魔法少女ハルナ -DARK APOCALYPSE-
登場人物等の設定に関しましては『魔法少女ハルナ』を参照して下さい。
危険な魔法の研究を行っていた名も無き研究者の研究所が爆発する事件が起こり、政府がその場所の調査を行っていました。
「何か見つかったか?」調査を行っていた特殊部隊の隊員の一人が他の隊員に訊ねました。
「いや、何も見つからない。」訊ねられた隊員が答えました。「何日も調査を続けているのに見つかったのは殆ど瓦礫ばかりだ。」
「そうだな。」訊ねた隊員が言いました。
「おい!こっちへ来てくれ!」別の隊員が声を上げました。
他の隊員達がその隊員の元へと集まりました。そこには人の形をした何かが入れられたカプセルが転がっていました。
「何だこれは?」集まった隊員の一人が言いました。
「まさかこれは……魔法少女か?」別の隊員が言いました。
「魔法少女……?」また別の隊員が言いました。「人造魔法少女と言うことか……!」
「よお。」そこへソリーサが姿を現しました。
隊員達が一斉にソリーサを見ました。
「面白そうなもん見つけたみてえじゃねえか。」ソリーサが言いました。「ソイツはオレが貰っておいてやるぜ。」
「何……!?」隊員の一人が言いました。
「ハハハハハハハッ!」ソリーサが全身から闇の力を漲らせながら笑い声を上げました。
闇の神殿にシン、ケミル、ゼノ、イオ、そしてクローディアが集まっていました。そこへソリーサがそのカプセルを運んで姿を現しました。
「何だソイツは?」イオが言いました。
「コイツは“0”。人間が開発した人造魔法少女の試作品さ。」ソリーサが言いました。
「人造魔法少女だと……?」シンが言いました。
「人工的に作り出した魔法使い……。」ケミルが呟きました。
「使えるのか?」ゼノが言いました。
「今のままじゃ使いもんにならねえ。所詮は試作品、起動すらしねえさ。」ソリーサが言いました。
「だが闇の力を使えば話は別か?」ゼノが言いました。
「ああ。このオレの闇の魔法でコイツを起動させる。」ソリーサが言いました。「人間が作り出した魔法使いの力でこの世界を滅ぼしてやるぜ。」
「面白そうね。」クローディアが言いました。
「そうだろう?」ソリーサが言いました。
「しかしソイツの力を試したければ急いだ方が良いな。」ゼノが言いました。
「何……?」ソリーサが言いました。
「ゼノも何か企んでいるの?」クローディアが言いました。
「また何か呼び出したってのか?」ソリーサが言いました。
「間もなく“ヒヴミンド”がやって来る。」ゼノが言いました。
「ヒヴミンド……?」ケミルが言いました。
「広大なる宇宙には高度が文明を持つ“フュトゥレ”という星が存在する。フュトゥレ星人達は高度な技術により意思を共有しており、それに伴い名前も共有している。」ゼノが言いました。
「なるほど。ヒヴミンドというのはそのエイリアン達全員の名前というワケか。」シンが言いました。
「そう言うことだ。」ゼノが言いました。
「なるほど……。」クローディアが言いました。
「ヒヴミンドは住んでいる星を動かす程の技術も有しており、宇宙に存在する他の文明を見つけては侵略を行い、侵略した星はフュトゥレの一部として取り込んでいる。」ゼノが言いました。
「その連中がこの世界へと姿を現すというワケか。」イオが言いました。
「ああ。」ゼノが言いました。
「その話も面白そうね。」クローディアが言いました。
「確かにな。」ソリーサが言いました。
「ねえ。どうせならあなた達全員で計画を実行してみない?」クローディアが言いました。
「私達全員で……?」ケミルが言いました。
「そう。みんな何かあるでしょ?」クローディアが言いました。
「攪乱用に精霊を四体用意していましたが、それを動かしてみることにしましょう。」ケミルが言いました。
「ならば俺はこれまでにないタイプのロボットを完成させるとしよう。開発中の巨大ロボットに手を加えればすぐに完成させられる。」シンが言いました。
「私もウイルスの用意を進めることにするか。」イオが言いました。
「フフ、楽しみね。」クローディアが言いました。
その日、ハルナは相次ぐ戦いに伴う疲れを癒す為、アジトで眠りに就いていました。
「起きて!ハルナ!起きて!」眠っているハルナの耳元でカーターが叫びました。
「うううう……。」ハルナが辛そうに目を開けました。
「目を覚まして、ハルナ!」カーターが言いました。
「どうしたの、カーター?何か起こったの?」ハルナが言いました。
「エイリアンの襲撃だ!」カーターが言いました。
「エイリアン……?」ハルナが体を起こしながら言いました。
「一体や二体じゃない!とてつもない数のエイリアン達がこの町に押し寄せてる!」カーターが言いました。
「えっ……?」ハルナが言いました。
ハルナはふらふらとした足取りで窓の方へと歩きました。
ハルナがカーテンを開け、窓を開けると、そこには侵略を受けた街並みが広がっていました。
建物は崩れ、炎上し、路上には壊れた車が大量に乗り捨てられていました。
そして遠くからは政府の特殊部隊とヒヴミンド達が戦闘を繰り広げている音が聞こえてきました。
「これは……大変そうだね。」ハルナが言いました。
「うん……。」カーターが言いました。
「それじゃ、行こうか。」ハルナが言いました。
「起きたばかりで平気?」カーターが言いました。
「大丈夫だよ。」ハルナが言いました。
「非常時にこんなこと言うのも野暮だとは思うけど、顔を洗ってからでも良いんじゃないかな?」カーターが言いました。
「変身すれば問題無いよ。」ハルナが言いました。
「ああ……そう。」カーターが言いました。
ハルナはマジカルチェンジャーを構えました。
「変身!」そう言ってハルナはマジカルチェンジャーを起動しました。
そしてハルナは起き抜けの少女から魔法少女へと変身しました。
魔法庁のエージェントが町に来ていました。
「知らせを受けて来てみたが、酷い有様だな。」町の惨状を見て魔法庁のエージェントが呟きました。
「さて……どうしたものか……。」
ハルナはマジカルテックサイクルに乗って通りを移動していました。しかし、通りは倒れた人々や乗り捨てられた車でいっぱいで乗り物に乗った状態では進み辛くなっていた為、ハルナはマジカルテックサイクルを降りることにしました。
ハルナは倒れている一人の隊員の傍で足を止めました。
ハルナはその隊員の傍らに落ちていた魔法の短機関銃を拾い、先へと進んでいきました。
通りを歩いていたハルナは三体のヒヴミンド達に出くわしました。
「あっ……!」ハルナは声を上げました。
ヒヴミンド達もハルナに気づくと、手に持っていた宇宙小銃を構え、ハルナに向けて撃ち始めました。
ハルナは横に走ってヒヴミンド達の攻撃をかわすと、建物の壁に向かってジャンプしました。そしてハルナは壁を蹴ってさらにジャンプし、空中で魔法の短機関銃を撃ちました。
ヒヴミンドの一体がハルナの放った魔法弾を受けて爆発しました。
残り二体のヒヴミンド達が尚もハルナに向けて宇宙小銃を撃ち続けましたが、宇宙小銃から放たれる光弾は空中にいるハルナには当たりませんでした。
地面へと落下したハルナはそのまま地面の上を転がりながら落ちている別の魔法の短機関銃を拾うと、体勢を立て直し、両手で二丁の魔法の短機関銃を同時に撃ちました。
ハルナの攻撃を受けて残り二体のヒヴミンド達も爆発しました。
「大したことは無いみたいだね。」ハルナが言いました。
しかし次の瞬間、機械神龍“ハートラゴンド”がハルナの前に姿を現しました。
「な……何……!?」ハルナが驚いて言いました。
ハートラゴンドが口から暗黒弾を吐いてハルナを攻撃しました。
ハルナは走ってハートラゴンドの攻撃をかわすと、ハートラゴンドに向けて魔法の短機関銃を撃ちました。
しかし、ハートラゴンドはハルナの攻撃を受けてもビクともせずに、ハルナに向けて尻尾を振りました。
「うわああああああっ……!」ハルナはハートラゴンドの尻尾にふっ飛ばされて叫びました。
ハルナは手にしていた魔法の短機関銃を手放し、地面のひび割れから地下へと落ちていきました。
「うう……!」地下で倒れ込んでいたハルナが呻き声を上げました。
ハルナはゆっくりと立ち上がりました。
「さっきのロボットは……?」ハルナが言いました。
「フン!」ハルナの前に精霊の一体“ノーム”が姿を現しました。
「あなたは……!?」ハルナが驚いて言いました。
「ハアッ!」ノームが掌から闇の土塊を放ってハルナを攻撃しました。
「うわっ……!」ハルナは慌てて身を反らし、ノームの攻撃をかわしました。
「ハアッ!」ノームは尚も闇の土塊を放ち続けました。
ハルナは次から次へと飛んでくる闇の土塊をかわしながらノームへと近づいていきました。
「ハアアッ!」ハルナはノームにパンチを繰り出しました。
ノームはハルナのパンチを左腕で防ぐと、右足で蹴ってハルナを怯ませ、続けて連続でパンチを繰り出しました。
「うあああっ……!」ハルナはノームの連続攻撃を受けて声を上げながらふっ飛ばされ、そのまま地面の上を転がりました。
「くっ……!」ハルナは立ち上がりました。
「ハアアッ!」ノームが立ち上がったハルナに向けて闇の土塊をを放ちました。
「ううっ……!」ハルナは左腕でノームの攻撃を防ぎました。
「マジカルブラスター!」ハルナはマジカルブラスターを構えました。
「ハアッ!」ハルナはノームに向けてマジカルブラスターを撃ちました。
「ウアアッ……!」ノームはハルナの攻撃を受けて怯みました。
ハルナはよろめきながら体勢を立て直そうとするノームを見ると、マジカルブラスターを投げ捨ててフェイタルアーツを発動しました。
「マジカルキック!」ハルナはノームに跳び蹴りを浴びせました。
「ウアアアアアアアッ……!」ノームはハルナの攻撃を受けてふっ飛ばされ、そのまま消滅しました。
「とりあえず、地上に戻らないと……。」ハルナが呟きました。
その頃、ハルナがかつて通っていた中学校には生存者達が避難していました。
集まった生存者達は敵の襲撃を恐れ、不安げな様子を見せていました。
ハルナは崩れた道路を登って地上へと戻りました。
しかしそこには多数のヒヴミンド達がいて一斉にハルナに攻撃を仕掛けました。
ハルナは走ってヒヴミンドの攻撃をかわすと、地面に落ちている魔法の短機関銃を拾い、物陰へと身を隠しながら反撃を行いました。
ハルナは一体ずつヒヴミンド達を倒していきましたが、ヒヴミンドの数はそうは減りませんでした。
そこへミサキが姿を現しました。
「ミサキさん……!」ハルナが言いました。
ミサキに気づいたヒヴミンド達が一斉にミサキを攻撃しました。
「マジカルウォール!」ミサキは手にしていたマジカルロッドを構えると、その先端に魔法の壁を生成してヒヴミンド達の攻撃を防ぎました。
攻撃を防がれたヒヴミンド達が動揺した素振りを見せました。
「マジカルストリーム!」ミサキはすかさずマジカルロッドの先端から魔法線を放ってヒヴミンド達を攻撃しました。
ミサキの攻撃により瞬く間にヒヴミンド達は全滅しました。
「ミサキさん!」ハルナがミサキの元へ駆け寄りました。
「ハルナちゃん!」ミサキが言いました。
「大変なことになっちゃいましたね。」ハルナが言いました。
「そうね。」ミサキが言いました。
「今のエイリアン達以外にも、色々な敵がいるみたいです。」ハルナが言いました。
「それは思っていたよりも大変ね。」ミサキが言いました。「頑張りましょう。」
「はい!」ハルナが言いました。
「アオイから聞いた話によると、現在政府は部隊を集結して街の中心部で戦っているみたいよ。」ミサキが言いました。
「そうなんですか。」ハルナが言いました。
「行って様子を見てみましょう。」ミサキが言いました。
「はい!」ハルナが言いました。
「フッ!」そこへ精霊の一体“ウンディーネ”が姿を現しました。
「アイツは……!」ハルナが言いました。
「知っているの?」ミサキが言いました。
「いえ……。でも、さっき戦ったヤツと同じタイプの敵だと思います!」ハルナが言いました。
ウンディーネが掌から闇の流水を放ちました。
ハルナとミサキはそれぞれ左右に移動してウンディーネの攻撃をかわしました。
「ハアッ!」ウンディーネがミサキに向けて闇の流水を放ちました。
「マジカルウォール!」ミサキは魔法の壁でウンディーネの攻撃を防ぎました。
「あの敵は私に任せてハルナちゃんは先に行って!」ミサキが言いました。
「ミサキさん……!」ハルナが言いました。「分かりました!」
ハルナは町の中心部を目指して走り出しました。
ウンディーネがまた闇の流水を放ちました。
ミサキはウンディーネの攻撃をかわしながらウンディーネに近づき、マジカルロッドでウンディーネを叩きました。
さらにミサキは怯んだウンディーネを連続で叩きました。ミサキの連続攻撃を受けてウンディーネは怯みながら後退しました。
「フッ!」ミサキがマジカルロッドを振り上げると同時に、マジカルロッドの上部に大きな魔法の刃が生成されました。
「マジカルエンド!」ミサキがマジカルロッドを振り下ろしました。
「アアアアアアアアッ……!」大きな魔法の刃で切られたウンディーネは叫び声をと共に消滅しました。
「よし……!」ミサキが言いました。
すると突然、ミサキの背後にハートラゴンドが姿を現し、ミサキに向けて暗黒弾を吐き出しました。
「はっ……!」ミサキが慌てて振り返りましたが、ハートラゴンドの吐き出した暗黒弾が既にすぐ傍まで迫っていました。
そして爆発が起こりました。
町の中心部へ向かおうとするハルナの前にまたも多数のヒヴミンド達が立ちはだかりました。
「くっ……!」そう言ってハルナは足を止めました。
ヒヴミンド達が一斉に宇宙小銃を構えました。
「ハアッ!」その瞬間、サクラが姿を現しヒヴミンド達に飛び掛かりました。
「サクラちゃん……!」ハルナが言いました。
サクラは素早い身のこなしで次から次へとパンチを繰り出し、瞬く間にヒヴミンド達を一掃しました。
「ハルナさん!」サクラが言いました。「大丈夫ですか!?」
「う……うん!」ハルナが言いました。
「良かったです!」サクラが言いました。
「町の中心部で政府の部隊が戦っているんだよね?」ハルナが言いました。
「はい。でも、政府の調査によると今この町で暴れているエイリアン達は先遣隊に過ぎず、残りのエイリアン達が星ごとこちらに近づいているそうですよ。」サクラが言いました。
「星ごと……!?」ハルナが言いました。
「はい。連中の文明は星を動かせるほど高度みたいです。」サクラが言いました。
「そんな……!」ハルナが言いました。
「もし残りのエイリアン達がやって来たら戦いはさらに激しくなるでしょうね。」サクラが言いました。「それまでに何としても体勢を整えなくてはなりません。」
「そうだね。」ハルナが言いました。
「町の中心部へと向かおうとしてるんですか?」サクラが言いました。
「うん。」ハルナが言いました。
「良いと思います。」サクラが言いました。「この町での戦いは今のところこちら側に傾いていますが、後の戦いに備える為にも今の戦いを早く終わらせた方が良いですからね。」
「サクラちゃんは……?」ハルナが言いました。
「私は引き続き散らばっているエイリアン達を片付けるつもりです。」サクラが言いました。
「エイリアン以外の敵もいるみたいだから気をつけて。」ハルナが言いました。
「分かりました。」そう言ってサクラはマジカルユニサイクルに乗りました。
「それでは……!」そう言ってサクラはマジカルユニサイクルを走らせました。
ハルナも再び町の中心部へ向けて走り出しました。
通りには多くの人々が倒れていました。
次の瞬間、イオが町中に散布したD-ウイルスの影響により倒れていた人々がゾンビと化して立ち上がり始めました。
立ち上がったゾンビ達は生きている人間を探して歩き出しました。
サクラはマジカルユニサイクルに乗ってさほど障害物の無い通りを移動していました。
そんなサクラに精霊の一体“シルフ”が空を飛びながら近づいていきました。
「アイツは……!?」サクラがシルフを見て言いました。
「ハアッ!」シルフが空を飛んだまま掌から闇の突風を放ちサクラを攻撃しました。
「フッ!」サクラはハンドルを切ってシルフの攻撃をかわしました。
シルフは連続で攻撃を繰り出しましたが、サクラはシルフの攻撃をかわし続けました。
「あっ……!」サクラが前を見て声を上げました。
乗り捨てられた車がサクラの行く手を塞いでいました。
「くっ……!」サクラはマジカルユニサイクルを加速させました。
「ハアアッ!」サクラはマジカルユニサイクルごとジャンプして行く手を塞ぐ車を飛び越えました。
「ハアッ!」シルフは尚もサクラを攻撃し続けました。
「フッ!」サクラは走行中のマジカルユニサイクルからジャンプしました。
「ンッ……!?」シルフが声を上げました。
着地したサクラはすぐさま向かってくるシルフの方を向いて拳を構えました。
「ハアアッ!」サクラがシルフにアッパーカットを繰り出しました。
「ウアアアッ……!」サクラの攻撃を受けてシルフはふっ飛ばされ、そのまま地面に落下しました。
「フン!」シルフは立ち上がると、サクラに向かって走り出しました。
シルフはサクラに向かって連続でキックを繰り出しました。
サクラはシルフの攻撃を全て上で防ぐと、パンチを繰り出してシルフを攻撃しました。
「ウアッ……!」シルフはサクラのパンチを受けて怯みました。
「フン……!」シルフが体勢を立て直そうとしました。
「トドメだ!」そう言ってサクラはフェイタルアーツを発動しました。
「マジカルコンビネーション!」サクラは再び向かって来ようとするシルフに向かって次々とパンチやキックを浴びせました。
「ウアアアアアアアッ……!」シルフはサクラの連続攻撃を受けて消滅しました。
「やったぜ!」サクラが言いました。
サクラが喜んだのも束の間、周囲の路地からゾンビ達が姿を現しサクラを取り囲み始めました。
「まさか……ゾンビ……!?」サクラが言いました。「エイリアンの犠牲者達がゾンビ化したのか……!?」
ゾンビ達がサクラににじり寄りました。
「くっ……!」そう言ってサクラは拳を構え直しました。
町の中心部では政府の特殊部隊がヒヴミンド達と戦っていました。
政府の特殊部隊の方が優勢でしたが、それでも多数のヒヴミンド達が残っていました。
そこへハルナが到着しました。
「ハアッ!」ハルナはジャンプして戦いに飛び込みました。
「フッ!ハアアッ!」ハルナはパンチとキックを繰り出して次々とヒヴミンド達を倒していきました。
ヒヴミンド達が一斉にハルナを狙い始めました。
ハルナはすかさずマジカルブースターを起動しました。
「ハアアッ!」ヒヴミンド達が宇宙小銃を撃ち始めた瞬間、ハルナは瞬間移動でその場から姿を消しました。
そしてハルナは空中で分身し、フェイタルアーツを発動しました。
「マジカルキック!ハアーッ!」ハルナとその分身達がヒヴミンド達に向けて空中からキックを放ちました。
ヒヴミンド達はハルナとその分身達の攻撃を受けて遂に全滅しました。
攻撃を終えたハルナの分身達は消え、ハルナは地面に着地しました。
その学校に集まっていた生存者の中にハナコもいました。
「ハルナちゃん……。」ハナコが不安のあまり思わずハルナの名を呟きました。
そこへゾンビ達が押し寄せてきました。
生存者達は恐怖のあまり逃げ惑いましたが、ゾンビ達に次々と倒され、ゾンビ化していきました。
「どどど……どうしよう!?」ハナコが叫びました。
生存者の中には勇敢にゾンビ達と戦おうとする人々もいました。
「えいいっ!」ハナコは椅子を手に取り、ゾンビ達と戦い始めました。
「フン!」そこへ精霊の一体“サラマンダー”が姿を現しました。
「ハアアッ!」サラマンダーは掌から火球を放ってその学校を破壊し始めました。
「ウソ……!」ハナコが声を上げました。
他の戦っていた生存者達も、サラマンダーには敵わないと悟り、その場から逃げ始めました。
「どうしよう?ハルナちゃん……!」ハナコが言いました。
「この窮地から皆を守る方法が一つある。」そこへ魔法庁のエージェントが姿を現し言いました。
「あなたは……?」ハナコが言いました。
「これを使うんだ。」そう言って魔法庁のエージェントがマジカルチェンジャーを差し出しました。
「それは……ハルナちゃんが持ってる……。」ハナコが呟きました。
「これを使えば魔法少女に変身出来る。」魔法庁のエージェントが言いました。
「私が……魔法少女に……?」ハナコが言いました。
「だが、君の魔力だと一回変身すれば死ぬ。」魔法庁のエージェントが言いました。
「ええっ!?そんな……!」ハナコが言いました。
「それでも、ここにいる人々の中で最も魔力が高いのは君だ。」魔法庁のエージェントが言いました。「決断は任せよう。」
「死ぬのは怖いけど……でもどの道このままじゃ……!」ハナコが学校を壊すサラマンダーを見ながら言いました。
「よし……!」ハナコはマジカルチェンジャーを受けとって走り出しました。
ハナコはサラマンダーの前に立ってマジカルチェンジャーを装着しました。
「ン……?」サラマンダーが攻撃を止めてハナコを見ました。
「変身!」ハナコが変身しました。
「ウワアアアアアアッ!」ハナコはサラマンダーに向かって走り出すと、がむしゃらにパンチを繰り出しました。
サラマンダーはハナコの連続攻撃を受けて怯みました。
「アアアアアアアアッ!」ハナコは怯んだサラマンダーに渾身のパンチを浴びせました。
「ウアアアアアアアッ!」サラマンダーはふっ飛ばされて地面に倒れ込みました。
ハナコは辛そうに倒れ込んだサラマンダーを見つめました。
「ウッ……!ウアアッ……!」サラマンダーがよろめきながら立ち上がりました。
「そ……そんな……!」ハナコが言いました。
「ウアアアアッ……!」そこでサラマンダーは力尽き、消滅しました。
「えっ……?やった……?やった!」ハナコが言いました。
「やったな。」魔法庁のエージェントがハナコに近づいて言いました。
「あっ……!でも、私死んじゃう!」ハナコが言いました。
「ああ……。」魔法庁のエージェントが言いました。
その瞬間、ハナコが装着していたマジカルチェンジャーが砕け散り、ハナコの変身が解除されました。
「えっ……?」ハナコが言いました。
「ん……?」魔法庁のエージェントが言いました。
「私……死んだの……?」ハナコが言いました。
「いや、生きてる。」魔法庁のエージェントが言いました。「生きてるな。」
「えっ……?」ハナコが言いました。「どうして?」
「どうやら君には自身に装備されたアイテムを破壊することで自らの死を無効にする特殊能力があったようだ。」魔法庁のエージェントが言いました。
「えっ……?ウソ……?」ハナコが言いました。
サラマンダーが倒れても尚、周囲には多数のゾンビ達が残っていました。
「とにかく君はここから逃げた方が良いな。」魔法庁のエージェントが言いました。
「えっ……?うん。えっと、あなたは……?」ハナコが言いました。
「私はもう少しこの町の状況を観察させて貰うとしよう。」魔法庁のエージェントが言いました。
その瞬間、ハートラゴンドが姿を現し、尻尾でハルナをふっ飛ばしました。
「うわああっ……!」ハルナは隊員達から少し離れた場所に倒れ込みました。
ハートラゴンドがハルナの元へと飛んでいきました。
隊員達はハートラゴンドを追って攻撃を行おうとしましたが、その瞬間、多数のゾンビ達が姿を消しました。
「何だコイツらは!?」隊員の一人が言いました。
「ゾンビだ!撃て!」別の隊員が言いました。
隊員達はゾンビ達と戦い始めました。
立ち上がったハルナは、隊員達とゾンビ達の戦いを尻目にハートラゴンドと対峙しました。
ハートラゴンドはハルナに向かってきました。
ハルナは咄嗟に拳を構えましたが、ハートラゴンドはハルナを咥えて空を飛びました。
「うっ……!ううっ……!」ハルナは咥えられた状態でもがきました。
ハートラゴンドは空中でハルナを噛み締めました。
「くうっ……!」ハルナはハートラゴンドの歯の間から何とか右腕を抜きました。
ハルナは自由になった右手でマジカルブラスターを構えると、それをハートラゴンドの顔に向けて撃ちました。
ハートラゴンドは怯んで口を開きました。ハルナはそのまま地上へと落下しました。
ハルナは立ち上がると、マジカルブラスターを構え直しました。
空中で体勢を立て直したハートラゴンドがハルナに向けて暗黒弾を吐き出しました。
「フッ!」ハルナはマジカルブースターを起動させ、瞬間移動でハートラゴンドの攻撃をかわしました。
ハルナはそのまま空を飛んでハートラゴンドへと迫りました。
ハートラゴンドはハルナから距離を離そうと空中を移動しました。
ハルナはハートラゴンドを追いながらマジカルブラスターを構えると、ハートラゴンドの背中を撃ちました。
ハートラゴンドはハルナの攻撃を受けて怯み、周囲の建物に激突しながら地上へと落下しました。
ハルナは墜落したハートラゴンドの傍に着地すると、マジカルブラスターを構え直し、それに魔力をチャージし始めました。
倒れ込んでいたハートラゴンドが起き上がり、ハルナに飛び掛かりました。
「マジカルブラスト!」ハルナが大きな魔法弾を放ちました。
ハートラゴンドはハルナの放った大きな魔法弾を受けて倒れ、爆発しました。
ハルナがマジカルブラスターを下ろしました。
ハルナのいる場所から少し離れた場所で隊員達はゾンビ達との戦いを続けていました。隊員達はゾンビ達相手にも優位に戦いを進めていました。
そこへ他のゾンビ達の肩を引っ張ってどかしながら筋骨隆々のゾンビが姿を現しました。
「ウアアアアアアアッ!」隊員達の前に姿を現したそのゾンビが雄叫びを上げました。
「何だあのゾンビは!?」隊員の一人が言いました。
「きっとウイルスに過剰適合したゾンビだ!」別の隊員が言いました。
さらにそこへ三体のヴァーミン達が飛んできて、そのゾンビの背中に寄生しました。その瞬間、そのゾンビは背中から無数の触手が生えた姿へと変異しました。
「なんてことだ!」隊員の一人が言いました。
隊員達はそのゾンビと戦い始めました。
隊員達の元へ戻ろうとしたハルナの前に0が姿を現しました。
「えっ……?」ハルナが声を上げました。
「変身。」0が変身しました。
辺りをゾンビ達が取り囲む中、0がハルナに向かって歩き出しました。ハルナは迫り来る0に向けてマジカルブラスターを構えました。0はそれでも止まらずに歩き続けました。
「ハアッ!」ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。
ハルナが放った魔法弾が0の肩に直撃しましたが、0は怯まずにハルナに迫り、パンチを繰り出しました。
「うわああっ……!」ハルナはふっ飛ばされてマジカルブラスターを手放しました。
ハルナはゆっくりと立ち上がろうとしました。0は立ち上がろうとするハルナの傍へ寄って再びパンチを繰り出しました。
「うああっ……!」0のパンチを受けてハルナは再びふっ飛ばされました。
0は倒れ込んだハルナの傍へと寄ると、左手でハルナを掴み上げ、右手で殴りつけました。
「うっ……!」ハルナは怯みながら後退しました。
尚も0はハルナににじり寄り、何度もパンチを浴びせました。
「ああっ……!」ハルナは0のパンチを受け続け、また倒れ込みました。
「トドメだ。」そう言って0が両手で大きな暗黒弾を生成し始めました。
「くうっ……!」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。
「ハアアッ!」0がハルナに向けて大きな暗黒弾を放ちました。
「ハアアアアアアアッ!」ハルナが迫り来る暗黒弾に向けてパンチを繰り出しました。
ハルナのパンチが0の放った大きな暗黒弾に直撃した瞬間、爆発が起こりました。
「フッ……。」0が勝利を確信して言いました。
その爆発が収まると、そこに立ち続けるハルナの姿が確認出来ました。
「何……!?」0が驚いた様子で言いました。
「まだだよ。」ハルナが言いました。「世界の平和を守る為に、私は戦う!」
ハルナはマジカルバトライザーを起動しました。そして0に向けてマジカルバトルライフルを撃ちました。
「ウアッ……!」0がハルナの攻撃を受けて怯みました。
「ハアッ!」0はすぐさま体勢を立て直し、暗黒弾を放って反撃しました。
「くっ……!」0の放った暗黒弾を受けてハルナが怯みました。
すぐさまハルナは体勢を立て直し、0と睨み合いました。
ハルナは矢庭にマジカルブラスターを地面に放りました。
「ん……?」0が言いました。
ハルナはフェイタルアーツを発動し、0に向かってジャンプしました。
「あっ……!」0が驚きの声を上げました。
「バトライズド・マジカルキック!」ハルナが0に跳び蹴りを浴びせました。
ハルナの跳び蹴りが0に直撃したその直後、閃光と共に周囲に魔法の衝撃波が広がり、そこにいたゾンビ達が消滅しました。
「ウアアアアアアアッ……!」そして0もハルナの攻撃の威力に耐え切れず、そのまま消滅しました。
「ウオオアアアアアッ……!」隊員達の攻撃を受け続け、そのゾンビが倒れました。
その場所から隊員達の戦いを見届けたハルナはその場を後にしようとしました。しかしその瞬間、辺りが激しく揺れ始めました。
「えっ……?」ハルナが空を見上げると、星が近づいていることが確認出来ました。
「アレは……!?」ハルナが言いました。
「エイリアン達の巣だ。」そこへ姿を現した魔法庁のエージェントが言いました。
「あなたは……!」ハルナが言いました。
「アレが地上へと落下したらこの世界は滅びるだろう。」魔法庁のエージェントが言いました。
「何としても止めなくちゃ……!」ハルナが言いました。
「死ぬことになるかも知れないぞ?」魔法庁のエージェントが言いました。
「それはどうかな?」ハルナが言いました。
「フッ……。」魔法庁のエージェントが言いました。
ハルナはマジカルブースターを起動しました。そしてそのまま宇宙へと飛び立ちました。
魔法庁のエージェントは飛んでいくハルナを黙って見上げました。
宇宙空間へと出たハルナは、静止衛星軌道上に存在するマジカルバトライザーの後部を掴みました。
そしてハルナはマジカルバトライザーを迫り来るフュトゥレへと向け、魔力をチャージし始めました。
「コズミック・マジカル・ブラスト!」ハルナがマジカルバトライザーから星にも匹敵する大きさの魔法弾を発射しました。
ハルナが放ったその魔法弾がフュトゥレに直撃し、宇宙空間に爆発が広がりました。
ハルナは砂浜に倒れ込んでいました。
「ううっ……!」ハルナはゆっくりと立ち上がりました。
ハルナは穏やかな海を眺めました。
「よし、帰ろう。」ハルナは呟きました。
そしてハルナはゆっくりと歩き出しました。
こうしてハルナは仲間達と共に世界の平和を守ったのでした。