのは、お前の服だ。

そしてその、野蛮な金色に染めた

髪型もだ」


「なんだと!このヤロウ!」

先頭の少年が殴りかかったが、


その拳は、ばしっと、

サムライに片手で受け止められ。


そのままサムライが手に力を込めると、

バキバキ、ボキボキと、

少年の拳の骨が

砕ける音が響いた。


「ぎゃああああ!」

激痛に絶叫する少年。


後ろで見ていた、

残り二人の少年も、

その有様を見て、

顔を青くする。


そして、次の瞬間!


同じ河川敷に、

いくつもの竜巻と、

光球が現れ!


その風と光が収まると、

無数の、

おかっぴき、

サムライ、

そして黒装束のニンジャが、

ズラリと現れた。


「鳥居様!遅くなりました。

我らも、馳せ参じましたぞ!」


「うむ」

鳥居と呼ばれた大柄なサムライは、

満足そうに、

おかっぴき、サムライ、ニンジャの

軍団にむかって頷くと、

「手始めじゃ。この三人のモノの

だらしない金髪を剃ってしまえ。

金髪を剃り上げたあとは、

せっかくじゃ、このモノらの

金目のものも取り上げて、

我らの軍資金にするのが良かろう」


「はっ!」


夜の河川敷には、三人の少年の、

「なにすんだ!やめろー!

ぼ、、、坊主にしないでくれー!」

という泣き声が響き渡った。


鳥居と呼ばれたサムライ。


川向こうに見える、

東京のビル群を眺めて、

「いかにも、みだらに汚れた

匂いがする街に、

なってしまっておる。

嘆かわしいことじゃが、

すぐに、風紀を整えてやるとしよう」

それから、自らの手勢の軍団を振り返り、

「さあ、まずはあの女を探し、

見せしめにしてやらねばならぬ。

わかっておるな」


「はっ!」


「行け!憎き、あのモノの子孫、

粉奈(こな)沙羅(さら)

見つけ出すのじゃ!」


さてさて!

この軍団はいったいナニモノなのか!

粉奈(こな)沙羅(さら)とは

誰のことなのか!


これから、何がどうなりますかは、

次回のお楽しみにて!

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