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設計図

家に帰って少し仮眠をとる。



SPが回復するかな??と少し長めの昼寝を貪る。



失敗したチタンの塊を机の上に置き、スケールを想像する、真っ直ぐ細長く1mm事に短い線、5mm、1cmと長さを替えて垂直に正三角形柱の中が空洞で自立する物を。

「…出来た完璧なスケールだ」

SPは時間がたつと回復するようだ。

「これは発見だな」

そして、板と鉛筆で真空マグの設計図を書いていく、円柱で容量は500ccくらいで縁は少し尖らし気味で二重にして中は真空…柄は折り畳めるように持ちやすい2つの輪を溶接した薄い板で止める感じにした。

展開図の様なものも書いていく。

「コレで良いだろ」


SPはありません…

「だよね…」

諦めてシュルツさんのノコギリの改良版の設計図を書いていく、少し左右にギザギザを出していけば生の木材でも咬まずに切れるはずだ、出来れば押しても引いても切れるようにもしたい、色々考えながら書いていく。

「…まあこんなもんかな…明日は鉱山に軍資金調達に行こう」

今後の予定も書き出していく、軍資金を兄に渡して紙等を調達して貰う、金に物を言わせて羊皮紙でも良いとする、テント、リュック、寝袋、イスに使う布の為に綿花の改良、ランタン用の油、またはアルコールも探そう。

板を持って工房にいく。

「父さん、ノコギリある」

「確か棚の奥にしまってあると思うが…」

ゴソゴソと棚を漁ると少し小さめの薄いノコギリが見つかる。

「これだね」

手をかざす。


SPがありません。

もう知ってるぜ…

「父さん鏨と金槌ある?」

「ああ…何をするんだ??」

「シュルツさんにノコギリあげようと思って改良してみたんだ」

木の板の設計図を見せる。

「なるほど…中々良さそうだな、左右に刃を出す訳か俺も手伝おう」

「ここに切れ目を入れて」

「こうか?」

「うん、で少しだけ刃を出す様に金槌で叩いて後はヤスリで研いだら良いと思う」

2人で試行錯誤しながら作っていく。

父は器用に設計図通りに作っていく



「完成だ」

「おおっ良い感じだよ父さん」

「まあな刀匠のスキル持ちは伊達じゃないさ」

設計図の板を試し切りしてみると良い感じで切れていく、無言で父に渡すと使い勝手を確かめたムネトモの口元も緩む。

「コレは凄いなシュルツも喜ぶな」

「うん」


「あと鉛筆用の金属板と鉛筆削りを…」

「なんだそれ??」

「ちょっと待てて」

忙いで部屋から鉛筆を取ってきて見せる。

「ほう…中の炭はダムダの所の書き物用の奴だな…真ん中で接着してあるのか??」

「うん、同じ様に中の炭を嵌める木材を削れる金属板が欲しいと思って、シュルツさんに加工頼めたら良いと思って」

「だったら刃を丸くして短くすれば出来るぞ」

「分かった作ってみて、私は設計図書くよ」

真っ直ぐ溝を彫るのは難しいから土台に溝を作ってズレない様にして父の作る刃をはめれば細工用のカンナの様な物が出来た。

ムネトモは小さな金属板を鍛錬して数分で完成させる。

「ヤスリで削って研いだら出来るぞ、あとはシュルツに設計図見せれば出来るだろ」

「そうだね明日にでも持って行くよ」

「本当は新しく覚えたスキルで出来るんだけどね…」

「そうなのか、まあスキルは使えば使う程、熟練度が上がって効率も良くなるからな」

「そうなんだ…良い事聞いたよ」

「まあ魔力が少ないと限界はあるが…スマンな、お前もムネノリも魔力は俺に似て低いからな」

「母さんは魔力高かったの?」

「…いや…でも結構珍しい回復魔法も使えたからな」

「そうなんだ…でも筋力は母さん似だよね」

力こぶをみせる。

「ハッハッハ、そうだな…でも父さんもバシィと出会う前は力自慢だったんだがな」

「何となく分かるよ、1日中金槌振れるんだから力無いと」

「顔も体型も、お前は母さんそっくりだな」

「…そこは否定したいけど母さんに悪いし…兄さんも大体同じだし良いよ」

「…ん?ダイン…パシィはモテたぞ…」

「えっ…なんで??」

「…お前の美意識は分からんが漆黒の髪、一重の瞳、優しそうな丸顔、小柄な体型…俺はパシィ以上の女を知らん」

少し不機嫌になる父…半分惚気じゃねぇか、少しジト目を向ける。

「…ふーん」

「お前は知らないだろうがゴドルフィンの王は黒髪じゃないと跡を継げないどころか王位継承権も失うんだぞ」

「ふーん…父さんは黒髪に惚れたのか、メモメモ」

エアメモ取りで茶化す。

「ふん…髪は魅力の一部に過ぎんな」

「…そもそも出会った頃のパシィは…」

なんか目を閉じてニヤニヤしている…

長くなりそうな気配を感じ親の馴れ初めなんか聞きたく無かったので、設計図やノコギリ等を持って、その場を立ち去る。



「フー危ない危ない…軽く胸焼けしそうだったな、早い方が良いか、シュルツさんに渡して来よう」

シュルツの家に向かうとエレインさんも来ているらしく、工房から声がする。

「こんにちは」

工房からシュルツさんが顔出す。

「…こい」

手でジェスチャーをされたので工房に入る。

「…エレインさんも来てたんですか」

「そう、早速シュルツさんに話しをしに来たわけ、もしかして持ってるのが…」

「そう、あっシュルツさん木のお礼」

持っていたノコギリを渡す…あっ柄が無い。

「…別にかまわんかったがな」

慣れた手つきで、そこら辺の木片を削って柄を作って器用に道具箱にあった紐を巻き付ける、トントンと玄翁で嵌め込み、太い角材を切っていく。

「……凄いなありがとよ」

「…ふー良かった又頂戴ね、でコレが鉛筆の木の部分を作る道具の設計図だよ」

「そうか…ココを嵌めて作れば良いな…ふっ好きなだけ持っていけ」

喋りながらも、設計図通りに木材を加工していく…

「シュルツさん凄いね」

「うん、結構適当に書いた設計図だから心配してたんだけど…」

「ほれ…」

早速、鉛筆の木片を作って渡してくる、一瞬投げるのかと思ったが取りに来いって事らしい。

「完成だよシュルツさん、見てみてエレインさん」

受け取ったエレインは手に持っていた炭を木片に嵌め込む。

「家から持って来た炭も調度ハマるわ」

「…だが細々した仕事だな…息子にヤラせるか…」

「そうですね、利益は折半で良いですか?」

「…だがムネトモの所のにも…」

話しを切って。

「えっ良いですよ」

「だがな、コレなら細い線も書けるし、大きな街に持っていけば売れるぞ」

「そうだよダインちゃん」

「うーん…じゃあ一割で良いよ」

「…ムネトモの子よ、ソレでは…」

「良いです、シュルツさんには、いつか私の家を建てて貰うし、エレインさんにはバカ兄貴の事あるから…」

「…ふっ…分かった…任せておけ、ダムダんとこのも良いな」

「はい」

「…まあ…炭が出来たのから持って来い」

「はい…ダインちゃんが良いなら」

「良いよ」

親指を立てて目を瞑る。

「ハッハッハ」

始めてシュルツさんの笑顔を見た気がする、結構可愛い。



「じゃあまた木貰って行きます」

ちゃっかり数枚の板を貰って帰る。

「…おう…」

何時もの寡黙なシュルツさんに戻る。

「…ダインちゃん、ありがとうね」

「ん??なにが?」

「なんでも無い」

なんか色々言われるかと思って面倒だなっと思っていたから良かった。

「でもダインちゃん凄いね、1日で売れそうな商品作れるなんて…」

「…うん、いつか街を作りたいだ」

「…そうなんだ…でもダインちゃんなら作れるかもね、その時は私も住まわせてね」

「うん」

…まあランちゃんがどうなるか分から無いから本当に夢で終わる可能性の方が高いんだけど…

「あっそうだ」

地面に猫の絵を描く。

「わっ可愛い何?タヌキ??」

「…そう…知らないですか…」


エレインと別れたあと。

「にゃんこ〜〜」

と心の中で叫ぶダインスレフだった。

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