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スキル…

昨日は本当にクタクタで夕食を済ますと直ぐに寝てしまった。

今日は朝ご飯を食べ終わると皆の許しを貰ったので部屋に籠る。

「ん??…鉄鉱石を仕舞わなくて良いのか??って…大丈夫なんです、私の掘った石はスキルで鉄鉱石で確定してるけど兄さんの掘った石は純度がバラバラだから雨風に晒して少し錆びさせてから鉄にしていくんだって…早朝に荷車からは一気に降ろしたよ」

独り言を呟いてから机の上のアルミとマグネシウムを選び並べる…

「確か…アルミとマグネシウムの割合は…」

手をかざすと輝き混ざりあって1つの金属の塊が出来る。

「おお…出来たのかな??」

鑑定

ジェラルミンの塊 5キロ

「ん?どっちも2キロで足して4キロのはずだけど…まあいいか」

深くは考えない…次はチタンを取り出して。

「ペグを作って見ようかな…釘状で引っ掛かりも付けてと…」

頭で考えて手をかざすと、良い感じのペグが出来ていく。

「おお…とりあえず20本くらいで良いか」

次々に輝き、塊から溶解し分かれてペグが出来ていく。

「良し、次はマグカップを作ろう、どうせなら真空マグが良いな…」

頭の中でマグカップを想像する…柄は折り畳めるようにして、2重構造にして…手をかざすと。

「あれ??出来ない??」

その塊は何とかコップ??というか、湯呑のような者だった…

「何でかな??もう一度挑戦」

決意を新たに挑戦するも失敗…

SPが無くなりました。

「くっもう無いのか…何で出来ないのかな…父さん…いや兄さんに聞いて見るかな」

父さんよりスキル沢山持ってる兄さんに聞いてみようと外に行く、兄は昨日取ってきた鉄鉱石を倉庫にしまっていた…あれ??

「兄さん雨風に晒さなくて良いの?」

「…いやお前の掘った石は鑑定済みだから倉庫に入れておこうと思ってな…」

もう汗だくだ…よく見ると私の掘った石は大きくて分かりやすい。

作業の手を止めて石に腰掛ける。

「で、どうした?」

「…うん、なんか上手くスキルが使えなくて思った形に出来ないんだ」

出来たマグカップ??を取り出してみせる。

「…なんだコレ?」

「えっコップだよ」

「…少し見せてみろ…」

マグカップ??を渡す。

「見た目より軽いな」

「まあチタンだからね」

「??何か分からんが…」

少し考えてくれてる様子を心配しながら待つ。

「…多分だが魔法の力と関係あるのかもな、魔法は想像力で威力が変わる、どれだけ理解して、事細かく想像する事で精度や威力も変わってくる」

右手から炎を出し、形を変えたりしている、不意に細長い串の様な形にして少し離れた小川に投げる。

ジュッと音がして少し煙が上がる。

「こんな風にな…陶工は土魔法の適正がある者も多いと聞くし、ダインはどんな風に考えたんだ」

ポケットからペグも出してみせる。

「まずコレを作れたから、同じ様に完成品を想像して作ったんだけど、出来たのがソレ」

「…物なんだから設計図を作って見たらどうだ?魔法でも設計図を作る人がいるんだ魔法陣がそうだな」

「なるほど書くものある??」

「…羊皮紙は高いし…大工のシュルツさんに板の端材を貰って羊皮紙の変わりに…エレ…ダムダさんの所から炭を貰って来たら良いと思うぞ」

「分かった行ってくる」

中々頼りになる兄だ…まあ色気に弱いが、と思いながらスタスタとダムダさん家に向かう。

「…ダイン少し手伝ってくれても…」


大工のシュルツさんの家に向かう。

「こんにちは」

「…おう…どうした?」

「…要らない大きめの端材無いですか?」

「…おう…ソコに転がってる奴なら良いぞ持っていけ」

「ありがとうございます」

シュルツさんが指さした木を持ちあげると形が歪で使えないかな…と

「…あのノコギリありますか?書き物したいんで平にしたいんです」

「…おう…そらよ」

使い込まれたノコギリで平にしていく、鉄の板の片側をギザギザにしただけのノコギリ…

「おじさんありがとう」

「…おう…」

「今度なにか持ってくるね」

「…おう」

「あとコレも貰って良い?」

「…おう」

少し固めの端材と大きめの板を持ってシュルツさんの工房を出ていく。

「…ふー寡黙な人だな」


「こんにちはエレインさん」

「いらっしゃいダインちゃん」

「…硬い炭ありますか?」

「何に使うの?」

「書き物に使おうかと思って」

「そうなんだ…少し待っててね」

工房に入っていくエレインさん、そこにはダムダさんが炭を切りそろえていた。

「父さんダインちゃんが書き物するから硬い炭無いか?って」

「…ならソコにある奴を切ってやる、少し待ってろ」

ダムダさんは手馴れた感じで炭を両手で持ち上げ、カンカンと打ち鳴らす…金属音のような音が鳴っている如何にも硬そうな炭を今まで輪切りにしていた道具に木枠を嵌めて縦に四つ切りに更に木枠を調整して細くしていく、直径5ミリ程になった所で木枠を裏返して

金属の板を取り出して削っていく、木枠には溝があって、金属の板の出っ張りが、はまり込むようになっていて丸く削れるようだ。

「…凄い…なんで割れないんだろう?」

「ほらよ、この炭は密度が濃くて硬い、しなりもあって折れにくい、火力も強いから料亭なんかにも卸してる」

3ミリ程の細い炭を受け取る。

「あとは布を巻いて先を尖らせれば書き物に使えるはずだ」

「…そうだダムダさん、その道具の太い炭用の大きい奴ありますか?」

「ああ…あるぞ」

「少し工房の道具を借りても良いですか?」

「…ああ」

ポケットから木片を取り出す、工房にあった小振りのナタで長さと太さを合わせる、炭を削った道具に木片を入れて金属板で削っていく。

「エレインさん、ごは…ジャガイモ粉ありますか?接着剤に使いたいので」

「あるよ、お湯で溶いて練ったら良いんだよね」

「はい…少しで良いですよ」

「うん、ちょっと待っててね」

工房から出ていく。

丸く削れた木片を半分に割り、手持ちの小刀で丸く溝を掘っていく、そこに受け取った炭を嵌めてみると、すっぽりハマる。

エレインさんが戻ってくる。

「はいダインちゃん」

「ありがとうございます」

ご飯粒では無く、ジャガイモ粉を練った物を木片に塗って接着する。

「出来た…」

「なんなのダインちゃん」

出来た鉛筆もどきを小刀で削って尖らせて、エレインさんにみせる。

「えんぴつかな…布だとズレるし、これだと細い線も書けるから…」

エレインさんからダムダさんの手に渡りグルりと見ている。

「…コレは良いな、手も汚れない、シュルツと一緒に作ってみるか」

「…はい、父さんにも言っておきます」

「エレインさん代金は??」

「良いよ何か商品出来たみたいだし」

「やった…じゃあまた」

「ムネトモに悪かったと…昨日コイツから聞いてな」

「はい…でも、おじさんの気持ちも分かるので、バカ兄貴がゴメンなさい」

「…いやワシが焦り過ぎたのかも知れん…」

「…ちょっと父さん暗いよ、大丈夫良い男、見つけるから」

「…そうだな」

「大丈夫、私が見付けてきますよ」

暗い雰囲気に限界になる。



「では炭ありがとうございました」

「うん、またねダインちゃん」


「でもエレインさんの旦那探し急がないと駄目だな、猫探し、コメ探し、板は面倒だから紙も作りたい、早く旅に出ねば」

決意も新たに家路に着くのだった。


この後、シュルツさんとダムダさんは鉛筆を普及させていく、父ムネトモ印の鉛筆削りと共に、そしてエレインさんの旦那探しに近付くのです。

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