また異空間
掲載日:2019/05/21
透明な酒に手を浸す。さくさく森を歩く。雲が渦を巻いて雷に照らされている。倒れる木。ストップモーションの僕。
いつも見ていた郵便ポストに手を伸ばすと、異空間が広がっていた。ぼくはそこから公園へ飛ばされた。公園では蝶々が飛んでいた。ぼくは街へ移動。本屋に行った。面白そうな本に手を伸ばす。また異空間。今度は砂漠だ。砂漠のぼく。本のページに砂がかかる。皆どこにいるのか。
海から現れる魚。夜のサーチライト。深海魚の叫び。星空を横切る宇宙船。ゆれる波。ゆれる海。砂漠の砂が海に流れ込む。
ぼくは本を読み続ける。喫茶店の話が書いてある。ぼくは考える。どっかで見たことある光景だなと。夕暮れになる。ぼくは帰る。楽器屋に寄って帰る。砂漠の砂が僕に流れ込む。
ロバに蹴りを入れられたり、教室の時計が倒れて来たり・・・。いつの間にか朝が来ている。ぼんやり目覚めている。そして朝食を食べる。ぼくは本を読み終わる。気づけばこの世界全体が、異空間。
百年の時を超えやって来た。銅版画の向こうからやって来た。そして春も終わっていた。




