好きだった彼女に裏切られた俺は絶対に恋愛をしないと誓った。勿論周りの女性がそれを放っておくわけがない。
「もう、君の事は好きじゃない」
「新しい好きな人が出来て、今はその人と幸せだから!もう連絡しないでね!」
新年そうそう彼。御門 楓は愛していた女性に別れを告げられた。それも、自分には悪いところが無く、相手の勝手な都合で、容赦なく、異様なまでに冷酷で非道に振られた。
そんな彼が、常人としてこれから生きていけるのか?そんなもの誰にだって、考えなくても分かる。
結論から言おう。彼、御門 楓は約2年の恋に終止符を打ち、女性を信用せず、男を信用せず。唯一の信用できる2人と家族以外の人々との関係を断ち切った。
否、断ち切らなければ精神が不安定になるからだ。
「朝だぞ、楓」
今俺はベットという最高で最悪で最良で最善で至高で唯一で人個で表すならば、人をダメにする、そんな家具の上でうずくまっている。
そして、それを邪魔する悪魔的存在は今の俺にとって、数少ない信頼できる友人である。
「五月蠅いぞ、隼、良いか?よく聞けよ?俺は今、眠りについていたんだ、それを邪魔する者は何人たりとも許さない」
「はいはい、わかりましたよ」
「今日の隼は何か、素直だな聞き訳が良い。うん、素晴らしい。その調子でこれからも頼むぞ」
返答はない。
代わりに、彼は、隼は、許されざる行動をとる。
日差しを遮る漆黒のカーテンを俺を守るカーテンを、安眠の重要な武器を、彼は、彼はッ!
「な、ななななんぁ、何をする隼、これでは俺が寝れないじゃないか!」
大きなため息をつき大きく深呼吸して。
その全てを吐き出す様な声量で俺に言葉を継げる。
「今日は何の日か分かるか?分からないんだろう。だからこそ今もそこで寝ている。良いかよく聞け?今日は」
「始業式なんだよボケナスがァアア」
「は?」
俺の思考はフリーズした。そして30分後。
「おい、隼これでは遅刻する。なんで起こしてくれなかったんだ」
「俺は起こしたぞ、お前が起きないことを見越して2時間前からお前を起こすため行動してた」
「まるでお前は俺のお母さんだな。ご苦労」
「テメェ、殴るぞ」
「そんな場合じゃない、早くしないと遅れるぞ」
「誰のせいだと思ってるんだ」
始業式にはギリギリではあったが間に合った。奇跡は有るんだな。
そして、始業式は最悪だった。
「なぁ隼、俺もう学校辞めたい」
「おいおい、何を言ってるんだ?なぁ沙紀、今日朝からこいつ調子がおかしいんだよ」
「はぁこれだから隼はバカなんですよ。分かりませんか?」
「いや何の話だ?」
「今楓は高校一年からお付き合いをしていた女性に、勝手な都合で浮気されて振られて、女性不信になってるんですよ。それなのに、それを理解できない、女性が楓に声を掛けまくってたじゃないですか」
「そういう事か、理解した」
これまで黙って聞いていた楓が口を開く。
「なぁ、沙紀?お前は俺の心を抉りたいのか?それとも何か?俺を殺したいのか?あぁん?」
「そんなつもりは無いんですよ!ただ事実を申し上げただけですよ!」
時に、真実とは人を傷つけるんだよ。覚えておくといい沙紀。
「それで楓何が有ったんだ?」
「いやな、見知らぬ女とか同じクラスの話したこともない女が、俺に対して彼女と別れましたよね?ってなら私と仲良くしてくださいとか言ってくるんだよ」
「いいじゃねぇか。そうやっていろんな女子と話して仲良くなってその女性不信を直せばいい」
「お、お前本気か?女なんて基本的に皆糞だぞ、だからな、きっと俺と仲良くなるふりして、また虐めるんだ。それがなぜわからない。これは俺をイジメるために準備なんだよきっと」
「は?お前は....もういいや」
俺達がこんな話をしながら昇降口を目指していると、一人の女性が声を掛けてきた。
「御門 楓さんですよね」
黒い髪を長く伸ばし、綺麗な肌に、整った顔立ち、出るところは出ていて絞れる場所は絞っている、ナイスな体を持つ女性が俺に話しかけてきた。
「御堂 赤利さん?」
「御堂家の長女、国内有数の起業家として有名な御堂家の長女であり、才色兼備、文武両道、その他すべての良い言葉が当てはまる、この学園きっての秀才。
そんな彼女が俺に一対何の様ですか?」
「あら、御門さんは私の事をそこまでご存じなんですね。」
「この程度この学校に通う人ならば常識だよ」
「では、その常識を一つ壊させていただきますね」
俺は隣にいる二人に顔を向けるが、その二人すら知らない顔をしている。
一体何を告げられるのか。
「私、御堂 赤利は御門 楓さんあなたの事が好きです。今までは御門さんに特定の人物が居たためアプローチをしませんでしたが、これからはドンドンアプローチしますのでよろしくお願いします」
彼女はそれだけ伝え立ち去った。
「なぁ隼と沙紀さ俺転校しようと思う。」
「「彼女はマジだから絶対に追われるから、転校しても意味ないと思う」」
「嘘だろ」
事実を受け入れられない俺を二人は温かい目で見てくる。
きっと、これから苦労するんだろうな。
何せ彼女の噂で一つ聞いたことが有る事が有る。
高校一年生の頃から、高校三年の夏休み明けまでの間、告白されて断るとき、片思いしている人が居るからと言って全ての男性を断ってきたという話を聞いたことが有る。
そして、夏休み明けの始業式、片思いしていた人物がフリーになった。
そんな存在を彼女が逃すはずがない。
きっと、苦労する。女性不信の俺に何故そんなに近寄ってくるのか。
俺は俺の安寧の為に、女性に対して冷たく接することを今決めた。
絶対に近寄らせない。絶対に心を開かない。絶対に好きになんてならない。
残る高校生活は、精神を安定させるんだ。絶対に。
思い付きで書きました。続きは書けないです。
書くことをしないと思います。辛いので。
続きを書こうか考え始めました。先の事とか決まったら開始しようと思います。未定の予定なので期待しないでください。